[ part3 ] 日本人選手の活躍への期待
注目の日本勢、勝負の行方は?
――さて今年のグランプリシリーズ、荒川さんは初めてスタジオゲストとしてと登場されますが、見る側からの楽しみ方をぜひ教えてください。
荒川 見どころ盛りだくさんのシリーズになると思いますよ!シーズン最初ということで、どんな新しい選手が出てくるのか、今年のプログラムはどんな傾向なのか、ルールに一番対応できているのはどの選手なのか?私自身も楽しみにしています。
特に今年は五輪直後の年ですから、選手が大きく入れ替わります。去年までジュニアだった選手もたくさんデビューしますし、グランプリシリーズは、まだ世界選手権に出ないような、次世代の期待の星もたくさん出場しますから、魅力的な新人選手がいち早く発見できるチャンスです。
世界選手権は多くても各国3人までしか出られませんが、アメリカやカナダ、ロシアなど、強豪国からは6人も7人も出てきます。このなかから今年は誰が国の代表に選ばれるのかな、今年はまだ世界選手権に出られなくても、オリンピックまでにはこの選手が伸びそうだな、という見方もできますよ。
――日本からも女子シングルに7人、男子シングルに6人の選手たちがエントリーします。
荒川 女子シングルは今年シニアにあがる澤田亜紀さん、浅田舞さんなど、若い世代の活躍が楽しみです。昨年度チャンピオンの浅田真央選手、去年の悔しさをどれだけバネにできるかが見どころの安藤美姫選手も、楽しみです。
若手が世界の舞台でどこまでいけるか、私は一番注目したいと思っています。
トリプルアクセルにも女子選手が普通に挑戦する時代になってきましたし、4回転を跳ぼうという選手も出てくるかもしれない。また、もっと違う新しい技も、若い選手たちの登場で見られるかもしれません。
けれどベテランの村主章枝さん、恩田美栄さんもまだまだ目がはなせません。少し下には去年得た力を今年さらに伸ばしていくだろう中野友加里選手もいます。若手とベテランの争いも、今年の見どころのひとつになりそうです。
――男子シングルも、シニア初参戦の選手からベテランまで、しのぎを削ります。
荒川 オリンピックシーズンを戦って一回り大きくなった煖エ大輔選手や織田信成選手。世界ジュニアで優勝した自信を持って臨む小塚崇彦選手、シニアがどんな年か学ぶシーズンになる柴田嶺選手。また、私と同じ年の中庭健介選手や、シニア2年目で一番大きく変わりそうな南里康晴選手もいます。
女子も男子も、今年の日本勢は大きなチャンスの年。オリンピックが終わったばかりで他国の選手は少し休憩気味のシーズンかもしれませんが、日本勢は国内の選手層が厚いので、毎年一生懸命です。出場する13人、彼らがこのグランプリシリーズ、どこまで行けるのか、何を学ぶのか、ぜひ注目してみてください!