世界の街道をゆく

毎週月曜〜金曜よる8時54分から放送

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2018年8月13日(月)の放送内容

チュニジア北部を進みます。緑の田園に時折、岩山が顔を出し始めました。一帯を見下ろす高台にドゥッガという遺跡がありました。「ここには紀元前4世紀、砂漠の民ベルベル系の部族が築いたヌミディア王国があり、一時的にカルタゴの領土となった後、2世紀から4世紀にかけてはローマ帝国の植民都市として繁栄したのだ」と、今も発掘に取り組む人が語ります。ローマ帝国が東西に分かれたビザンチン時代には要塞として使われたといわれています。
石畳に残された馬車の轍。収容人員3500人という劇場。その姿は、実り豊かな大地の恵みを受け『ローマの穀倉』と呼ばれた時代を、訪れた人に語りかけて来るようです。
老ガイドが、遺跡のはずれにある紀元前2世紀のヌミディア時代の霊廟を教えてくれました。
通り過ぎる羊飼いの姿に、遥かな時代を想います。繁栄の時代から、数え切れないほどの夕陽が沈み、日々が去って行ったのでしょう。

♪ YA SHADY SYMPHONY (Final Symphony No.40) / HUGHES DE COURSON