• mixiチェック

劇場で生まれた名曲の音楽会

投稿日:2019年02月16日 10:30

今週は劇場から誕生した名曲をお聴きいただきました。バレエ、ミュージカル、オペラ、オラトリオ。実にさまざまなジャンルの曲が並んでいますが、共通点は作品にストーリー性があるところ。
 劇場の音楽では、先にストーリーがあって、そこに作曲家が場面場面にふさわしい音楽を作ることになります。一瞬で登場人物の心情が伝わるような明快さが求められるからなのでしょうか、この分野の名曲にはとてもキャッチーな曲が多いように感じます。
 劇場から生まれた音楽が、劇から独立して単独でコンサートホールで演奏されることも珍しくありません。たとえば、今回お聴きいただいたワーグナーの歌劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕の前奏曲は、本来は5時間以上かかる長大なオペラのオープニングテーマとして作曲されたもの。しかし、オペラだけで演奏するのはもったいないほどの傑作ですので、オーケストラのコンサートでこの前奏曲だけを取り出して演奏することもよくあります。前奏曲だけでも一曲のなかに起承転結があって、十分に完結した音楽として鑑賞することが可能です。
 オペラやミュージカル、バレエに比べると、オラトリオという言葉にはなじみの薄い方も多いでしょう。オラトリオとは主に宗教的あるいは道徳的な物語を扱った大規模な声楽曲を指す言葉。オペラとよく似ているのですが、演技や衣装はなく、合唱の活躍が目立つことが特徴です。舞台装置も衣装も不要ですので、オペラほど予算や準備期間がかからないことがオラトリオの大きな利点です。
 オペラ作曲家として評判を呼んでいたヘンデルは、晩年にオラトリオの分野に力を注いでさらなる名声を築きました。「メサイア」はそんなオラトリオの大傑作。演技や衣装がなくても、音楽そのものが持つドラマが聴く人に深い感動を与えてくれます。

  • mixiチェック
コメントはこちらからどうぞ

ニックネーム
コメント

※必ず注意事項をお読みの上、送信して下さい。

フォトギャラリー

フォトギャラリーを詳しく見る≫