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2026年7月18日文月の参

福岡・福智町
~昭和レトロ楽しむ 古道具カフェ~

舞台は福岡県田川郡福智町。主人公の持丸冴絵さん(49歳)は、古くて懐かしい物…中でもとりわけ“昭和レトロ”が大好き。夫の達也さん(49歳)と共通である古道具収集の趣味が高じて、昭和に建てられた民家まで購入!その家をコツコツリフォームして1年前に始めたのが『想い堂』です。「クリームソーダ」や「プリンアラモード」など昭和の喫茶店をイメージしたメニューに加え、店の一室では集めた古道具をずらりと並べて販売を行っています。昭和のあの頃に使っていた、花柄のコップに、ホーロー鍋、レトロなランプシェードなど、どれも懐かしいと大人気です。
愛知県に生まれ、福智町(旧方城町)で育った冴絵さんは、優しくて面倒見のいい4姉妹の長女でした。中学に入学すると、同級生の達也さんに一目惚れし、中学2年で告白、交際をスタートさせます。毎日一緒に下校するほど仲良しだったお2人。卒業後も変わらぬ付き合いが続き、子ども好きな冴絵さんは夢だった保育士に、達也さんは自動車整備の仕事に就きました。22歳で2人は結婚、長女と長男、2人の子どもが誕生します。休日に夫婦が好んで出かけたのは、寺院や文化財などの古い建物。元々車や古着などレトロ好きだった2人は、歴史ある空間に心を魅かれたといいます。そんな中、達也さんは冴絵さんの父から水道整備の技術を学び独立。その後、冴絵さんは18年勤めた保育士を退職し、達也さんの仕事を手伝うことに。泥にまみれながら夫婦で現場に通う日々。そんな中、古民家の解体現場に出向くこともあり、建具や家具、道具類をもらって帰るうちに古道具収集が趣味となっていきます。夫婦で蚤の市や骨董店を巡っては古い家具や雑貨を買い集め、気付けば家の中は古道具だらけになっていました。人生を大きく変えたのは、たまたま水道設備の仕事で訪れた家の方から、隣の身内の空き家を紹介されたこと。昭和26年に建てられた木造の家で古い柱や玄関、天井などの懐かしい造りに一目惚れします。家を購入することになり、仕事終わりや休日に通っては夫婦で傷んだ壁や床を修繕。近代的なアルミサッシを木製の建具に換えるなど1年半に及ぶ改修を経て、去年4月に古道具カフェ『想い堂』をオープンしました。
店内のインテリアは冴絵さんが蚤の市などで「これかわいい!」と直感で仕入れた建具や家具、置物など。また、一室は食器や古道具の販売コーナーになっており、かわいらしい食器や鍋、ランプなどがずらりと並びます。蚤の市で購入後、綺麗に手入れをしてから冴絵さんがレイアウトを考え展示販売。もちろん食事メニューもザ・昭和!手作りプリンとフルーツ、アイスが豪華に盛り付けられた「プリンアラモード」が好評です。そんな昭和レトロスイーツを作っているのは、平成生まれで高校時代に製菓を学んだ、娘の咲想(さらん)さん。そしてレジや盛り付けが妹の愛可さん、母のふさ子さんは皿洗い担当し、親子3世代でにぎやかにお店を切り盛りしています。
昭和レトロの魅力を伝える古道具カフェを始めた冴絵さん。夫の達也さんと家族の全面サポートを受けて、常連客や同級生などが集う店は大盛況です。

築75年の建物で味わえる『想い堂』のメニューは、懐かしい“昭和の喫茶店”のようなラインナップを意識したという冴絵さん。娘の咲想(さらん)さんが手がけるメニューの中でも人気なのが、福智町で採れたレモン果汁、クリームチーズと生クリームで仕上げた「チーズケーキ」。甘さを極力控えた、さっぱり味です。冴絵さんのコレクションであるレトロな花柄のお皿に盛ってお出しします。軽食の定番は「トーストセット」。サラダにゆでたまご、炒めたソーセージに、地元の美味しいパン屋さんから仕入れる“湯ごね食パン”のトーストはもっちもちの食感です。昭和世代は「子どもの頃食べたなぁ」とみなさん懐かしさに感動!そして、若い世代はどうかというと…「かわいい!」「逆に新しい」と大絶賛で、沢山写真に収めて楽しんでいました。昭和レトロなメニューは、全世代に大好評なんですね。

まるで昭和の時代にタイムスリップしたような気分になれる『想い堂』。一番の目玉は冴絵さん自慢の古道具の販売コーナー。ラインナップは多岐にわたり、木製の「小引き出し」やアンティークな椅子、文机などの家具から、ガラスでできたレトロなランプシェードやテーブルランプ。また、置物系では縁起物の福助人形や木彫りの熊なども様々な表情のものが並びます。中でも冴絵さんがこだわっているのが、レトロな花柄のホーロー鍋や食器などの「花柄シリーズ」。みなさん「懐かしいくてたまらない!」と絶賛する品物が並びます。冴絵さんと夫の達也さんが蚤の市で仕入れたり、知人から譲り受けたりした家具や食器などの古道具は、洗浄したり磨いたりと丁寧にメンテナンス。あえて昔のキズなどの味は残したまま蘇らせ、このカフェで新たな持ち主との出会いを待ちます。「きれいにして、誰かにかわいいと思ってもらえれば」と冴絵さん。持ち主の想いをつなげる『想い堂』でもあるんです。

『想い堂』は、元々カフェの隣に暮らしている香月房子さんの親戚が建てたお宅。房子さんは、ご夫婦が購入できるよう尽力してくれました。家を建てた親戚はずいぶん前に亡くなりましたが、建物をとても大切にしていたそうです。「亡くなったおいちゃんは屋根の上であぐらをかいて、『よかったよかった』っち言いようと思う」と房子さん。房子さんの娘さん達もお店の超常連として通ってくれます。子どもの頃には、この叔父さんの家によく遊びに来ていたそうで「ここに掘りごたつがあって座ってすき焼きを食べた」とか「この棚の中におやつが隠してあって、出して食べたのが嬉しかった」など、思い出を語ってくれました。建築当初からの名残も残しつつ、この建物との大切な記憶を受け継ぎたいというのも冴絵さんの強い思いなんです。

この日は、お店に冴絵さんの家族や親戚の皆さんが集まりました。最近、閉店間際になるとこうして集結し、お店がうまくいっているか、お客さんは入っているのかと心配して顔を出してくれるんです。それが気付けば親戚の集まりに…。「この場所が出来て、みんなが集まる機会が増えて嬉しい」と皆さんは語ります。そんな中、母・ふさ子さんが突然涙を流し始め、みんなに「どうした?」と聞かれると「みんなに会えて嬉しい」と嬉しくて涙が出て来たことを語ってくれました。これまでは冴絵さんや娘の咲想さん、妹・愛可さんを始めとした3人の妹たちとその子どもたちは、それぞれが忙しく働いてきたため、なかなか集う機会がなかったんです。なので、『想い堂』が家族の癒しの場所にもなっていたのです。これからも家族3代で力を合わせ、昭和レトロの魅力を沢山の人に伝えていってくださいね。

楽園通信

想い堂

冴絵さんと家族が営む古道具カフェ。
昭和レトロな雰囲気を味わうことができます。
詳細はSNSをご確認ください。

営業時間 午前11時~午後6時
定休日 日・月曜(不定休あり)
想い堂セット 900円
トーストプレート(サラダ付き) 850円
※1名につきワンドリンク制です
※駐車場の都合上、お車の乗り合わせにご協力お願いいたします