2016年3月
« 2月   6月 »
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  
  • mixiチェック

先達の研究や努力を生かしていこう! 秩父宮スポーツ医科学賞

投稿日:2016年03月26日 22:26

今年の秩父宮記念スポーツ医科学賞は功労賞として佐々木秀幸氏が受賞し、奨励賞として「アクティブ・チャイルド・プログラム普及啓発プロジェクト」が選ばれました。

 

20160323_165557

 

やはりこれまでお世話になった方の受賞というのは格別にうれしいものです。佐々木秀幸先生には1980年のモスクワ五輪の前からテレビ朝日のスポーツ中継の解説者として、陸上競技の面白さを基本から教えていただきました。私の陸上好きはここから始まったといっても過言ではありません。

佐々木先生は1964年の東京オリンピックのころからコーチング現場に立たれ、多くの日本代表選手を育成されてきました。陸上競技の小学生全国大会出場者に対して、スポーツ活動についての追跡調査を行い、エビデンスに基づいた「早期専門化の弊害」や「オーバートレーニング」の問題を指摘されました。現在でも育成段階で問題になっていることに対していち早く警鐘を鳴らされてきたのです。

今回の受賞記念スピーチではこんなことをお話になりました。

1964年の東京オリンピックでは開催国として、海外のコーチ陣を迎えて講習や研修会など頻繁に行ってきたが、技術や体力ともに大きな差を感じショックでもあり、医科学の必要性を感じたものである。

男子の走り幅跳びは、1991年にパウウェルが作った8m95であるが、これを前方一回転を加えて行うと、10mは行くと考えられている。実際にバイオメカニクスで、自己記録が8m台の英国選手が実験を行ったが、危険であることから禁止となった。

またやり投げも104mと飛びすぎたので、重心を前にした。そして現在はゼレズニーが出した98m48が世界記録となっている。しかし円盤投げのように弧を描いてターンをして投げると110mは超えてしまう。これは観客席に入ってしまうので禁止。

こうした例を考えながら、科学と現場は常に裏表の関係にあることを感じざるを得ない。

1991年に東京で世界陸上が行われた時に、世界中から来るトップアスリートを対象に動作分析、バイオメカニクスを小林寛道氏を中心に行った。これが「世界一流陸上競技者の技術」という本になっており、私のバイブルにもなっている。今は絶版で手に入れるのが至難の業だ。日本の短距離の走りのベースにもなっている。

また小林氏を中心にマラソンの暑さ対策や高所トレーニングなどを山形県の上山で実験をしながら、競技者育成と医科学研究を同時に行った。

ドーピングについても、WADAを中心にアンチドーピング活動を行っているが、薬による副作用でホルモンバランスが崩れ、女性が男性化したり、出産不能になったり、若死にしたりするケースがみられるようになった。

プロの世界、国家戦略、生活の賞金稼ぎの為など、理由は様々だ。ロシアの中距離選手が自白したが、レスリングでもまた見つかり、リオオリンピックの出場が危ぶまれている。

ドーピングはアンフェアであるということだけでなく、社会的に子供に与える影響もある。

スポーツはクリアーでなければならない。明るくなければならない。平等でなければならない。

科学的思考をガンバリズムでくるんであげる・・・それが大切だろう。

 

以上、佐々木先生の受賞記念のスピーチの要約でした。
ところで、佐々木先生が超人であることを今回の授賞式に参加した大学の教授から伺いました。なんと還暦近くまで、すなわち60台になるまで、一般学生と50m走をして、勝っていたそうです。その強靭な肉体恐るべし。

今でも昔と体型は全く変わりません。「毎日腕立て伏せをやってるからね」とニコニコされておりました。好々爺の表情ではありますが、鋼の精神と肉体の持ち主のようです。

 

20160323_164317

 

一方奨励賞を受けた「アクティブ・チャイルド・プログラム普及啓発プロジェクト」も子供たちがいかに元気に遊べるかを追求しながら普及してきた活動で、現代の子供たちにとって最も大切なことの一つといっても過言ではありません。

研究結果を踏まえて、子供の身体活動のガイドラインとして1日総計して60分以上体を動かすことを提唱し、さらには、発育期には量的な評価だけでなく、動きの質を観察し、その評価に基づいた指導が求められるとしました。

この研究プロジェクトではそれぞれの遊びの中で①効果が期待できる動きの要素を把握する、②子供の動きの質を評価する、③運動の量や質について遊びの中で発展させることを目的として、楽しく夢中になることで、結果的に運動の量と質を確保させるための働きかけについての検討がなされてきました。

こうしてできたのが、平成22年に取りまとめられた「アクティブ・チャイルド・プログラム」。

このプログラムでは4つのテーマをガイドブックやDVD教材にして、全国の小学校(22258校)や総合型地域スポーツクラブ(2905クラブ)に提供されてきました。

さらに、第二段階の研究として、子供の身体活動量の低下や運動離れはすでに幼児の段階から起こっているとの指摘を文部科学省「幼児期運動指針」より受け、より低年齢向けのプログラム作成に取り組んてきました。

20160326_220340

20160326_215116 (2)

20160326_220407

以上、ACP(アクティブチャイルドプログラム)の御紹介でした。

 

先達の研究や思考、さらにはその成果を今の社会にどう生かしていくのか、私たちはしっかりと受け止めて、発展させていく必要があるようですね。

 

 

 

 

 

 

 

  • mixiチェック

フォトギャラリー

  • 20160307_015056
  • 2 009
  • 11755103_1065543693456628_6267899555965737886_n
  • 10487482_1229260587103859_6929252112395174534_n
フォトギャラリーを詳しく見る≫