■ この技を見たい!
氷上に散りばめられるフィギュアスケートの多彩な技の数々。なかでも見逃せない技、これだけは知っておきたい技をご紹介。
〔ジャンプ系〕
◎4回転トウループ
男子の世界トップ選手なら必須の技。ランビエール(スイス)やジュベール(フランス)、ベルネル(チェコ)などが、力強いだけでない、美しいクワドラプルを見せてくれそうだ。日本の高橋大輔、中庭健介の4回転も、今シーズンはさらに安定感を増している。特に高橋は、1プログラムに2度の4回転トウループに挑戦!
男子の世界トップ選手なら必須の技。ランビエール(スイス)やジュベール(フランス)、ベルネル(チェコ)などが、力強いだけでない、美しいクワドラプルを見せてくれそうだ。日本の高橋大輔、中庭健介の4回転も、今シーズンはさらに安定感を増している。特に高橋は、1プログラムに2度の4回転トウループに挑戦!
◎4回転サルコウ
男子でもほとんど跳べる選手がいない、トウループ以上に難しい4回転。現在成功者のいる技の中では最難度。もちろん与えられる得点も高い。昨年のグランプリシリーズで成功したのはジュベール(フランス)、ドブリン(ロシア)のたったふたり。さて、今年は?
男子でもほとんど跳べる選手がいない、トウループ以上に難しい4回転。現在成功者のいる技の中では最難度。もちろん与えられる得点も高い。昨年のグランプリシリーズで成功したのはジュベール(フランス)、ドブリン(ロシア)のたったふたり。さて、今年は?
◎トリプルアクセル
6種類のジャンプ中唯一前向きに跳ぶアクセルジャンプ。3回転アクセルは現役女子では中野友加里、浅田真央しか跳べない幻の技。男子選手となると、グランプリシリーズに出るレベルの選手なら習得必須だ
6種類のジャンプ中唯一前向きに跳ぶアクセルジャンプ。3回転アクセルは現役女子では中野友加里、浅田真央しか跳べない幻の技。男子選手となると、グランプリシリーズに出るレベルの選手なら習得必須だ
◎コンビネーションジャンプ
2つ以上のジャンプを組み合わせて連続で跳ぶジャンプ。特に注目したいのは3回転‐3回転で、女子はこのコンビネーションを跳べることがトップスケーターの証となる。安藤美姫、浅田真央、キム(韓国)、マイズナー(アメリカ)、コストナー(イタリア)、ゲテヴァニシビリ(グルジア)らが得意。男子も得点が高くなるプログラム後半で3回転‐3回転が見せられるかが勝負の鍵となる。ふたつめ、みっつめにつけるジャンプはトウループかループだが、ループの方がより難しい。現在、女子で最難度の3回転‐3回転コンビネーションはトリプルルッツ‐トリプルループとなるが、これができるのは日本の安藤美姫だけだ
2つ以上のジャンプを組み合わせて連続で跳ぶジャンプ。特に注目したいのは3回転‐3回転で、女子はこのコンビネーションを跳べることがトップスケーターの証となる。安藤美姫、浅田真央、キム(韓国)、マイズナー(アメリカ)、コストナー(イタリア)、ゲテヴァニシビリ(グルジア)らが得意。男子も得点が高くなるプログラム後半で3回転‐3回転が見せられるかが勝負の鍵となる。ふたつめ、みっつめにつけるジャンプはトウループかループだが、ループの方がより難しい。現在、女子で最難度の3回転‐3回転コンビネーションはトリプルルッツ‐トリプルループとなるが、これができるのは日本の安藤美姫だけだ
*ルール改正でジャンプはここが変わった!
