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クラシック界が注目する若き才能の音楽会

投稿日:2018年04月14日 10:30

今週は気鋭の若手奏者、ピアニストの藤田真央さん、ヴァイオリニストの木嶋真優さんに協奏曲を演奏していただきました。
 藤田真央さんは1998年生まれ。まだ在学中なんですね。東京音楽大学1年生で第27回クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールで優勝を果たしました。すでにCDもリリースされています。若き才能がひしめく日本の音楽界ですが、ここまで若くして脚光を浴びる人はめったにいません。チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番の第3楽章を鮮やかに弾ききってくれました。切れ味のあるテクニックと作品にふさわしい豊かなパッションと推進力。加えて抒情的な表現も巧みで、大変に聴きごたえがありました。最後のカデンツァからの怒涛の終結部は迫力がありましたよね。
 ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第32番を例に、作曲時の年齢をイメージした演奏を披露してくれましたが、19歳でありながら仮想51歳となって弾くという発想法はかなりユニーク。
 木嶋真優さんは「練習が大嫌い」というお話が意外でした。しかしお話を聞くと、練習嫌いであるがゆえに、少しでも練習の効率を高めるべく、一回一回、自分の感覚を確かめながら考えて弾くというのですから、練習に対する集中力を大切にされているのでしょう。この世界、すごい練習をしてきた人が練習嫌いを自認することはままあること。
 木嶋さんが演奏したのはショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番。ショスタコーヴィチが活躍していた頃のソ連では、芸術家は自由な創作を許されていませんでした。当局の意図に合致する、わかりやすくて、体制を賛美するような作品が求められたのです。ショスタコーヴィチはヴァイオリン協奏曲第1番を1948年に完成しましたが、このような野心的な作品を発表するのは危険だと考え、スターリンが亡くなって2年後の1955年まで発表を控えました。難曲にして大曲ですが、近年は演奏機会が増えているように感じます。今や20世紀を代表するヴァイオリン協奏曲のひとつになったといってもよいでしょう。

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