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第35回テレビ塾『ドキュメンタリーの仕事』開催報告

投稿日:2014年6月24日

テレビ塾ロゴ-[更新済み]

6月11日(水)第35回テレビ塾「ドキュメンタリーの仕事~『テレビ的調査報道』の神髄とは!~」を開催しました。

テレビ放送開始以来のジャンルであり、人気の「ドキュメンタリー」番組。

今回、その制作の舞台裏に、報道局情報センターで現場一筋34年目を迎えた、原一郎チーフプロデューサー、司会に村上祐子アナウンサーも交えて迫りました。

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会場は超満員!若い学生の姿が数多く見られ、真剣なまなざしに包まれる中、講演がスタート!

 

第1部 ドキュメンタリーとは?

「事実は小説よりも奇なり。作り物で無いリアルの面白さに目覚めたのが、僕の後半のテレビマン人生です。」

現在は、『ザ・スクープスペシャル』や『テレメンタリ―』を担当する原講師ですが、まずは、ドキュメンタリーとは何かを説明しました。

一口に「ドキュメンタリー」と言っても、人間ドキュメンタリー、動物ドキュメンタリー、ネイチャードキュメンタリー・歴史ドキュメンタリーなど、多種多様のジャンルが存在するそうです。そんな中、原講師はテレビと社会派ドキュメンタリー(調査報道)について話を進めます。

「今日は、特に調査報道と呼ばれる社会派ドキュメンタリーについて、お話しさせて頂きます。この調査報道は英語で“Investigating Reporting”と呼ばれ、1972年にウォーターゲート事件を契機に始まったジャーナリズムの手法でしたが、日本でも田中角栄汚職事件やリクルート事件などで紙媒体が採用して、当時の首相を退任に追い込んでいます。一方、当時のテレビ報道は速報性のメディアであり、手間暇かけて取材する“調査報道”は苦手な分野でした。」

 

第2部 テレビ型調査報道への挑戦

その中で、テレビでも本格的な“調査報道”を標榜して1989年に誕生したのが、その後、メディアの中で異彩を放ってきた『ザ・スクープ』でした。

「MCというより、編集長として紙媒体から鳥越俊太郎さんをお迎えして番組がスタート。ここから、速報性が使命であったテレビ記者を相手に、いわゆる“鳥越学校”が始まります。」

原講師は、ここから秘蔵VTRも交え、“鳥越学校”の教えである「テレビ的調査報道の神髄」に迫って行きます。

すると突然、村上祐子アナより驚きの発表が!

「さてみなさま、ここでサプライズがございます。特別ゲストの入場です!」

会場からどよめきが起きる中、登場したのは、なんと『ザ・スクープ SPECIAL』キャスター・鳥越俊太郎さん!!

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場内からは大きな拍手が巻き起こりました!

まずは鳥越さんから自己紹介。ここでは意外な事実も明らかになります。

「新聞からテレビキャスターへの転身を最初は固辞していたんです。」

福岡出身で九州弁が抜けないことを理由に鳥越さんはテレビキャスターへの就任要請を断っていたというのです。
しかし、「鳥越さん、これからのテレビは訛りも味ですから!」という担当者の説得でようやく転身を受け入れ、ここからテレビ的調査報道の1ページがスタートしたのです。しかし、鳥越さんいわく、「未だに標準語は話せない」そうです。

その後、去年8月に放送された「ザ・クープSPECIAL“原発と原爆”」が、国連が共催する世界最大規模の国際コンクール「ニューヨークフェスティバル」で金賞を受賞した際の表彰式の様子がVTRで紹介されます。

2時間半待たされた後のスピーチの冒頭、鳥越さんの第一声は「本当は、今、トイレに行きたいです!」英語でジョークを飛ばし聴衆の心をガッチリ捉えた場面でした。

 

第3部 そのニュースちょっと待った~第一報を疑え!

原講師は“鳥越学校“の生徒として見聞きしたTVドキュメンタリーの秘密に迫っていきます。

「第1報で伝えられる事実が往々にして真実では無いケースがあります。第1報は警察・政府・官庁など権力のフィルターを通したもので、この真実の断片を無批判に垂れ流すだけでなく、独自に再取材する事で、権力の不正や欺瞞をチェックする必要があります。」

原講師は、『ザ・スクープSPECIAL』で放送され、2012年度メディア・アンビシャス賞を受賞した「検証!沖縄の“枯れ葉剤”疑惑」のVTRを紹介しながら、公的機関が発表する第一報を疑うことの重要性を語ります。

鳥越さんも有名な「桶川ストーカー事件」を例に挙げながら、「基本的に報道は欠陥商品という宿命を背負っています。なぜならば、締め切り時間という制約と、人間が取材を行うことで、そこに主観が入るので必ずしも真実とは言えません。だからテレビ報道に関わる者は、第一報を鵜呑みにせず、少しでも疑問に感じたら“ちょっと待った”と再度、掘り返して検証してみる姿勢が必要です。」と熱く語りました。