07−08シーズンに改正されたルールにより、ジャンプの跳びわけが厳しくなった点にも注目。最大のポイントはルッツジャンプとフリップジャンプの跳びわけだ。どちらも右足のトウをついて踏み切る良く似たジャンプだが、トウをつく前、左足がスケート靴のエッジ(刃)の内側(インエッジ)に乗って滑ってくるのがフリップ、エッジの外側(アウトエッジ)に乗るのがルッツ。スローモーションで見てもなかなか見分けは困難だ。これまでの女子選手はルッツをフリップのように跳んでしまう選手、フリップをルッツのように跳んでしまう選手が多かったが、今シーズンは判定がシビア。正しいルッツ、フリップの跳びわけができないとエッジエラーとして「e」のマークが得点表についてしまう。
07−08シーズンに改正されたルールにより、ジャンプの跳びわけが厳しくなった点にも注目。最大のポイントはルッツジャンプとフリップジャンプの跳びわけだ。どちらも右足のトウをついて踏み切る良く似たジャンプだが、トウをつく前、左足がスケート靴のエッジ(刃)の内側(インエッジ)に乗って滑ってくるのがフリップ、エッジの外側(アウトエッジ)に乗るのがルッツ。スローモーションで見てもなかなか見分けは困難だ。これまでの女子選手はルッツをフリップのように跳んでしまう選手、フリップをルッツのように跳んでしまう選手が多かったが、今シーズンは判定がシビア。正しいルッツ、フリップの跳びわけができないとエッジエラーとして「e」のマークが得点表についてしまう。
〔ステップ〕
◎ストレートラインステップシークエンス
リンクを真っ直ぐ、またはななめに横断しながら踏むステップ。音楽もクライマックス部分を使い、プログラム一番の盛り上がりにもってくる選手が多い。しかし、ただドラマチックに見せればいいわけではなく、ターンの回数、上体の動きなど、細かな規定をクリアして、初めてレベル3や4の高い判定がもらえる。男子では昨シーズン、高橋大輔が、女子では今シーズン、浅田真央がレベル4を獲得している
リンクを真っ直ぐ、またはななめに横断しながら踏むステップ。音楽もクライマックス部分を使い、プログラム一番の盛り上がりにもってくる選手が多い。しかし、ただドラマチックに見せればいいわけではなく、ターンの回数、上体の動きなど、細かな規定をクリアして、初めてレベル3や4の高い判定がもらえる。男子では昨シーズン、高橋大輔が、女子では今シーズン、浅田真央がレベル4を獲得している
◎サーキュラーステップシークエンス
リンクに丸く円を描きながら踏むステップ。ダイナミックなストレートラインに比べると、ゆったりした音楽にのって優雅に踏まれることが多い
リンクに丸く円を描きながら踏むステップ。ダイナミックなストレートラインに比べると、ゆったりした音楽にのって優雅に踏まれることが多い
〔スピン〕
◎アップライトスピン
身体を直立させたまま回る、すべてのスピンの基本形。スタンドスピンなどとも呼ばれる。複雑なポジション変化が必要となった新採点システム導入後は、アップライトスピンを長く速く回って喝采を浴びる選手は少なくなってしまった。しかし現在でも、村主章枝のアップライトスピンは回転速度、軸の安定感など、どれをとっても一級品
身体を直立させたまま回る、すべてのスピンの基本形。スタンドスピンなどとも呼ばれる。複雑なポジション変化が必要となった新採点システム導入後は、アップライトスピンを長く速く回って喝采を浴びる選手は少なくなってしまった。しかし現在でも、村主章枝のアップライトスピンは回転速度、軸の安定感など、どれをとっても一級品
◎シットスピン
腰を落とした状態で回るスピン。昨シーズンより基準が厳しくなり、しっかり座っていないとシットスピンと認定されない。体を丸く縮めてまわるキャノンボールスピンなど、様々なポジション変化も見もの。男子ではランビエール(スイス)、バトル(カナダ)、ウィアー(アメリカ)などが世界屈指のスピナーだ
腰を落とした状態で回るスピン。昨シーズンより基準が厳しくなり、しっかり座っていないとシットスピンと認定されない。体を丸く縮めてまわるキャノンボールスピンなど、様々なポジション変化も見もの。男子ではランビエール(スイス)、バトル(カナダ)、ウィアー(アメリカ)などが世界屈指のスピナーだ
◎キャメルスピン
体をTの字にして回るスピン。空気抵抗が他の姿勢よりもかなり大きく、速く回転するのは難しい。手足の長い男子選手のキャメルは、ダイナミックかつ美しい
