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【第27回】時代と共に歩んできた16年 相棒シリーズ8つの変化!!

投稿日:2016年03月16日 17:35

『相棒』にまつわる知識や情報をテーマに沿ってお届け!
発信するのは、相棒フリークを自認するグループ“相棒ラボ”。
オフィシャルスタッフではないファンならではの愛ある切り口で作品の魅力をお伝えします!

【第27回】
時代と共に歩んできた
16 相棒シリーズ8つの変化!!

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本日放送の最終回スペシャルでシーズン14も幕を閉じる『相棒』。2000年6月3日のプレシーズン(土曜ワイド劇場)第1弾から16年を数える長寿シリーズになりました。その時々の世相や社会情勢を反映してきた『相棒』ですが、シーズンの区切りとなる今回は、時代と共に歩んできたこの作品の、劇中設定の移り変わりをひも解いていきます!

1. 右京の携帯電話が二つ折りから現行のスマホへ

相棒logo
ここ10数年でもっとも進化した身近なアイテムといえば、やはり携帯電話でしょう。携帯電話自体は、シーズン1がスタートした頃には一般的に普及していましたが、当初の主流は今でいう“ガラケー”。右京(水谷豊)もシーズン1第1話「警視総監室にダイナマイト男が乱入!刑事が人質に!? 犯罪の影に女あり…」(2002年10月9日放送/2時間スペシャル)で携帯を使う姿を見せて以来、長らく折りたたみタイプのガラケーを愛用していました。メールの早打ちでも話題を呼んだ右京ですが、時代の波には逆らえず(!?)、シーズン13第1話「ファントム・アサシン」(2014年10月15日放送/2時間スペシャル)からスマホに機種変更。今後は、フリック入力によるメールの早打ちなんていう右京の“新特技”が見られるかもしれません。

2. これも時代の流れ!? 愛煙家はもはや少数派

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シリーズ開始当初からご覧になっている方はご存知だと思いますが、実は最初のころは、初代相棒の薫(寺脇康文)をはじめ、多くの登場人物が“喫煙者”で、喫煙シーンが多々ありました。分煙も進んでおらず、当時は刑事部屋でも喫煙可能。プレシーズン第1話「刑事が警官を殺した?~」(2000年6月3日放送/2時間スペシャル)など、初期の作品では右京が喫煙するシーンも。その後、右京はいち早く禁煙に踏み切ったようで、ほかの登場人物たちの間でも徐々に禁煙が進んでいきます。レギュラーメンバーでいまだ愛煙家を貫いているのは伊丹(川原和久)くらい!? この流れは、世相を反映してきた相棒らしい変化とも言えそうです。

3. オシャレ番長は芹沢!? 米沢も髪型に変化が!

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シリーズ開始当初からイメージに変化がない登場人物がほとんどですが、実は髪型でイメチェンを図っているキャラクターも。初登場からずっと前髪を下ろしていた享(成宮寛貴)が、シーズン13からおでこを出すスタイルに変えたことはお気づきだった方も多いでしょう。ただ、髪型について語るべきは、やはり芹沢(山中崇史)。シーズン3までは長めの髪を真ん中で分けるスタイルでしたが、シーズン4からは若々しく短めに。以降、ちょこちょことアレンジを加え、まったく同じ髪型はないというくらい頻繁にイメチェンをしています。現在は印象的な2ブロックスタイルを採用。相変わらずヘアスタイルにはこだわりがあるようです。意外なところでは、米沢(六角精児)もシリーズ内で髪型を変えた人物のひとり。サラサラのおかっぱという印象が強い米沢ですが、シーズン2までは真ん中で分けて左右に流し、おでこを見せるスタイルでした。相当インパクトがあるので、気になるという方はシーズン2までの米沢の頭にご注目下さい!

4. 右京行きつけの小料理屋・花の里は引っ越していた!?

