埼玉・行田市
~心つなぐ 親父の手打ちそば~
舞台は埼玉県行田市。蕎麦打ちの趣味が高じてお蕎麦屋さんを開いた⻆張憲秀さん(52歳)と妻の美智代さん(55歳)が主人公です。
東京都府中市出身の憲秀さんは、長年、土木関係の仕事をしていました。基本、雨が降ると仕事がないため、無趣味だった憲秀さんは、朝からお酒を飲むこともあり、つまらなそうに休みを過ごしていたといいます。そんな姿を見ていた美智代さんは、ある日、近所で蕎麦教室が開かれることを知り、ダメ元で憲秀さんを誘ってみました。すると意外にも「楽しそう!」と憲秀さんは誘いにのり、夫婦で初めて蕎麦打ち教室に参加。すると憲秀さんは一発で蕎麦打ちにハマってしまったのです。やる気に火が付いた憲秀さんは、蕎麦教室から帰るとすぐに初心者用の蕎麦打ちセットを購入。届いたその日に蕎麦を打ってみました。しかし、最初から上手くはいかず、長さもバラバラ。そこから憲秀さんは職人魂を発揮!時間があれば蕎麦を打つようになりました。やがて独学で技術を習得し、メキメキと腕を上げていった憲秀さん。その姿を見ていた美智代さんは、思わず「蕎麦屋やっちゃえば?」と声をかけました。この一言が憲秀さんの心を大きく揺さぶることに。「たった一度の人生、やらないで後悔したくない。やって後悔したい!」。憲秀さんは蕎麦教室に行った日から一年後、「独学で磨いた蕎麦打ちの腕を試してみたい!」と、美智代さんと一緒に店を開くことを決意しました。そして、新たな土地で新たな一歩を踏み出そうと住んでいた川越市を起点に、自宅兼店舗にする物件を探し始めます。そして、巡り会ったのが元々お寿司屋さんだった行田市の建物で、憲秀さんは一目で気に入り即決。カウンター席だった場所に蕎麦打ち部屋をつくるなど改装します。こうして2024年11月、憲秀さんは土木会社を退職。ひと月後の12月に『石臼挽手打蕎麦 みのり』をオープンしました。
蕎麦打ち教室がきっかけで蕎麦に魅せられ、土木業から蕎麦職人に転身した憲秀さん。そして、支える妻・美智代さんと娘・心穏さん。美味しい蕎麦を届けようと奮闘する家族の姿と応援する仲間たちとの心温まる交流を紹介します。
お店の自慢は「挽きたて、打ちたて、茹でたて」の「三たて」のお蕎麦。定番の「もり蕎麦」は、繋ぎが1の九割蕎麦。つゆは出汁醤油の他に、香ばしいクルミと、大根のしぼり汁でも味わうことができます。さらに、殻付きのまま挽いた1日10食限定の「十割蕎麦」もあります。十割は太麺仕上げで、しっかりとした食感と香りも豊かで大人気です
定休日、お2人が買い出しに向かったのは、昭和22年の創業以来、手作りの味が評判の『かどや豆腐店』。ここで「大判きつね蕎麦」に使う大きなお揚げを特別にお願いしています。出汁をたっぷり吸った、肉厚で柔らかい味わいで、蕎麦が見えなくなるほどの大きさのため、下から蕎麦を掘り出し啜る、人気メニューの1つです。
閉店間際、大切なお客様が来店しました。お店を始めるにあたり、「石臼」や「こね鉢」など道具一式を譲ってくださった恩人・柳井さんです。「柳井さんと出会ってなかったらオープンしていない」と語る憲秀さん。完成までに苦心した「つゆ」も何度も味見していただきました。柳井さんも同じく脱サラでお蕎麦屋さんになったので、気持ちがわかるからこそ憲秀さんを応援してくれています。いつもありがとうございます!
この日、閉店後の店内で秋の新メニューの試食会です。美智代さん考案、トマトを使ったぶっかけ蕎麦です。長女・心穏さんは蕎麦に厳しく、はっきりと感想を伝えてくれる、ご夫婦にとって頼もしい存在。早速試食をしてみると・・・「コクを足すために揚げ玉を入れたらどう?」と提案が。揚げ玉にシソを加え「トマしそたぬきぶっかけ」が完成です。3人でまた新しい味を生み出せました。

石臼挽手打蕎麦 みのり
⻆張さんご家族が営む蕎麦店。
予約は受け付けておりません。
詳細はSNSをご確認ください
営業時間:午前11時~午後3時
※土・日曜は午後5時~午後8時も営業
定休日:木・金曜
十割蕎麦 1,300円
大判きつね蕎麦 1,300円
みのりセット 2,250円



