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出光音楽賞 受賞者ガラコンサート

投稿日:2018年09月08日 10:30

今回は、東京オペラシティ・コンサートホールで開催された第28回出光音楽賞受賞者ガラコンサートの模様をお届けしました。受賞者はサクソフォンの上野耕平さん、ヴァイオリンの辻彩奈さん、チェロの岡本侑也さんの3名です。
 「もっと多くの人にクラシックのサクソフォンを聴いてほしい」と語るのは、すでに多方面で活躍中の上野さん。サクソフォンはクラシック音楽の世界では比較的新しい楽器です。モーツァルトやベートーヴェンの時代にはこの楽器はまだありませんでした。サクソフォンの作品が盛んに書かれるようになったのは20世紀に入ってから。イベールの「アルト・サクソフォーンと11の楽器のための室内小協奏曲」はその先駆けともいえる存在です。上野さんの軽快なソロが、機知に富んだ多彩な楽想を表現してくれました。まだまだこの楽器のレパートリーはこれから広がっていくのでしょうし、そのためには上野さんのような若くて意欲的な奏者の存在が欠かせません。
 ヴァイオリンの辻彩奈さんはまだ20歳という若さ。とてもそんな年齢とは思えないようなスケールの大きな表現が印象に残りました。オーケストラとの共演でも不足を感じさせない芯の強い音も魅力。ショーソンの「詩情」に込められた豊かな情熱と幻想味が存分に伝わってきます。この曲はクライマックスの後に訪れる最後の余韻がいいんですよね。
 チェリストの岡本侑也さんは、チャイコフスキーの「ロココの主題による変奏曲」を演奏してくれました。チェリストにとってはオーケストラと共演する際の貴重なレパートリー。のびやかな音色で、洗練された端正なチャイコフスキーを披露してくれました。爽快でしたよね。
 毎年、この受賞者ガラコンサートを聴くと、日本の若手演奏家のレベルの高さを感じずにはいられません。3人ともまちがいなく、今後ますます大きな舞台で活躍してくれることでしょう。

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