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花の里の女将が、初代のたまき(益戸育江)から、二代目の幸子(鈴木杏樹)に代替わりしたという話はいまさら説明不要かと思いますが、花の里が一度移転して今の場所になったという設定は、ご存じない方も多いのでは? プレシーズン時代は「新ふくとみ」という店名で、「花の里」になったのはシーズン1から。その後、移転したという設定でシーズン3スタート時に店内が大幅リニュアルされ、ほぼ今の形になりました。そこで、シーズン2までの花の里を見てみると、カウンターと入口の位置関係が今と逆で、画面左手に入口があり、右手がカウンターの内側。右京が画面奥のカウンター席に座り、その左側(右京から見ると右手側)に薫が陣取るという構図でした。

5. 角田率いる部隊は生活安全部から組対五課に組織改編

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角田(山西惇)といえば、暴力団関係の捜査に強い“組対五課”の課長というイメージが定着していますが、シーズン4までは生活安全部の薬物対策課長でした。この設定の変更は、警視庁の組織再編によるもの。元々は、少年犯罪、銃器犯罪、薬物犯罪などを、生活安全部が一括して扱っていましたが、近年、銃器や薬物の対策に関しては組織犯罪対策部が請け負うことに。正確な部署名は、警視庁組織犯罪対策部組織犯罪対策第五課。ちなみに、組織犯罪対策部には第一~第五課まであり、国際犯罪捜査や広域暴力団対策などの役割が各課に割り振られていて、第五課は銃器や薬物の捜査を担当。長年この重要なポストを任されている角田課長は、やはりただ者ではない!?

6. 特命係の配置の変化と歴史を重ねるごとに立ち位置の変化

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特命係の部屋についても位置関係が変化しています。シーズン2までは入口を入って左側に右京のデスクや木札プレートがありましたが、シーズン3第1話「双頭の悪魔」(2004年10月13日放送/2時間スペシャル)からは入口を入って右側になりました。特命係の部屋が庁内で引っ越したのかリフォームなのかは明らかになっていません。いずれにせよ、右京とその相棒のデスクは、会議室で使われるようなものが今も使われています。また、シリーズ開始当初より「人材の墓場」「警視庁の陸の孤島」と揶揄されてきた特命係ですが、近年は警視庁内での扱いに変化が。そもそも、二代目相棒の尊(及川光博)が、特命係に飛ばされてきたのも、特命係と右京が警察に必要な存在か内々に調査するためでした。単なる“追い出し部屋”に過ぎなかった窓際部署が、右京と歴代相棒たちの活躍で、いつの間にか上層部にとっても「無視できない存在」になってきたのです。とはいえ、問題を起こせば“廃止”が取りざたされる不安定な部署であることは変わらず。今回の最終回でも、右京に謹慎処分が下り、特命係が存続の危機に。またしてもピンチを迎える特命係の動向は、今夜の放送でお確かめ下さい!

7. 個人的なポジションが変化した人物も

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また、今夜の放送では、米沢にも転機が! 公式サイトの次回予告に「警察大学校で教官養成の研修を受けていた米沢」という記述があるのを見て、「おや?!」と思った方も少なくないのでは? そんな米沢の動向も気になるところですが、振り返ってみれば、歴代相棒を除く主要キャストの中で、異動や出世をしたという人物はごくわずか。殉職した小野田(岸部一徳)、怪我で退職した三浦(大谷亮介)、降格的人事を受けた峯秋(石坂浩二)以外では、ほとんどが部署も階級も一緒、現状維持という状況です。そんな中、唯一出世街道に乗っている(!?)のが、首席監察官の大河内(神保悟志)。当初は、警務部人事第一課の主任監察官で階級は警視だった大河内ですが、シーズン9からは現職となり階級もひとつ上がって警視正に。階級でいえば刑事部参事官の中園(小野了)と一緒という出世ぶりです。ちなみに、右京はキャリアにもかかわらず警部で出世が止まっているという異例の人事を受けていますが、実は初登場時は警部補という設定でした。

8. 右京と相棒、車をどっちが運転するか問題も発生!

