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坂本龍一が手がける東北ユースオーケストラの音楽会

投稿日:2019年05月04日 10:30

ユースオーケストラにもいろいろな形がありますが、東北ユースオーケストラほど独自の経緯で誕生した団体もないでしょう。最初の第一歩は、震災をきっかけとして坂本龍一さんが設立した「こどもの音楽再生基金」。楽器の修理から始まった復興支援は、やがてユースオーケストラへと発展します。東日本大震災の被災三県(岩手県・宮城県・福島県)の子供たちが中心となって、2013年秋に宮城県松島町にて開催された音楽祭「ルツェルン・フェスティバル ARK NOVA 松島 2013」を機に、東北ユースオーケストラの活動がスタートしました。すぐれた音楽家たちとの出会いや、仲間たちとの交流は、子供たちにとっての貴重な成長の場となっているといいます。単に大人が用意した場に子供たちが受け身で集まっているのではなく、子供たち自身が主体性を持って活動に取り組んでいる様子が伝わってきましたよね。
 番組内では坂本龍一さんと東北ユースオーケストラの共演によって、「戦場のメリークリスマス」テーマ曲や「ラストエンペラー」、「ETUDE」といった坂本さんの名曲をお聴きいただきました。これは貴重な機会だったと思います。コンサートホールで坂本さん自身がピアノを弾いて、オーケストラと共演しているという状況に興奮せずにはいられません。
 ピアノとオーケストラという協奏曲スタイルの演奏ということで、おなじみの曲にも一味違った新鮮な雰囲気が感じられたのもおもしろかったですよね。たとえば、「戦場のメリークリスマス」テーマ曲には、エリック・サティ風の無機的な手触りと、オリエンタリズム、そしてしなやかな抒情性が一体となって、独特の味わいが生まれていたと思います。
 最後に演奏された「ETUDE」は、1984年にリリースされたアルバム「音楽図鑑」のなかの一曲。挾間美帆さんによりピアノとオーケストラ用に編曲されていました。ステージと客席が一体となって盛り上がりました。

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