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石丸幹二が忘れられない名演ベストパフォーマンス

投稿日:2021年01月09日 10:30

今週は石丸幹二さんが選ぶ2020年の「忘れられない」ベストパフォーマンスをお届けしました。村治佳織さん他によるヴィヴァルディと、藤田真央さんの自作自演は今回が初公開。名演がずらりとそろいました。
 高嶋ちさ子さんはデュカスの名曲「魔法使いの弟子」で手品を披露。この曲はディズニー映画「ファンタジア」で使われ、ミッキーマウスが見習い魔法使いを演じたことで、一躍人気を高めました。ミッキーマウスは魔法に失敗してひどい目にあってしまうのですが、高嶋さんのマジックは大成功でしたね。
 村治佳織さんが鈴木優人さん指揮東京フィルとともに演奏したのは、ヴィヴァルディの「四季」より「冬」第1楽章。以前の放送では「秋」をお楽しみいただきましたが、「冬」も負けず劣らず名曲です。曲の冒頭で静かに「ブルッ、ブルッ、ブルッ、ブルッ」とくりかえされる部分が、いかにも寒さにぶるぶると震えているかのよう。ほかにも寒さで歯がカタカタと震えている部分が出てきたりと、冬は意外とリズミカルです。こういった冬の情景を舞曲的な躍動感に結び付けるあたりに、ヴィヴァルディの卓越した創意を感じます。
 藤田真央さんが演奏したのはご自身が作曲した「パガニーニの主題による変奏曲」。ここでいう「パガニーニの主題」とは、パガニーニが「24の奇想曲」の終曲で用いた主題を指しています。パガニーニ以降、この主題で変奏曲を書くことが一種の流行のようになり、ブラームスやリスト、ラフマニノフをはじめ数多くの作曲家たちが「パガニーニの主題による変奏曲」を書いています。藤田真央さんもその伝統にのっとって、ジャズの語法を盛り込んだ現代的な感性にもとづく変奏曲を書きあげました。それにしてもこれが高校時代の作品とは。
 最後を飾ったのは、Toshlさんがフルオーケストラをバックに歌った「ボヘミアン・ラプソディ」。これは文句なしの名演でしょう。圧巻でした!

飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)

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