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宇宙旅行の音楽会

投稿日:2015年10月18日 09:30

 以前から「宇宙に行きたい」と公言している五嶋龍さん。では、宇宙旅行を音楽で表現するとしたら? 今回は広大な宇宙空間を連想させる楽曲が並びました。

 宇宙飛行士の毛利衛さんは、宇宙空間でオーロラをくぐり抜けたとき、バッハと雅楽が同時に聞こえてきたといいます。番組中の「宇宙旅行メドレー」でも再現されていましたが、まったく異質な音楽がいっしょに連想されるのが、おもしろいですよね。

 現在、27歳の五嶋龍さんにとって、宇宙旅行は決して夢物語ではないでしょう。民間宇宙旅行の話題がしばしばニュースをにぎわす時代がすでに到来しています。

 しかし、19世紀の音楽家にとって、宇宙とは旅行を夢見るような対象ではありませんでした。イギリスの作曲家ホルストが組曲「惑星」を作曲したとき、その念頭にあったのは占星術の世界観だったといいます。ホルストから見れば、「火星」や「木星」は探査機が飛んでいく場所ではなく、戦いの神や快楽の神のシンボルだったのです。

 ドイツの作曲家リヒャルト・シュトラウスは、ニーチェの同名の哲学書に触発されて、交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」を作曲しました。映画監督スタンリー・キューブリックは、先駆的SF映画「2001年宇宙の旅」でこの曲を効果的に使っています。映画のテーマは「進化」。きっと、キューブリックはこの映画とニーチェの著作の間に関連性を認めて、「ツァラトゥストラはかく語りき」を選んだのでは? 映画はこの名曲に「宇宙の旅」という新たなイメージを付け加えることに成功しました。

 壮大なオーケストラ音楽と宇宙空間のイメージを決定的に結びつけたのは、映画「スター・ウォーズ」のテーマを作曲したジョン・ウィリアムズです。ジョン・ウィリアムズは伝統的なオーケストレーションの技法を駆使して、ハリウッド映画、とりわけSF映画の音楽史に新たなページを加えました。

 もともと貴族の宮廷楽団として発達したオーケストラが、宇宙空間の未来的なイメージにぴったりと合うのが、なんだか不思議ですよね。

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