2007年3月4日放送

ザ・スクープスペシャル 
  

<特集1>鹿児島事件”犯人はこうして作られた” ~速報!「取調室の闇」に判決~

ある日、突然犯人に… 私たちのすぐ隣にある「えん罪」の恐怖。
欧米では当然の権利である録画・録音、弁護士の立ち会いが一切認められない取調室という「密室」の中で一体何が起こっているのか?

3年前、鹿児島県志布志市の人口わずか6世帯の集落で起こった選挙買収事件が、
「日本の刑事司法の病理が集約された事件」として注目を集めている。
突然、身に覚えのない容疑で警察の任意同行を受け、連日の厳しい取り調べで
精神的・肉体的に追いつめられていく高齢の被告たち。
結果、3人が自殺未遂、3人が意識不明となって倒れ、5人が救急車で運ばれた。
容疑を裏付ける物証が一切無い中、警察は「自白」だけに頼って逮捕起訴するが、
被告13人全員が自白は強要されたものとして無実を主張している。

調書捏造疑惑、「踏み字」の強要、電話の隠し撮り・・・
ザ・スクープが火をつけた「違法捜査のデパート」とも言われる事件が
2月23日、注目の判決を迎える。はたして取調室の闇は暴かれるのか!?


<特集2>”強制送還された女”~異国からの再審請求~


去年12月17日、栃木刑務所を出所した女は、そのまま不法滞在者として
入管施設に収監された。フィリピン人女性マナリリ・ロザールさん、34歳。
彼女は1997年11月に千葉県松戸市で恋人の日本人男性が刺殺された
事件で懲役8年の有罪判決を受けた。

事件が起きた当初、ロザールさんは日本人では考えられない違法捜査を受けた。
任意の取調べにもかかわらず、警察の監視を受けて10日間帰宅を許されず、
長時間責め立てられて「自白」させられたという。
ロザールさんの自白調書は、一審でこそ有罪の大きな根拠とされたが、
二審ではその証拠能力を否定され、違法捜査の国家賠償請求訴訟でも
県警側に200万円の支払いを命じる判決が確定している。

にもかかわらず、なぜ彼女は有罪とされてしまったのか?
それは、あまりに不可解な状況証拠を積み重ねた結果であった。
1月9日、生き別れとなった娘にも会えないままフィリピンに
強制送還となったロザールさん。彼女は機中で胸中をこう語った。
「日本の刑事裁判に絶望しました。それでも、私はやっていません。
体がフィリピンに行っても、私の心は日本にあるのです。」

遠く異国からの再審請求を決意したロザールさんの新たなる戦いを追った。


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