中島啓江さん、幸子ら350人が音楽で偲ぶ
2015/02/03
昨年11月23日に呼吸不全のため57歳で亡くなったオペラ歌手の中島啓江(なかじま・けいこ)さんを偲ぶ会が2日、東京・千代田区の帝国ホテルで行われた。親交のあった歌手の小林幸子(61)、渡辺真知子(58)、安田祥子(73)らが自身の楽曲を熱唱。中島さんが「この曲で送り出してほしい」と希望していた楽曲「エルガー 威風堂々」をオーケストラが演奏し、音楽で中島さんを偲んだ。会には林家三平(44)、向井亜紀(50)ら関係者350人がかけつけ、献花を行った。
20年来の親交があった小林は、「テレビの番組で一緒になってから意気投合して。うちにもよく来てくれました」と振り返った。「本当に歌が好きで、歌の素晴らしさを1人でも多くの皆さんに楽しんでもらいたいという人だった」と懐かしんだ。中島さんはふくよかな体型がトレードマークだったが、「うちに来た時に、玄関の段差を必死で上がってる姿を見ると不安でした。昨年3月に舞台で共演した時も、本番ではシャキっと立って歌っているけど、リハでは座っていた」と明かした。「昨年11月に私が武道館に出た時も、『絶対に見に行きたいんだけど、足が悪くて歩けない。武道館に見に行けるように、自力で絶対歩けるように頑張るから待っててね』という電話があって、それが最後だった。年下が先に逝ってしまうのはつらい」と悔しがった。「いつも天使みたいな子だった」と、天使の柄が入った着物姿で出席した。
姉妹のような関係だったという渡辺は、「食べることが大好きで、私の3~4倍は食べる。お酒も大好きで。おしゃべりも大好きでした」と回想。昨年8月30日に電話で話したのが最後となってしまい、「『またね~、ありがとう~』って電話を切ったのに…」と悲しんだ。演出家の宮本亜門氏(57)は「この会、素晴らしすぎます。中島の企画、演出、最高だね。生きている者として、頑張っていこうと思えた」と目に涙をためた。「彼女は絶対にNOを言わない人だった。いつも『YES!行くわよ!』って。ひざが悪くてボロボロになって、息が切れても、絶対に弱音を吐かない。一生を最大限、生ききった人」と称えた。