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変化といえば、相棒の移り変わりによって、右京の移動手段も変わってきました。シリーズ開始当初は、薫の運転する車(ブルーバードシルフィほか)の助手席に右京が収まるのが一般的。シーズン7中盤で薫が卒業してからしばらくは、右京が単独で動くことが多くなりますが、時に助手席に“臨時相棒”を乗せて自らハンドルを握るという姿も見られました。その後、尊が登場すると、再び右京の定位置は助手席となり、尊のGT-Rが活躍。尊の荒っぽい運転を初めて体験した右京が、目を剥いて抗議の視線を送っていたのが印象的でした。三代目相棒・享の時代になると、右京の愛車・フィガロがお目見えし、助手席に享を乗せて移動するのが定番に。そして、シーズン14に入ると、「人の運転が苦手」という理由から、亘(反町隆史)がドライバーに立候補。以来、亘が運転するスカイラインに右京が同乗することが多くなっていますが、右京が運転するフィガロも健在です。
そして、今夜8時放送のシーズン14第20話(最終回)「ラストケース」では、警察訓練生による大量殺戮テロという衝撃の事件が発生! 謹慎処分中の右京と亘は、この未曽有の事態にどう対処するのか…!? クライマックスにはシーズン最高クラスの驚きが!? 放送スタートはいつもより1時間早いよる8時ですのでどうぞお間違いなく!

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相棒シーズン14
最終回スペシャル
第20話「ラストケース」
ゲスト:高岡早紀 小野寺昭 国広富之 石橋蓮司
今夜8時!
※ いつもより1時間早いスタートなのでお間違いなく!

https://www.tv-asahi.co.jp/aibou/sphone/story/?pid=0020

<60秒 予告動画>

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【第26回】ビジネスにも役立つ!? 右京の7つの交渉フレーズ

投稿日:2016年03月02日 15:38

『相棒』にまつわる知識や情報をテーマに沿ってお届け!
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【第26回】
ビジネスにも役立つ!? 右京の7つの交渉フレーズ!!

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天才的な洞察力や類まれな推理力など、様々な才能に秀でた右京ですが、実は優れた交渉術を持つネゴシエイターとしての能力も兼ね備えています。そこで今回は、右京がよく口にする7つのフレーズを例に、ビジネスシーンでの活用術をご提案していきたいと思います! ただし、右京だからこそ使いこなせる、右京ならではのフレーズもございます。人間関係に亀裂が入るようなことがなきよう、ご使用の際は自己責任でお願いいたします。

1. 「あと、ひとつだけよろしいでしょうか?」でグッと印象的に!

人差し指を立てながら口にする右京の常套句。会話が一旦終わったかと思わせておいて、一瞬の隙を突く手法。それまで口にしていなかった本音を相手から引き出したり、表情や態度の変化から真実を推しはかるのに役立ちます。ビジネスシーンでも同じことが言え、例えば取引先と交渉が成立しなかった際は、いったん自ら身を引いて話し合いの終わりを予期させておいてから、おもむろに人差し指を立て「あと、ひとつよろしいでしょうか?」と切り出します。そうすることで、相手に不意打ちを食らわせると同時に、こちらの熱意が伝えられるという一石二鳥の高度な技になります。また、社内の会議において、それまで一言も発していなかったとしても、一番最後に「あと、ひとつよろしいでしょうか?」と自分の意見を加えることで、発言がぐっと印象的になり会議の“有終の美”を飾ることもできます。使い方を工夫すれば、様々なシーンで活用できるでしょう。

2. 「細かいことが気になるのが、僕の悪い癖」で謙虚な姿勢を!

現場に残された手掛かりや、犯人の些細なミスなどを目ざとく見つける右京。重箱の隅をつつくようなその指摘に、犯人はもとより、それ以外の人でさえ迷惑顔を浮かべることもしばしばですが、実際は自分の非を認める謙虚な言葉だけにビジネスシーンでも活用が可能。仕事上の細かいミスの指摘は、相手が誰であれ気を遣うもの。言い方を誤れば、「小うるさいヤツ」「揚げ足ばかり取る嫌みなヤツ」なんてレッテルを貼られかねません。しかし、その指摘をあえて“自分の悪い癖”であると言ってあげることで、「修正しよう」という素直な気持ちに相手をスムーズに導くことができます。人の上に立ち、チェックや確認を主なお仕事にされている方にとっては、特に汎用性の高いフレーズと言えるでしょう。

3. 「はいぃ?」は簡単なようで上級者向き!

