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ショパンコンクールのコンテスタントによるショパンの音楽会

投稿日:2021年10月09日 10:30

現在、ポーランドのワルシャワでショパン国際ピアノコンクールが開催されています。10月3日に1次予選が開始され、以降人数を絞りながら、2次予選、3次予選、ファイナルへと続きます。ファイナルが終わるのは10月20日という長丁場。小林愛実さんも角野隼斗さんもコンクールに参加しており、昨日、ともに2次予選への進出が発表されました。
 世界中にたくさんの音楽コンクールがありますが、ショパン・コンクールほど注目を集めるコンクールはほかにありません。それはこのコンクールが過去にポリーニやアルゲリッチなど、偉大なピアニストを輩出してきたからでもあるでしょうが、それに加えて、ショパンがピアニストにとって特別な存在だからという点も見逃せません。かつて名ピアニストのアルフレート・ブレンデルが、こんなことを語っていました。
「ピアニストには2種類いる。ショパンを弾くピアニストと、それ以外だ」
 実は当のブレンデルは後者のショパンを弾かないタイプのピアニストでした。ショパンを弾くとなったら、そのために膨大なエネルギーを注がなければならなくなるので、あるとき彼はショパンを弾かない道を選択したというのです。やはりショパンは別格です。
 ショパンの魅力はとても一言で語れるようなものではないでしょうが、小林愛実さんは一例として「華麗な装飾音」を挙げてくれました。軽やかできらめくような装飾はショパンならでは。同時代の他の作曲家、たとえばリストやシューマンとはまったく違った美学に貫かれています。
 角野隼斗さんはショパンの魅力を「引き算の美学」と語っていて、これはおもしろい表現だと思いました。例として弾いてくれたリスト風「英雄ポロネーズ」には爆笑! たしかにリストはショパンとは正反対で、ある種の過剰さが芸術に高められた存在だと思います。ショパンは「引き算の美学」から、大きなドラマや豊かな詩情を生み出します。最後に角野さんが演奏した「英雄ポロネーズ」はまさにその実践だったと思います。

飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)

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