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プロフィール


身長:163cm
出身地:高知県生まれの東京育ち
入社年月日:1996年4月1日
コメント:
『ちい散歩』お散歩ナレーションを担当させていただいておりますはぎのしほこです☆
地井さんのお散歩の後を追いかけて 声を吹き込むとき、いつも頭の中にあるのが、《糸電話》です。
距離があっても振動で伝わる温もりを目指して、日々学ばせていただいています^v^
番組を通して培ったたくさんのことをこの場でも大切に温めていけたら、とってもありがたいことです。
ブログ初経験ですので緊張気味ですが、「お話のお散歩」に、ぶらりと立ち寄っていただけたら嬉しいかぎりです♪
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ピーターと七夕

投稿日:2011年07月08日 15:05

 

 

今年の七夕も

天の川、見えませんでした。

 

去年の7月7日。記事「天の川」で書いたように↓

http://blog.tvasobi.jp/archives/monthly/sanpo_hagino/2010/07/2

 

子供のころから

たぶん毎年のように空を見上げるけれど、

天の川なんて、
一度も見られない。

 

ピーター。

7歳のときから飼っていた兎です。

7年生きて

私が14歳の

七夕の日に

天国にいきました。

 

その7年の間に
3回の引越しをした。

東京の三鷹から奈良県への引越しも、

ピーターがいるから、

父の運転する車に乗って、一緒に移動した。

私が7歳から11歳の
三鷹と奈良と西東京の環境では、

広い野原を駆け回り駆け回り、

外で外で外で

自由に自由に一緒に、遊んだものだった。

全速力で駆けて、緑の芝を蹴り蹴り戻ってくるピーターは、

テレビや漫画で見る兎より、

もっと速く速く走ったし、跳んだ。

 

最高の、ともだちだった。

7年の間に、

大人になっていく私と、

環境の変化。

12歳から14歳を暮らしたその場所に、

兎が駆け回れる野原は

なかった。

 

ベランダの小屋で過ごす時間ばかりになってしまったピーターと、

一緒に駆け回り過ごすことを最優先に考えなくなった
塾通いの中学生。

 

中2の夏。

中間テストの真っ最中だった。

 

ピーターの様子がおかしいと、
母から聞かされた。

テスト中だから、
もっと前から具合が悪くて病院に通っていたけれど、
伝えるのを先延ばしにしていたのだと告げられ、
私は怒った。

昼、丘の上の病院に行った。

家々が白く見えるくらい、
強い陽が射していた。

母と、
ピーターを入れた籠を抱え、

坂を坂を上った。

横たえたお腹が大きく膨れたりへこんだりを
とても速いスピードで繰り返すほどに、
ピーターの息遣いが荒かった。

はやく教えてくれなかった母に憤ったけれど、

もっと以前のわたしなら、
もっと早く。
ピーターの異変に、自分で気付いたはずだ。

お医者さんは
長生きで寿命だと言ったけれど、

あんなに一緒に遊んだピーターに

なんて言っていいかわからなかった。

 

閉じた扉を背もたれにしてへたり込み
どんなに泣いても泣いても、

今更泣いても。

どうしてもっと毎日声をかけなかったのかと

後悔する自分が

腹立たしかった。

 

 

七夕。

7歳のとき、初めてピーターが家に来た日のこと、

たくさん一緒に遊んだ日々、

一回だけピーターが大きく鳴いたことがあるあの声、

立ってエサをねだるときに上を向く、
矢印のような口とぺっちゃんこのあごの表情、

かわいくてかわいくて、

本当にかわいい兎だった。

柔らかくて柔らかかった。

7年間を一緒に過ごした。 

そんなピーターと、
ピーターとの記憶が、

帰ってくる日。

 

 

 

初めて
こうした場で、
話しました。

今年の東京の、 七夕の空。

 

 ピーター。

 

 

 

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コメント

地面に落ちて果てることで
のちに多くの実を結ばせる
一粒の麦。

体力と技術の衰えを知りつつ
ひたむきに若手に手本を示す
ベテラン選手。

人知れず続く見えないリレー。

ピーターくんも同じだったのでは。

耳をなびかせ、懸命に跳ねた頃が過ぎ
大人への道を歩き出した飼い主さんを
ひそやかに見守りながら、そっと一言

「バトンタッチだね。今度はあなたが頑張る番だから」

ピーターくん――R.I.P.

とても共感できます。コメントさせてください。

私は30歳を過ぎて、命や出会いに対して、より尊敬と奇跡的なモノを感じるようになりました。

私も同じような経験がありました。
失うことはとても辛い経験でしたが
時を経て思い出すその存在は
とても優しく、でも切なくて、寂しいのになぜか微笑んでしまう。そんな不思議な、心がふわっとあたたかくなるような想い。

萩野さんのブログを読んでいて
そんな気持ちがぶわっと溢れてきました。

読んでいたら、悲しくなりました(涙)
ピーターちゃん!空から
萩野さんを、見守っていますよ!

ピーターと七夕を読んで

小学生~高校生まで一緒に暮らした
相棒(猫)を思い出した・・・
恥ずかしい話ここ数年思い出すコトもなかった
色々な思い出がよみがえり少し感傷的になったけど・・・

ありがとう  萩野さん

今、許したら 過去の悲しい事実は消えないけれども 未来はきっと変わるかもしれない。

ハギーさん、お久しぶりです。一年ぶりくらいですが、コメントいたします。

僕も小4のクリスマスイブから飼いだしたシーズー犬のイブちゃんを大学4年に亡くしたときのことをいまだに思いだします。
10年もの間、しかも子供時代を共に過ごした思い出は、楽しいことばかりでした。

ピーターは、今のハギーさんを形成するうえで必要な、絶対条件でなくてはならない存在だったろうと思います。

一緒にいてくれてありがとう、ですね。

ピーターありがとう。

30過ぎてから涙腺緩み過ぎ・・・男性更年期か?
こういった話はキツい

うわー、はぎーさん、貴重な話ありがとうございました。目頭熱くなりました。
先日の兎で思い出されましたね。中学生だったはぎーさんを想像しました。今晩のニュースでお会いしましょう!

ピーターちゃんのお話、語っていただき痛み入ります。
私もいくばくかの昆虫や動物と生活を共にしたことがありましたが一番印象に残っているのは文鳥でしたね。口笛を吹けば文字通り飛んでやってくるかわいい子でしたが、自分のことにかまけて最期の方は遊んであげられませんでした。いまでも後悔することがあるくらいです。萩野さんに大切に連れられて病院へ向かったピーターちゃんはとても幸せだったと思います。

萩ちゃん、

「・・・・・。」

悲しい気持ちになりました。
泣き出しそうな気分になりました。

萩ちゃんの子供の頃のこと、ありありと想像出来ます。
ピーターと一緒に過ごした7年間のこと、しっかり伝わってきます。
文章表現の技術について言うつもりはありません。

きっと今、私は共感しています。

ピーター。
この時期(とき)萩ちゃんに、とても大切なことを教えてくれましたね。
いくら机上で勉強しても、それだけでは分らないような大切なこと。
私はそう思います。

今年の七夕も
天の川、見えませんでした。

萩ちゃん。萩ちゃん。

 姿形は見えなくても、仕事場の机の上にでもちょこんと座っていたりするような気がします。

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