相手の言葉に疑問を感じたときや、同意しかねるときに右京が口にする「はいぃ?」というフレーズ。尻上がりのイントネーションがポイントで、この返しを受けた相手は、今自分が言った言葉に齟齬や不手際がなかったか、振り返らざるをえない気持ちになります。理不尽な要求がまかり通ることが多いのがビジネスの世界。正面切って反論するのは、はばかられるという方も少なくないでしょう。そこで役に立つのがこの言い回し。疑問形のようであって、実はやんわり否定もしているという便利なダブルミーニング。無理難題を突きつけられた際に、この魔法の一言が状況打開に一役買ってくれるかもしれません。ただし、使う相手を間違えるとかなりマズイ状況にもなるので注意しましょう。

4. 「おや!」“感嘆”表現だが使い方は“簡単”ではない!

驚いたときや感嘆を示すとき、右京が多用するフレーズで、状況によって「おや!」と一言の場合と、「おや、おや!」と重ねて使う場合があります。後者の場合は、感嘆に加えて、「いやはや」に近い呆れや落胆の気持ちが混ざっている印象。ただ、いずれにせよ“素直に口をついて出た感嘆の言葉”という言葉に変わりはなく、イメージそのものは悪くありません。ちゃんと聞いているよという相槌の意味もあります。例えば、会議で誰かが良い提案をしたときや、仕事の関係者と街でバッタリ遭遇したときなど、とっさの一言としてビジネスシーンでも使い勝手が良さそうです。ただ、目上の人に対しては適当な言葉とは言えないので、こちらも使う相手には少々注意が必要です。

5. 「1分だけ」と時間を短く限って相手を油断させる!

捜査一課の取り調べに割り込む際や、聞き込み相手が時間を気にしているときなどに、右京が口にするフレーズ。時間を短く限っているので相手に安心感を与えられます。ポイントは、こちらが制限時間に焦って、いきなり核心を突く質問をしないこと。右京も用いているテクニックですが、あえて関係なさそうな話題を振ることで、「この質問に答えていれば1分くらいすぐ過ぎる」と相手を油断させ、自らしゃべらせることが重要なのです。この交渉術は、ビジネスシーンでも効果的。こちらから聞きにくいことでも、相手から話し始めたことなら、大手を振って突っ込んだ話ができます。かなり高度なテクニックなので、使い手を選ぶフレーズではありますが、一流ビジネスマンを自負する方なら、一度挑戦してみてもいいのでは?

6. 「恐縮です」は自信の表れ!

犯人から推理や博識ぶりを褒められたときに右京が口にするフレーズ。本当に恐縮しているか否かはさておき、ビジネスシーンでも有効な一言であることは言うまでもありません。相手からお褒めの言葉をいただいたとき、サラリと口にすれば、控えめで謙虚な印象を相手に与えることができます。ただ、よくよく考えてみれば、褒められたことを事実として受け入れた上で(自分の優秀さを自身で認めた上で)、かしこまっているとも取れる言葉。言うなれば、アイドルが「かわいいですね」と言われて、「そんなことないですよ」や「またまた」ではなく「ありがとうございます!」と答えているようなもの。同様に「僕としたことが!」にも、「自分の力量なら本来はできたのに失敗した」というニュアンスがありますが、この「恐縮です」も、自分に相当自信がある人のみ使うことを許されたフレーズなのかもしれません。

7. 「よく言われます」で相手に付け入る隙を与えない!

