<特集1> 「追跡“介護崩壊”の危機…現場でいま何が?」
2000年4月の介護保険法施行から今年で10年目。
家庭内で閉塞状態に置かれることの多かった介護問題を、「社会全体で支える」として
始まったこの制度が、いま大きな転換点を迎えている。
現在、特別養護老人ホームへの入所待機者は全国で約38万にのぼっており
介護需要の高まりに施設整備が追いついていない現状が浮かび上がる。
しかしそれだけの需要がある一方で、介護を支える現場から次々と貴重な人材が
去っている。4月の改定で事業所に支払われる介護報酬の3%引き上げが決まっているが、
実際それが現場にいる職員らにどれだけ還元されるのか、不透明な部分も多い。
これから団塊の世代が高齢者へと向かうなか、支えるはずの介護の現場がいま、
崩壊の危機に直面している。いったい何が起こっているのか?
番組では介護に関わるさまざまな問題を徹底追跡。老老介護の果てに
妻を殺害してしまった夫が、「介護での悲劇を繰り返さないために」という思いから
厳しい介護の実態を我々に告白。そこから浮かび上がる数々の制度上の問題点とは…
また、現場の最前線にいる介護関係者たちの真摯な介護活動に密着。
同時に、介護従事者が置かれている厳しい環境についても検証し、
仕事に対し生きがいを感じながらも、将来の生活設計が出来ないため転職する
若い介護者たちや、保険制度改定に翻弄される介護事業者の苦悩、
また介護型療養病床の廃止で行き場が無くなる恐れのある高齢者の不安などに
ついても多角的に取材。
さらに、介護従事者がしかるべき生活設計のもとで誇りを持ち働くために、
そしてよりよき介護を実現するために、どういう制度設計が求められるのか?
また、安心できる介護が保障される制度つくりのためには何が必要なのか、等
“介護崩壊”を防ぐために必要な環境整備についても考える。
<特集2> 「名古屋「闇サイト」殺人事件一審判決直前、追跡! 悪質化進む“闇サイト”最新実態」
07年8月、名古屋市内の路上で3人の男が、会社から帰宅途中だった磯谷利恵さんを
強盗目的で拉致。現金を奪ってから首をロープで絞め、ハンマーで頭を殴るなどして
殺害した。携帯電話の「闇サイト」で知り合い犯行に至った3人は逮捕後、裁判で
お互いに罪をなすりつけ、法廷で罵りあうなど、反省の色をほとんど見せぬまま、
3月18日に一審判決を迎えようとしている。
一方、犯行の舞台となったサイトは事件後に閉鎖となったものの、「闇サイト」自体は
相変わらず存続しており、ネットに詳しい専門家によれば、近年さらに悪質化の一途を
たどっているという。
果たして3人の被告たちはなぜ、「闇サイト」に接触し、凶行に及んだのか?
事件後被告らは事件をどう総括し、「闇サイト」についてどう考えているのか?
そして、事件後の「闇サイト」の実情は如何なるものになっているのか?
番組では、事件及び「闇サイト」に関わる諸問題を総力追跡。
2人の被告からの手紙と面会記録、そして長野智子が被告の1人と接見し、
犯行の経緯と事件の全容、そして「闇サイト」を利用した彼らの動機を検証。
また、事件を受け表面上は捕捉しづらくなった「闇サイト」の最新現状についても追跡。
長野智子が「闇サイト」の管理人、そして募集をかける人物を直撃。
彼らが語った驚愕の実態とは。
取材を通じてさらに悪質化したとされる「闇サイト」の最新状況を検証し、
被害を防ぐための方策・手立てについても打ち出していく。