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高嶋ちさ子のわがまま音楽会~モーツァルト編

投稿日:2019年05月25日 10:30

今週は高島ちさ子さんがモーツァルトの魅力をさまざまな角度から語ってくれました。
 よくモーツァルトの音楽は「子供には簡単だけど、大人には難しすぎる」と言われます。高島さんいわく「ピュアな心がないと弾けない!」。一見、技術的に容易に見えても、大人が説得力のある演奏をするのは簡単ではありません。モーツァルトを得意とする演奏家を「モーツァルト弾き」と呼んだりしますが、逆に言えばモーツァルトの演奏に慎重な有名演奏家も少なくないのです。
 モーツァルトの曲は大半が長調で書かれていますので、天真爛漫な音楽と思われがちですが、長調の曲でもしばしば短調に移って影が差す瞬間が訪れます。こんなふうに長調と短調の間を自在に行き来できるのがモーツァルトの魅力。明るいけど悲しい。暗いのにすがすがしい。モーツァルトのほとんどの作品には、そんな陰影の豊かさがあります。
 「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲」では、ヴァイオリンの山根一仁さんとヴィオラの安達真理さんが、精彩に富んだソロを披露してくれました。ヴィオラの調弦を変更して、輝かしい音を出そうというのがモーツァルトのアイディア。安達さんが通常の調弦と、この曲のための変則的な調弦で同じメロディを弾いてくれましたが、違いは伝わったでしょうか。微妙な違いですが、前者はヴィオラらしいコクのある音色、後者はいくぶん明るく華やかな音色になっていたと思います。
 ヴァイオリン協奏曲第5番「トルコ風」は、当時流行のトルコ趣味を反映した作品。番組中ではベートーヴェンの「トルコ行進曲」も紹介されていましたが、たとえばハイドンは交響曲第100番「軍隊」で、トルコ風の軍楽隊を模しています。モーツァルト自身、このヴァイオリン協奏曲のほかに、ピアノ・ソナタ「トルコ行進曲付き」やオペラ「後宮からの誘拐」で、トルコ趣味を前面に押し出しています。ウケるネタは何度でも、といったところでしょうか。

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