立場など意に介さず容赦なく相手を追及し、怒らせることも少なくない右京。被疑者から「失礼だぞ!」「無礼なことを言うな!」と反撃を受けても、どこ吹く風とばかりにこう返す姿はよく見られます。一見、ますます火に油を注いでしまうように思えますが、実はすでに怒らせてしまっている相手に対しては有効な手段。最初から自分はそういう人間であると認めてしまうことで、相手を二の句が継げない状態に陥らせ、主導権を奪われずに話を進めることができるのです。思わぬ返しで相手をひるませ、反撃の芽を摘むのは、効果的な交渉術。右京の場合、そこまで計算に入れた上で慇懃無礼な言葉を選んでいるのかもしれません。

今夜9時放送の第18話「神隠しの山」では、強盗犯を追って山に入った右京がまさかの遭難!? 迷い込んだのは、“神隠しの山”と恐れられる秘境だった! 交渉術さえ使えない孤立無援の状況で、命を懸けた脱出劇が始まる! 今夜の放送を、ぜひお見逃しなく!

相棒シーズン14
第18話「神隠しの山」
ゲスト:升毅 山口果林
今夜9時!

<予告動画>

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【第14回】一度は食べてみたい!? 飲んでみたい! 相棒で印象に残る10食!

投稿日:2015年11月25日 18:12

『相棒』にまつわる知識や情報をテーマに沿ってお届け!
発信するのは、相棒フリークを自認するグループ“相棒ラボ”。
オフィシャルスタッフではないファンならではの愛ある切り口で作品の魅力をお伝えします!

【第14回】
一度は食べてみたい!? 飲んでみたい! 相棒で印象に残る10食!

ときに事件の核心に迫る重要な鍵として、時にキャラクターの魅力を深めるコミカルな要素として、劇中に登場してきた数々の食べ物や飲み物。中にはちょっぴり腰が引けてしまうようなメニューもありますが、今回は『相棒』の世界を彩ってきた、印象的な料理の世界にご案内いたします!

1. 『相棒』の代表料理といえばコレ!“美和子スペシャル”

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『相棒』と料理の関係を語る上で絶対に外せないのが、シーズン5第13話「Wの悲喜劇」(2007年1月17日放送)で登場した亀山美和子(鈴木砂羽)によるオリジナル料理“美和子スペシャル”。大根、タコの足、厚揚げなど、おでんっぽい具材を、ピンクにも薄紫色にも見える謎の汁で煮込んだ衝撃のメニュー。薫(寺脇康文)は言葉を失い、右京(水谷豊)は「複雑怪奇な味」と表現し、たまき(益戸育江)でさえ「微妙」の一言を発するのがやっとだった問題作です。ところが、なぜか角田課長(山西惇)だけは「かなりうまいぞこりゃ」と味に太鼓判。最終的には、亀山家のホームパーティーに招待された右京、たまき、角田らが、バージョンアップした“美和子スペシャル5”を食べさせられるのでした。しかし、最初は否定的だった右京も、最後は「癖になる」とつぶやいていることから、好みによっては意外といける味なのかも!? そんな賛否両論から約1年、シーズン6第10話「寝台特急カシオペア殺人事件!上野~札幌1200kmを走る豪華密室!犯人はこの中にいる!!」(2008年1月1日放送/2時間半スペシャル)では、“美和子スペシャルお雑煮バージョン”が登場! 色は相変わらずショッキングですが、作った当人である美和子は、「あ~おいしい」と至福の笑顔を見せます。実際においしいのか微妙なのか、謎は深まるばかり。

2. 宮部たまきが腕によりをかけたお重は“たまきスペシャル”

上記エピソードと対を為すようなサブタイトルも話題になったシーズン6第17話「新・Wの悲喜劇」(2008年3月5日放送)では、花の里初代女将の宮部たまき(益戸育江)特製のお重“たまきスペシャル”が登場! こちらは、三段の重箱におせち料理を思わせる豪華な料理をぎっしり詰め込んだ逸品。足を負傷して自宅で療養中の美和子に栄養をつけてもらおうと、たまきが腕によりをかけて作ったというもの。美和子スペシャルとは対照的に(!?)、『相棒』史上もっとも豪華で美味しそうな料理と言っても過言ではないでしょう。

3. 月本幸子は入院患者に“残酷な!?”差し入れを

いっぽう、花の里二代目女将の幸子(鈴木杏樹)も、怪我人に重箱の差し入れをしたことがありますが、そこはやはり“おっちょこちょいな女”。シーズン11第9話「森の中」(2012年12月12日放送)で重傷を負い、記憶喪失に陥って入院中だった享(成宮寛貴)の見舞いに来た幸子が、「カイトさんがお好きなものばかりです」と三段の重箱を病室で広げます。しかし、ほぼ寝たきり状態の享が食べられるはずもなく、「俺、まだ食事が…」と断ると、「じゃあ、においだけでも」と美味しそうな香りを手でパタパタ仰いで嗅がせるという暴挙に。この時の享にとっては、さぞ迷惑で残酷な差し入れだったことでしょう。

4. 二代目女将は創作料理もお得意!?

