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映画黄金期の名曲を楽しむ音楽会

投稿日:2018年11月24日 10:30

今週は映画音楽の名曲をたっぷりとお楽しみいただきました。いずれも1960年代までの往年の名画ばかり。懐かしさで胸がいっぱいになったという方も多かったことでしょう。若い方であれば「昔の映画にこんな名曲があったのか!」と驚いた方もいらっしゃるかもしれません。
 かつて映画音楽にはオーケストラは必須の存在だったといっても過言ではありません。シンセサイザーなど電子楽器が広まる以前の時代に、物語の壮大さや奥深さを伝えるためには、オーケストラのゴージャスなサウンドが最適。名曲は一瞬で観客をドラマティックな世界へと引き込んでくれます。
 指揮の原田慶太楼さんがおっしゃっていたように、アメリカにはヨーロッパから渡ってきた作曲家がたくさんいました。『風と共に去りぬ』の「タラのテーマ」で知られる作曲家、マックス・スタイナーもそのひとり。彼は1888年にウィーンで生まれ、音楽の神童として名を馳せ、10代からすでに自作のオペレッタを作曲していました。ウィーンの音楽院ではあのマーラーにも師事しています。しかし、1914年にアメリカへ渡ると、ブロードウェイやハリウッドで活躍して名声を築きます。
 「ハリウッド映画以前の最大のエンタテインメントはオペラだった」という考え方からすると、このあたりが、まさにオペラ界からハリウッド映画へと時代が移り行く過渡期だったといえるでしょう。『風とともに去りぬ』の「タラのテーマ」には、どこかオペラの序曲や前奏曲の名残りが感じられます。そもそもオーケストラの音楽で物語の幕を開けるという考え方自体がオペラ的とも言えます。
 オーケストラによる壮大なテーマ曲という伝統は、後に「スター・ウォーズ」をヒットさせるジョン・ウィリアムズへと受け継がれます。そのジョン・ウィリアムズのアシスタントを務めたのが原田慶太楼さん。東京交響楽団とともに、豊麗なサウンドを聴かせてくれました。

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