体をTの字にして回るスピン。空気抵抗が他の姿勢よりもかなり大きく、速く回転するのは難しい。手足の長い男子選手のキャメルは、ダイナミックかつ美しい
*以上の3つがスピンの基本形。その他のスピンはこの3種の変形となる
◎レイバックスピン
アップライトスピンの状態から、背中を後ろにそらせて回るスピン。普通のスピンより目が回りやすい技だが、手の動きなどをつけ、いかに華麗に見せるかがポイント。アメリカのキャロライン・ジャンは、レイバックの姿勢から身体の下方で足をつかむ、独特のパールスピンを見せる
アップライトスピンの状態から、背中を後ろにそらせて回るスピン。普通のスピンより目が回りやすい技だが、手の動きなどをつけ、いかに華麗に見せるかがポイント。アメリカのキャロライン・ジャンは、レイバックの姿勢から身体の下方で足をつかむ、独特のパールスピンを見せる
◎ビールマンスピン
片足を背中から頭上高く掲げ、両手で持って回転するスピン。新ルールとなって以降、女子選手の間では定番の技となった。選手によっては片手で足をつかむワンハンドビールマン、上げる足を途中で変えるダブルビールマンなどを見せることも。男子では日本の柴田嶺選手のビールマンスピンが、女子選手以上に美しいポジション
片足を背中から頭上高く掲げ、両手で持って回転するスピン。新ルールとなって以降、女子選手の間では定番の技となった。選手によっては片手で足をつかむワンハンドビールマン、上げる足を途中で変えるダブルビールマンなどを見せることも。男子では日本の柴田嶺選手のビールマンスピンが、女子選手以上に美しいポジション
◎ドーナツスピン
キャメルスピンの変化形。ドーナツのように上半身をリング状にして回るスピン。中野友加里の高速ドーナツはすっかりおなじみに。「スワンスピン」「バイウルスピン」などの呼び名もある
キャメルスピンの変化形。ドーナツのように上半身をリング状にして回るスピン。中野友加里の高速ドーナツはすっかりおなじみに。「スワンスピン」「バイウルスピン」などの呼び名もある
◎Y字スピン
高く上げた片足を体の横にひきつけて片手で持ち、「Y」字の形で回るスピン。安藤美姫らは足を体ぴったりに寄せて回るので、I字スピンとなる
高く上げた片足を体の横にひきつけて片手で持ち、「Y」字の形で回るスピン。安藤美姫らは足を体ぴったりに寄せて回るので、I字スピンとなる
*ルール改正でスピンはここが変わった!
今年さらに厳しくなったのがシットスピンの判定。座った姿勢のお尻の位置が、膝の一番高い位置より下になければシットスピンとみなされない。高橋大輔らはこれまで苦手としていたが、今年は対策も万全。昨年よりかなり深く座った姿勢で回転している
今年さらに厳しくなったのがシットスピンの判定。座った姿勢のお尻の位置が、膝の一番高い位置より下になければシットスピンとみなされない。高橋大輔らはこれまで苦手としていたが、今年は対策も万全。昨年よりかなり深く座った姿勢で回転している
〔スパイラル〕
◎スパイラル
片足を腰より高い位置に上げ、そのままの姿勢を3秒以上キープして滑る技。基本姿勢はバレエのアラベスクに良く似た形だが、女子は足を前にあげたり後ろに上げたり、手で足をつかんだり離したりと、変幻自在ぶりをスパイラルシークエンスで競う。伝統的にアメリカの女子選手はスパイラルが得意で、今シリーズに出場するシズニーやジャンも、美しいポジション変化が見どころ
片足を腰より高い位置に上げ、そのままの姿勢を3秒以上キープして滑る技。基本姿勢はバレエのアラベスクに良く似た形だが、女子は足を前にあげたり後ろに上げたり、手で足をつかんだり離したりと、変幻自在ぶりをスパイラルシークエンスで競う。伝統的にアメリカの女子選手はスパイラルが得意で、今シリーズに出場するシズニーやジャンも、美しいポジション変化が見どころ
◎スパイラル(キャッチフット)
浅田真央らは足を真後ろに上げてつかむビールマンポジションのスパイラルも得意。足を身体の横で高く上げてみせるY字スパイラルやI字スパイラルも多くの選手が挑戦している。身体の柔らかい選手たちは毎年新しいスパイラルを考案してくるので、どんな新技が見られるかも楽しみだ
浅田真央らは足を真後ろに上げてつかむビールマンポジションのスパイラルも得意。足を身体の横で高く上げてみせるY字スパイラルやI字スパイラルも多くの選手が挑戦している。身体の柔らかい選手たちは毎年新しいスパイラルを考案してくるので、どんな新技が見られるかも楽しみだ