行動にトンチンカンなところがある幸子ですが、料理の腕前は花の里の女将になる前からプロ級。幸子が二代目女将になる経緯を描いたシーズン10第12話「つきすぎている女」(2012年1月18日放送)では、外食チェーン社長の専任家政婦として働いているときに、何気なく作って出した料理が店の新メニューとして採用されるというまさかの出来事が起こります。この時の料理は一瞬しか映りませんでしたが、牛肉とにんじんやじゃがいもを煮込んだビーフシチュー的なものでした。幸子は、花の里で出す和食のみならず、洋食の腕もなかなかのもののようです。

5. 右京が作ったしょうが焼き定食のお味は?

普段の暮らしぶりがほとんど明かされていない右京ですが、シーズン13第9話「サイドストーリー」(2014年12月17日放送)では、料理の腕を披露する一幕が。女性介護士が殺害された事件の手掛かりを得るために、彼女が残したレシピを参考に“しょうが焼き定食”を再現した右京。膳に並べられたのは、しょうが焼きのほか、大根やにんじんなどの煮物、カブの漬物、油揚げの味噌汁など、実に美味しそうな家庭料理。試食した享と角田も、「うまい!」と大絶賛していました。ただ、右京は「レシピ通りに作っただけですがねぇ」と謙遜。その後、右京の料理を口にした寝たきりの老婦人・佳枝(丘みつ子)は、「レシピ通りに作って何でもうまくなるんなら料理人はいらないんだよ」と否定的な発言をしますが、それは事件の核心に迫るある事情があってのこと。ちゃんとしたレシピさえあれば、右京ならどんなに手の込んだ料理でも作れてしまいそう。ちなみに、シーズン4第18話「節約殺人」(2006年2月22日放送)では、リンゴの皮むきで見事な包丁さばきも見せています。

6. 一杯のカクテルが事件の謎を解く鍵に

料理ばかりではなく、お酒が物語を彩った回も。シーズン1第7話「殺しのカクテル」(2002年11月20日放送)では、サブタイトルにもあるようにカクテルが事件の謎を解くキーアイテムになります。飲食店経営者の男性の他殺体が発見され、捜査に乗り出した右京。被害者の男性は、経営不振の店の関係者と揉めていたという情報があり、捜査一課ではその線を追う方針を固めますが、右京だけはなぜか捜査対象から外された好調の店のバーテンダー・三好(蟹江敬三)に目を向けます。この事件に、「亡き夫との思い出のカクテルを飲みたい」とロンドンからやってきた、美和子(鈴木砂羽)の叔母・アキコ(草村礼子)が絡みます。鍵を握るのは、アキコが「少し塩気があって、ミントの味が爽やかで」と評し、その味の思い出だけを頼りに探すカクテル。ほろ苦い結末が余韻を残す、味わい深い初期の名エピソードです。

