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7人制吹奏楽の誕生!ブリーズバンドの音楽会

投稿日:2020年10月24日 10:30

新型コロナウイルスは依然として音楽界に大きな影響を与えています。三密回避の観点から、以前のように大勢の人数が一堂に会することが難しくなっています。全国の吹奏楽部員たち憧れの場である全日本吹奏楽コンクールも中止になってしまいました。
 しかし、大編成ばかりが吹奏楽ではないはず。今回新たに提案されたのは7人だけの小編成吹奏楽「ブリーズバンド」。わずか7人でも、アレンジ次第でこんなにカッコいい演奏ができるんですね。いずれも楽譜は無料公開されていますので、「演奏してみたい!」と思った方はぜひダウンロードしてみてください。
 編成は楽曲ごとに異なります。「鬼滅の刃」主題歌として人気の「紅蓮華」は、エリック・ミヤシロさんによる金管楽器+ドラムスの編成。テューバにもソロが用意されていて、山田和樹さんの言葉通り、「7人全員が主役」。パワフルで重厚な響きは7人の演奏とは思えません。
 2曲目は、吹奏楽の定番「宝島」。伊賀拓郎さんのアレンジで、7人中4人がパーカッションという意外性のある編成でした。こちらはとても楽しい雰囲気で、パーカッションの見せ場がたっぷり用意されています。
 3曲目の主役は木管楽器。モンティの「チャールダーシュ」が挾間美帆さんの編曲で生まれ変わりました。もともとはヴァイオリンが活躍する曲として有名ですが、このアレンジでは木管楽器同士のスリリングで遊び心に富んだやり取りが魅力。ひなびた調子の原曲が、すっかり都会的な雰囲気に。コントラバスのソロにはぐっと来ますよね。
 現在はプロのオーケストラの演奏会でもコンパクトな編成の楽曲が中心になっています。厳しい制約ではあるのですが、これを逆手にとって、ふだんはあまり演奏されない小編成の曲に光を当てる意欲的なプログラムも目立っています。制約から新たな可能性が生まれることは、決して珍しいことではありません。

飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)

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