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ニュースタンダードの音楽会

投稿日:2016年06月19日 09:30

ポピュラー音楽の世界で使われる用語に「スタンダード」という言葉があります。辞書をひくと「恒久的なレパートリーとして広く親しまれる名曲のこと、特にポピュラー・ソングで使われる」といった説明が乗っています。ジャズでいえば「A列車で行こう」とか「枯葉」「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」といった曲名がまっさきに挙がるでしょうか。
 本日の「ニュースタンダードの音楽会」では、新しいスタンダード、つまり70年代から80年代の洋楽ヒットナンバーを最新のアレンジでお聴きいただきました。マイケル・ジャクソンやプリンスのヒットナンバーもすでに30年の時を経ているのですから、もはや「スタンダード」になっているんですね。
 時代を代表するヒット・ナンバーがスタンダードになるということは、いいかえれば本人以外のアーティストたちによって演奏され続けているということ。だれかが楽曲に新しい命を吹き込まなければ、「スタンダード」は誕生しません。今回は時代の最先端を行くアレンジャーたちが、「今のマイケル・ジャクソン」や「今のプリンス」を聴かせてくれました。「ビート・イット」がゴージャスに生まれ変わっていたり、「パープル・レイン」に繊細で抒情的な彩りが添えられていたり……。懐かしくて、しかも新鮮であるというのが、「ニュースタンダード」を聴く楽しさでしょうか。
 エリック・ミヤシロ EMバンドの演奏もカッコよかったですね。あのスカッと抜けるようなトランペットの高音はどうやったら出せるんでしょう。サックスやトロンボーン、ハーモニカなど、ソロの聴きどころも満載でした。
 同じ曲をいろんなアーティストがくりかえし演奏して、スタンダードになる。このプロセスはクラシック音楽が生まれるプロセスとまったく同じです。今スタンダードと呼ばれる名曲が、さらにあと100年演奏され続けると、クラシックと呼ばれるようになるのかもしれません。

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