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夏が来た音楽会

投稿日:2022年07月09日 10:30

今週は音楽で夏の季節感をたっぷりとお楽しみいただきました。やはり夏は思い出の多い季節なのでしょうか、ノスタルジーを喚起する曲がたくさんありましたね。
 最初に石丸さんが歌ったのは「ラジオ体操の歌」。子どもの頃、夏休みに聴いた曲といえばこの曲でしょう。最近はラジオ体操の習慣がなくなっている地域も多いようですが、毎朝、眠い目をこすりながら学校の校庭に通ってスタンプをもらっていたのを思い出します。今回のアレンジではスティールパンがさわやかな南国気分を醸し出していました。こんな演奏を聴けるのなら、早起きも苦にならなかったかも?
 「日本の夏のうたメドレー」で演奏されたのは、村治佳織さんのギターによる「浜辺の歌」、伊澤陽一さんのスティールパンによる「椰子の実」、廣津留すみれさんのヴァイオリンによる「夏の思い出」。新鮮なアレンジで生まれ変わった日本の夏といった趣でしたが、やはり郷愁をかきたてられます。
 あいみょんの「マリーゴールド」は、ギターとストリングスによる演奏で。この曲も夏の情景が描かれています。「淡い青空とマリーゴールドの花の黄色を思い浮かべた」という村治さんの演奏は、清爽かつ情感豊か。ストリングスが加わったことで、ぐっとドラマティックな音楽になっていました。
 ピアソラの「ブエノスアイレスの四季」より「夏」では、廣津留さんのヴァイオリンが切れ味鋭くエネルギッシュ。ピアソラは劇付随音楽としてこの「夏」を作曲した後、「春」「秋」「冬」を書いて、「ブエノスアイレスの四季」と題した曲集に仕立てました。もともとはバンドネオン五重奏団のために書かれた曲でしたが、「リベルタンゴ」や「アディオス・ノニーノ」といった他のピアソラの名曲同様、クラシックの演奏家にも好んで演奏されています。
 最後の「東京音頭」は豪華出演者陣が一堂に会しての演奏でした。ゴージャスでしたね。

飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)

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