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隈研吾

隈研吾

建築家

テレビ朝日10月3日(水)・10日(水)

隈研吾

今回の表現者は、建築家・隈研吾(くまけんご)。
2020年、東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場の設計を任された、世界的な建築家。隈は机の上に和紙と墨を用意した。毛筆で漢詩を書くという。
「唐の時代の有名な詩なんだけど、自然をうたっていて。情景とか空間がまざまざと浮かぶような「建築的な」漢詩なんですね。」
「抱葉寒蝉静 帰山独鳥遅」
ヒグラシは声もたてず、山に帰る一羽の鳥が、ゆっくり空を舞う。隈が書いたのは中国の詩人・杜甫による晩夏の情景を詠んだ漢詩だった。
「ヒグラシを使いながら静かな光景を描いたり。建築でいうと、小さい物を置いて、周りの大きさを見せるとか、そういう点で建築も文学も同じだと思っています」

隈研吾

この表現で隈が伝えたかったのは、手を動かし、体を動かすことが新しいものを生み出すヒントになるということ。漢詩を書き上げた後に、隈はいま思い描く未来の建築のスケッチをかいた。常に新しい建築に挑戦し続けてきた隈が考える、コンクリート、木、に続く未来の建築素材。それはなんと「布」を使ったものだった。
「今パソコンで全部できるようになって、建築の学生ですら鉛筆を使えない。線が引けないとかそういう恐るべき時代になった。実際に手を使って紙の質感を感じながら物を書くことが人間のイマジネーションを喚起する。発想が豊かになると社会ももっと楽しくなるのではないかと思いますので、そういった手の喜びというものを伝えたいですね」

BS朝日11月5日(月)

隈研吾

日本を代表する建築家・丹下健三による国立代々木競技場に魅せられて建築家になろうと思った隈研吾。東京大学で建築を学び、31歳で独立。仕事は順風満帆だったが、バブル崩壊とともに、東京での仕事はゼロに。隈は全国を旅しながら、訪れた土地で建築の仕事を探す日々を送っていた。そして、町の91%を森林が占める高知県梼原町で木材と出会ったことで、隈は新たな建築スタイルを手に入れ、独創的な木造建築を次々と発表していった。

隈研吾

そして今、隈が考える未来の建築も書で書いた。それは、布の建築。
「建築って基本的にはどんどん柔らかくなる時代になっていくと思っている。人間の体は基本的に柔らかいものじゃないですか、人間が安心して守られている感じ、包まれている感じがするのが布なので、建築も、もっとそういう風な、人間を包む柔らかいものに変わっていかなければと思っているんですよね。」
手を動かし、体を動かすことが新しいものを生み出すヒントになっているという。