トリノ五輪という大きな節目を越えた昨06−07シーズン。グランプリシリーズには荒川静香、本田武史といったおなじみの面々が、もういない。しかしその寂しさを感じさせないほど、日本のアフタートリノ世代が大活躍したシリーズとなった。
まず初戦、アメリカ大会から安藤美姫と織田信成がアベック優勝。まだ世界選手権のメダルもないふたりが、アメリカのエースにして2006年世界選手権金メダリスト、キミー・マイズナー(アメリカ)と2006年世界選手権3位エバン・ライザチェック(アメリカ)をやぶっての優勝に、日本のファンは大いに沸いた。
続くカナダ大会では村主章枝と高橋大輔が2位、中国大会では中野友加里、フランス大会では安藤美姫がそれぞれ2位、ロシア大会では恩田美栄が3位と、日本勢が表彰台に乗らない大会は一試合もなく、多くのファンが毎週末、氷上の美しき戦いに釘付けとなる。
そして極めつけは第6戦、日本大会。男女シングルとも日本を代表するスケーターが登場したことで、男子シングルは高橋大輔、織田信成、小塚崇彦で金銀銅を独占。女子シングルは浅田真央、村主章枝、中野友加里で金銀銅を独占! 男女シングルで日本勢の表彰台独占は、長いグランプリシリーズの歴史でも初めてのことだ。
またこの結果を受けて、男子は高橋、織田の2名、女子は安藤、浅田真、村主の3名、男女合わせて総勢5名がファイナル進出となる。これも、05−06シーズンに引き続き2年連続の快挙となった。
オリンピックが終わり、世代交代の進む世界のフィギュアスケート界。荒川静香、本田武史という2大スターが引退しても、まだまだ日本は強い! そんな印象を残した06−07シーズン。
しかし今年、さらに日本チームは強い。安藤美姫、浅田真央、高橋大輔らグランプリシリーズの金メダリストたちは、昨シーズン得た自信を力に変えて、さらにパワフルに変身中。小塚崇彦、中野友加里ら、彼らに続くメダリストたちも、今年は各シリーズで表彰台の一番高いところを狙ってくるだろう。さらに彼らを追いかける南里康晴、柴田嶺、澤田亜紀、武田奈也、浅田舞らの成長も楽しみ。村主章枝、中庭健介ら、グランプリシリーズ参戦歴の長いベテラン勢も負けてはいない。
目指すは、昨年、男女とも惜しくも届かなかったファイナルの金メダル。そこに至る道のりは長い。今年もアメリカ大会からの一戦一戦、目が離せない。