2014年07月06日 09:30

 こんにちは。“題名舞台裏ウォッチャー”キャンディーです。気がつけば2014年も折り返し7月となり、5月下旬よりお送りしております番組50周年特別企画が早くも第7弾となりました。
 今日の放送ではジャズ界の巨匠・山下洋輔さんをお迎えしました。それこそ番組が始まった頃に山下さんは彗星のごとく、いや、もっと激しかったので火星のごとく?衝撃的にジャズ界に登場して以来、日本のみならず世界をも虜にして今日に至ります。ちょうど5年前に山下洋輔トリオ結成40周年を番組でお祝いした時には、これまでに何組か組まれたトリオの実現できる最古のメンバーであるサックス坂田明さんとドラム森山威男さんという懐かしのトリオメンバーにお集まり頂きましたが(しかもトークゲストがタモリさんという豪華さ!)、今回はさらにそれを上回る稲妻が走りました。
 それは、山下洋輔さんの若かりし頃を彷彿とさせる、強烈な勢いと破壊力をもったピアニスト、スガダイローさんの登場です。スガさんの演奏を初めて拝見したとき、演奏スタイルは山下さんの影響をガッツリ受けているものの、確かなテクニックに裏付けされた指をピンと立てた恐ろしい速さの連打は、まさしくスガダイローでしかあり得ない演奏で、ビビッと感電してしまったような衝撃が走りました。そして同時に、あの肘打ち奏法は山下洋輔でしかあり得ないと思っていたのに、ピアノを弾く上での一つの奏法と昇華したのだと思いました。50年という月日は拒絶反応をも引き起こした前衛的な奏法を定番に変えることができるのですね。
 山下さんご自身も「双子の銀河星を見た思い」と独特は節回しでスガさんを評価していますが、よくもご自身の奏法の盗っ人?をこうも堂々とご紹介できるなぁ、と山下さんの度量の深さに恐れ入りました。
 お一人ずつの演奏でもお腹いっぱいなのに、それぞれのトリオを引っさげて同じステージ上での演奏は、通常なら“共演”という言葉を使うのですが、“討ち合い”の方がしっくりくる演奏でした。
 山下トリオのメンツと言ったら、トリオ40周年以来、今回番組のために再結成して下さった“泣く子も黙る”坂田・森山というった豪華メンバーですが、「相手を仕留めてやる」というハンターのような目つきで共演する姿、初めて見たかもしれません。あのまま時間を決めずに演奏していたら、必ず誰かやられます(笑)!
 余談ですが、スガさんは元々某一流大学で応用生物の専攻をされていた「リケ男」なのですが、坂田明さんも言わずと知れたミジンコ研究家。以前、スガさんが車で坂田さんを家まで送った時、お礼にとのことで、ミジンコをお土産にもらったのだとか。なんとも…。
140706