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新元号発表!日本のクラシック音楽をたどる休日

投稿日:2019年04月06日 10:30

新元号が「令和」に決まりましたね。今週は明治から平成までの日本人作曲家たちの作品をお届けしました。収録場所は明治44年竣工のグランドプリンスホテル高輪貴賓館。気品と華やかさの感じられる素敵な会場でした。
 冒頭の天皇皇后両陛下による「歌声の響」は、皇太子夫妻時代に沖縄を初訪問された際に誕生した一曲。歌詞には沖縄や元ハンセン病患者らへの思いが込められています。
 幸田露伴の妹である作曲家、幸田延の作品をお聴きになったことがある方は決して多くはないでしょう。鈴木優人さんが「シューマンやメンデルスゾーンを思わせる本格的なソナタ」とおっしゃるヴァイオリン・ソナタは、明治30年に初演されました。明治30年というと西暦1897年ですので、まさに19世紀末のこと。これはちょうどブラームスがウィーンで世を去った年と同じ。ブラームスの最晩年に書かれた2曲のクラリネット・ソナタが1894年に書かれています。そういう意味では、西洋音楽と出会っていきなりこんなソナタを書いてしまった幸田延という人の吸収力は、並大抵のものではありません。
 山田耕筰は「赤とんぼ」や「この道」などの歌で広く知られる作曲家ですが、日本初の交響曲を書くなど、オーケストラ曲の作曲にも功績を残しています。また、日本交響楽協会を設立するなど、日本のオーケストラ活動の礎を築いたという点でも大きな役割を果たしました。
 昭和後期になると、日本のクラシック音楽受容はずいぶんと進み、日本から世界へと羽ばたく音楽家も数多くあらわれるようになりました。作曲家としては、武満徹が筆頭に挙げられる存在でしょう。1996に武満徹が世を去って23年が経ちましたが、今もなお武満作品は世界中で演奏されています。クラシック音楽の世界で、くりかえし演奏される「古典」になる。武満作品はそんなとてつもなく高いハードルを越えようとしています。

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