7. フランス語で“相棒”を意味する高級ワインも

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シーズン5第9話「殺人ワインセラー」(2006年12月6日放送)では、「PARTENAIRE(パルトネール)」という、『相棒』の世界だけに存在する架空の高級ワインが登場しました。フランス語で「相棒」の意。英語の「PARTNER(パートナー)」にあたります。産地はフランスのボルドー・ポムロール地区で、品種はメルローという設定。その中でも1986年もののパルトネールは大当たりの年で、最高級ビンテージ。同じパルとネールでも1987年もの(写真)が何十本も買えるお値段。その味は、ワイン評論家でソムリエの藤巻(佐野史郎)曰く「ベルベットな口当たりで、上質のトリュフの香り」なのだとか。最後に「おいしいー、これは本当においしー」と言っていた藤巻の表情がとても印象的でした。ワインに関するうんちくもふんだんに盛り込まれている洗練された一作です。
また、このパルトネールは、『相棒-劇場版II-』にも登場します。剣道の稽古で大河内(神保悟志)を負かした尊(及川光博)がプレゼントしてもらうという設定で出てくるのですが、尊が受け取った直後にエレベーター内で警視庁人質籠城事件の関係者である朝比奈圭子(小西真奈美)と八重樫哲也(小澤征悦)が揉めているところに遭遇し、ワインボトルを落として割ってしまうという悲劇が。シーズン8第19話「神の憂鬱」(2010年3月10日放送/2時間スペシャル)でもパルトネールがチラリと登場。尊と大河内行きつけのワインバーにもパルトネールは置いてあるようで、尊が「パルトネールありますよ。結構安いし」と大河内に薦めるという一幕が描かれました。

8. ときには料理そのものが凶器に!?

美味しそうな料理や飲み物を続けて紹介してきましたが、『相棒』の世界では、そんな絶品料理そのものが事件の凶器として使われたことも。シーズン2第3話「殺人晩餐会」(2003年10月29日放送)の舞台は、大雨による土砂崩れで孤立した山奥のオーベルジュ(宿泊できるレストラン)。客として訪れていた右京や薫は、そこで不可解な殺人事件に遭遇します。生け花の次期家元をめぐって争っている4人の男女の内の1人が、刺殺体で発見される事件が発生。犯人はオーベルジュ内の誰かであることは間違いないものの、肝心の凶器が見つかりません。右京は、意外にも鋭い薫の味覚をヒントに、驚くべき真実を解き明かしていきます。“嵐の山荘もの”としても見応えのあるエピソードで、12年前の作品ながら相棒ファンのみなさんからは今なお人気の高い作品のひとつです。
また、この料理はホテル椿山荘東京で開催された体感捜査イベント「相棒 解(kai)」でも振る舞われました。

9. 花の里では陣川のための失恋記念料理(!?)が定番に

毎回のように失恋しては花の里で酔っ払ってくだを巻く陣川(原田龍二)ですが、その傷ついた心に塩を塗るような料理が出されるのも、もはやお約束のひとつ。シーズン9第5話「運命の女性」(2010年11月24日放送)では、イタリア料理店で働く奈緒(京野ことみ)にふられて落ち込む陣川(原田龍二)に追い打ちを掛けるかのごとく、たまきが花の里で普段は出てこない和風ピザをあえて出します。また、シーズン10第17話「陣川、父親になる」(2012年2月29日放送)では、妊婦の由香利(松本莉緒)にふられた陣川に対して、今度は幸子が“子持ちシシャモ”を出します。たまきと幸子は詳しい事情を知らないだけで、決して悪気はないのですが、陣川は毎回ダメージを受け、ますます落ち込むというお約束が笑いを誘います。

10. 片山雛子(木村佳乃)はチョコレートが大好物

シーズン13第18話「苦い水」(2015年3月11日放送)では、チョコレートが事件解決の鍵を握っていました。遺体で発見された左官工・饗庭(伊嵜充則)は、検死の結果、チョコレートに付着していたアーモンドの粉によるアナフィラキシーショック(急激なアレルギー反応)で死亡したことが分かります。その遺体の第一発見者が、女性初の総理大臣になるとも噂されている片山雛子。実は雛子はチョコレートが大好きで、政務の合間に一人で専門店に足を運び、リフレッシュしているという意外な一面が明らかに。そして、右京と雛子の息詰まる駆け引きが、チョコレートを挟んで繰り広げられました。ちなみに、サブタイトルの「苦い水」は、劇中で右京がうんちくを傾けていた通り、チョコレートの語源といわれるメキシコ原住民の「ショコラトール=苦い水」からきています。

今回は、料理やお酒をテーマにおおくりしましたが、今夜9時からの相棒 第6話「はつ恋」はワイン片手にみなさんの初恋を思い出しながらご覧になるのもいいかもしれませんね。

 

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