ダノンザキッド、ステラヴェローチェといった2歳G1で上位に来た馬が、いずれも今年初戦を敗れてしまい、今年の牡馬クラシック路線は混沌としています。個人的にもクラシック戦線で目をつけた馬が不振（たとえば共同通信杯11着ディオスバリエンテとか）で、さて皐月賞はどうなることやら。

日曜（3月21日）の中山11R・スプリングSであらかた皐月賞のメンバーが決まります。
このレースあたりの予想が全然だめだと、皐月賞にも響くのですが、今年のスプリングSは雨の予報が出ていますね。中山芝はとりわけ、良馬場と道悪含みの馬場では傾向が変わるので、それなりに思い切った予想をしてみます。

◎⑭ヴィクティファルスです。
5月の遅生まれ、父ハーツクライ、母の父ガリレオ。配合的には晩成です。母ヴィルジニアもデビューは3歳になってから、5歳暮れにオープン入りした馬で、じっくりゆっくり力をつけました。ゆえにヴィクティファルスについては、ややメンバーに恵まれた新馬勝ちはともかく、2戦目の共同通信杯で2着に来たことにびっくりしました。共同通信杯Vのエフフォーリアはいまやクラシック候補の一角。2馬身半離されたとはいえ、今回がキャリア3戦目でまだ上積みが見込めます。先述したように母の父ガリレオという欧州血統で、陣営も「この血統だし、ピッチ走法なので道悪になってもこなしてくれると思う。中山の急坂にも対応できる」と話しています。正直、良馬場の争いだと、もっと軽快なタイプに分が悪いと思うのですが、ちょっとでも湿って力のいる馬場になれば幸い。

〇⑤レインフロムヘヴンも楽しみな馬です。
前評判が最高ランクだったわけではありませんが、ここまで4戦2勝。2着だった百日草特別の勝ち馬は先述のエフフォーリア。フリージア賞を逃げて勝っての参戦。前に行けますし、馬場もあまり軽いパンパンの良より、少し力のいる方が向くタイプです。馬名はシェークスピア「ベニスの商人」から引用。折からの雨がまさに「天上からの慈雨」となるか。

⑩ボーデン、⑪イルーシヴパンサーの6枠2頭は、それぞれ末脚一辺倒でないところが雨馬場にマッチするかもしれません。

馬券は
3連単フォーメーション
<1着>⑤⑭ ― <2着>⑤⑩⑪⑭ ― <3着>⑤⑩⑪⑭　　12点。

押さえの3連複フォーメーション
⑤⑭ ― ⑤⑩⑪⑭ ― ①③④⑤⑨⑩⑪⑭     24点。

ところでこの日は阪神11Ｒで阪神大賞典も行われています。AJCCでこのコラムに的中をもたらしてくれた⑨アリストテレスが出ていますので、こちらにも注目。

馬券は3連単フォーメーション
<1着>⑨―<2着>⑧⑩―<3着>④⑤⑦⑧⑩   8点。

text：仙波広雄＠大阪スポーツニッポン新聞社 競馬担当／【logirl】でアーカイブ公開中『美味しい競馬』MC