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この音色が欲しかった!ひねりすぎた楽器を楽しむ音楽会

投稿日:2020年08月01日 10:30

今週はひねりすぎた楽器を楽しむ音楽会。次々と珍しい楽器が登場しましたが、どれも予想外の音色が出てくるのがおもしろかったですよね。ミュージカルソー、スプリングドラム、ウォーターフォン、テスラコイル、いずれも不思議な音色がする楽器でした。
 見た目とのギャップが激しいのがミュージカルソー。一見したところは普通のノコギリにしか見えません。いかにも日曜大工風の雰囲気があるのですが、出てくる音は未来的。映画「パラサイト 半地下の家族」でも使われるなど、実は意外なところで耳にしている楽器でもあります。藤田真央さんがチャレンジしてくれましたが、ビブラートを全身でかける姿が楽しそうでした。
 神田佳子さんは現代音楽を中心に活躍する、この分野では知らぬ人のいない打楽器奏者。スプリングドラムといい、ウォーターフォンといい、本当に風変わりな楽器で、いったいどんなきっかけでこのような楽器が発明されたのかと思ってしまいます。スプリングドラムの音は風や嵐を連想させます。宇宙的でもあり、大自然を思わせるところもあって、予想外にドラマティック。ウォーターフォンは形状からして謎めいていますが、出てくる音もミステリアスです。どこか聴く人の気持ちを落ち着かなくするところがあって、なるほど、ホラー映画に使われるのは納得です。
 一方、テスラコイルはもともと楽器として作られたものではありません。発明者のニコラ・テスラはエジソンのライバルともいえる科学者で、磁束密度の単位T(テスラ)にその名を残しています。電気自動車メーカーのテスラも彼の名にちなんだもの。今回のデモンストレーションでは鍵盤と連動させて、稲妻で音程を作れるようにセッティングされていました。こんな活用法があるんですね。
 最後は川島さんがご自身の口で水滴を受ける「滴下の音楽」。これも音楽です。おもしろいと思いませんか。

飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)

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