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世界のトップヴァイオリニストの音楽会

投稿日:2017年08月13日 09:30

今回は世界的なヴァイオリニスト3人の演奏をじっくりとお聴きいただきました。ワディム・レーピン、ネマニャ・ラドゥロヴィチ、マキシム・ヴェンゲーロフ、三者三様の個性が感じられたのではないかと思います。
 ワディム・レーピンは幼い頃より神童として騒がれ、現在は40代を迎えて大家への道を歩んでいます。ソ連出身の天才らしく、磨き抜かれた完璧なテクニックと輝かしい美音で名声を築きあげたレーピンですが、近年はその表現に円熟味を増しつつあるようです。ラヴェルの「ツィガーヌ」は得意の曲。技巧と情熱が一体となった見事な演奏を聴かせてくれました。
 ネマニャ・ラドゥロヴィチは若い世代を代表する注目のヴァイオリニスト。風貌にインパクトがあって、舞台上から客席までスターのオーラが伝わってきます。個性的な外見からは意外かもしれませんが、取り組むレパートリーは本格派で、テクニックも鮮やか。活発な曲を演奏したときのノリのよさも魅力なのですが、「わが母の教えたまいし歌」での情感豊かな演奏も大いに聴きごたえがありました。これからの時代を築いてゆく奏者のひとりだと思います。
 マキシム・ヴェンゲーロフもレーピンと同じく最高峰のヴァイオリニストといえるでしょう。演奏家としての出自もレーピンと共通点が多いんですよね。ともにソ連が生んだ天才で、シベリア出身、名教師ザハール・ブロンに師事して、若くしてトップレベルの奏者として活躍してきました。ヴェンゲーロフはレーピンより3つ年下ですから、世代も同じです。どんな難曲も軽々と弾いて、流麗でのびやかな音楽があふれ出てくるのがヴェンゲーロフ。「タイスの瞑想曲」の抒情性と幻想味が存分に伝わってきたのではないでしょうか。
 ロシアのレーピンとヴェンゲーロフ、セルビアのネマニャと、3人とも東欧出身なのは偶然です。でも、この地域は本当にたくさんの名手を輩出していますよね。

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