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藤井フミヤとクラシックの音楽会

投稿日:2021年10月16日 10:30

今週は藤井フミヤさんをゲストにお招きして、クラシックの超名曲を歌っていただきました。「最近は家で聴く音楽の8割はクラシック」というフミヤさんが選んだのは、シューベルトの「セレナーデ」、そしてベートーヴェンのピアノ・ソナタ第8番「悲愴」第2楽章でした。
 シューベルトといえば数々の名曲で知られる歌曲王。なかでも歌曲集「白鳥の歌」に収められたこの「セレナーデ」はよく知られています。通常はレルシュタープが書いたドイツ語の原詩で歌われますが、今回フミヤさんが歌ったのは松本隆さんによる現代日本語訳。以前、当番組の「シューベルトの歌曲を現代日本語訳で聴く音楽会」で松本隆さんの訳詞をご紹介しましたが、松本さんの訳詞はとても自然で、聴き取りやすいんですよね。そして、今の私たちの感性にぴたりと寄り添ってくれます。フミヤさんが歌うと、ますます現代的になると言いましょうか、ほとんどポップスのような身近な音楽として感じることができます。きっとシューベルトだって身近な人々のために曲を書いていたはず。当時の聴衆が受けた印象と私たちがフミヤさんの歌から受ける印象は案外近いのかもしれません。
 ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第8番「悲愴」の第2楽章は、ビリー・ジョエルの「This Night」など、これまでにくりかえしカバーされてきた人気曲です。原曲はピアノ曲ですので歌詞はありませんから、フミヤさんはオリジナルの歌詞を付けて、「青いメロディー」と題しました。原曲が持つ淡いノスタルジーを保ちながらも、すがすがしく爽やかなポエジーで満たされいて、古い曲という感じがまったくしません。
 最後に演奏されたフミヤさんの「TRUE LOVE」は、尺八の藤原道山さん、箏のLEOさんが加わった豪華メンバーで。和楽器と弦楽器とボーカルが無理なくひとつに溶け合って、独特の透明感が生み出されていました。

飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)

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