 

第4部 へそまがりであれ~スタンピードに流されない

原講師:「日本のマスコミ報道の特徴としての“スタンピード現象”があります。この例として、7年前の亀田一家バッシングや、最近の小保方報道がありますが、雪崩のように一斉にある一定方向に流れる傾向が非常に強いと言えます。この風潮に乗っかった報道は楽だし、視聴率も取れる事が多いのですが、あえて穿った見方をして真実を見つけ出すこともできるのです。」

原講師は、へそまがりな視点の重要性を訴えます。
具体例として、『ザ・スクープSPECIAL』で2008年4月に放送した「汚名~“爪はぎ看護師”事件の真相~」のVTRを紹介しました。

鳥越さんも「誰かがどこかで“待った”をかけるべきケースがあります。異論を申し立てるメディアがいつまでもいて欲しい!」と力説。

村上アナも「世の中の空気は変わりやすく、つかみにくいですが、報道する以上は責任を持って伝えたい」と、自戒の念を込めて語りました。

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第5部 S・EX~スクープの鍵は実験にあり

センセーショナルな文字がモニターに映し出されました。

原講師:「鳥越さんと知り合って間もない頃、“原君、SEXは大事だよ”と言われてドキッとしたことがありましたが、これはcoop Experiment(実験)”だったのでした。」

原講師は、映像と音声を伴うメディア特性を生かしたTV的調査報道として、「再現実験」を指摘。その例として、『ザ・スクープSPECIAL』で2006年5月に放送された「ママは犯人じゃない~東住吉放火殺人~」のVTRを流し、実際の実験で新事実が明らかになったケースを紹介しました。

村上アナも、「まず現場に行ってみて、それでも解らなければ検証実験してみる。それがテレビの出来る事かもしれませんね。」と、まとめました。

 

第6部 スナイパー主義~氷山の一角を撃ち落とせ!

原講師:「メディアはある種の権力のチェック機関とも言われますが、捜査機関ではないので強制捜査権はなく、調査取材するにも限度があります。そこで、ターゲットを明確にして一つ一つ確実に撃ち落とす必要が出てきます。氷山のカケラを突破口として、スナイパーのように巨大な闇の全体像を照らしていく。この手法は、大きな教えになりました。」

原講師が紹介したのは2004年に放送された「ザ・スクープSPECIAL“告発!警察の裏金疑惑”」のVTR。

旭川中央署の「数枚の領収書」を発端として、日本の警察全体が抱える巨大な闇を究明していった、一年に亘るキャンペーン報道の過程が語られました。

鳥越さんも続けます。「領収書のあて先を一軒一軒しらみつぶしに探し全国の警察の裏金作りという最大のタブーにたどり着きました。事件全体からすれば枝葉末節の話からでも、調査報道という手法は、世の中を動かす力を持っています。これからもやっていきたいし、テレビの報道をやっている後輩たちに引き継いでいってもらいたいです。」

鳥越さんから、将来を担うテレビマンたちへの熱いメッセージも送られました。

 

第7部 まとめ

最後は「ドキュメンタリーという仕事のやりがい」について。

原講師:「調査報道に出会い、とても充実感があります。自己責任も伴いますが、世の中を動かしていける感覚です。自分がスクープした冤罪事件で無罪が確定した瞬間など、自らの仕事にアイデンティティを実感したりもします。現在は、民放では“ドキュメンタリー冬の時代”とも言われますが、鳥越さんのDNAは生きています。やりがいのある仕事ですので、是非、若い人たちにも目指してほしいです」

鳥越さん:「74歳になり、これからの残り時間に私自身は大きなことは望んでいませんが、一番の私の希望は、後に続くテレビマンが“検証・調査報道”で世の中に隠されている不正を摘出して行ってほしいという事です。これからも、全員とは言いませんが、一人でも二人でもこの精神を引き継いでいってほしい。このことを、伝言として伝えたいです」

全体

 

次回のテレビ塾は夏休み親子スペシャル!!

アニメができるまで~大人も子供も大好き!クレヨンしんちゃんの大特集~

をテーマに、8月29日に開催します!

詳細は近日発表!お楽しみに♪

 

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コメント

テレビ塾初めて参加させて頂きました
私は65歳、はじめは場違いな感じで気後れしましたが、鳥越俊太郎さんの話に引きこまれ充実した時間を過ごすことが出来ました
最近の報道で気になるのは「悪者退治の正義感」が前面に出過ぎることです。結果「上から目線」になり人情味が消えます
都議会の野次騒動、発言した都議のTV会見は「公開処刑」です
過ちを追求する側の姿勢で、成熟度、品性、寛容度が問われます
「はぐれ刑事純情派」のように

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