山口・柳井市 平郡島
~おかえり!ふるさとの島宿~
舞台は山口県柳井市の平郡島。夫婦ともに、15歳で巣立った故郷の平郡島に戻り、民宿と食堂を開いた宮本佐代子さん(68歳)と忠弘さん(73歳)が主人公です。
平郡島出身の佐代子さん。島には中学校までしかなく15歳で親元を離れ、本州の高校へ。広島の大学を卒業すると保育士の道を選びます。22歳の時、同じ平郡島出身で溶接関連の仕事していた忠弘さんとお見合い結婚。神奈川県で新婚生活を始め、3人の子どもが生まれました。笑いの絶えない毎日でしたが、都会の生活は、どこかしっくりこなかったというお2人。心に蘇ってきたのは、島の温かさでした。「いつかは島に帰りたい」と思い描きますが、島には働く場所がありません。そこで、ご夫婦は平郡島に近い山口県光市に移住。佐代子さんは保育園の給食調理の仕事に就きます。お盆やお正月など、休みがあればフェリーで里帰りするのが楽しみな日々。しかし59歳の時…たまたま受けた人間ドックで「甲状腺ガン」と診断されたのです。手術が無事成功すると佐代子さんは「島に戻るなら今しかない!そして戻るなら島の魅力を伝えよう!」と思い立ちます。この思いを打ち明けると、夫の忠弘さんも大賛成。60歳で定年を迎えたのち、佐代子さんは45年ぶり、忠弘さんは50年ぶりに故郷に戻り、空き家だった親戚の家をリフォーム。2020年に『民宿 夕凪』をオープンしました。
病を乗り越え、大好きな故郷の魅力を伝えようと民宿と食堂を始めたご夫婦。『民宿 夕凪』は、島の人々が集い、憩いの場所としても愛されています。愛らしいツバメのように仲良しなご夫婦と、共に支え合いながら暮らすご家族や、島の仲間たちとの心温まる交流を紹介します。
宿の客室は二間続きで最大6人まで泊まることが出来ます。『民宿 夕凪』は島唯一の食堂で、佐代子さんが腕をふるう、日替わりの家庭の味が自慢です。釣り好きの忠弘さんが釣り上げた新鮮なお魚や、島の恵みを生かした料理で、島民や島を訪れた人たちをもてなしています。
この日、佐代子さんは宿の近くにあるご実家へ。この季節のお楽しみである「キンカン」を収穫し、砂糖で煮ると…昔から変わらない定番のおやつが完成しました。昔は高校進学のために島を出なければならず、佐代子さんが島を巣立つ時も「涙が出るくらい寂しかった」という母・悦子さん。娘が帰ってきて「とっても嬉しい」と語ります。45年ぶりに帰ってきた佐代子さんにとって、家族と過ごす瞬間も大切な時間です。
現在、島の小学校に通っている児童はたった2人の兄弟。普段は、昼休みに自宅に戻って食事をしています。その姿を見て、佐代子さんは「学校給食のような料理を食べさせてあげたい」と思ったといいます。かつて給食の調理員をしていた佐代子さん。山口県の学校給食で大人気だという「チキンチキンごぼう」をメニューに選びました。子どもたちも「美味しい!」と大喜び。佐代子さんにとっても、子どもたちにとっても、楽しい思い出になりました。
この日は、忠弘さんの誕生日。海外の和食レストランで腕をふるった元料理人の卜部さんのお宅で特別ディナーをいただきました。卜部さんが釣り上げた真鯛の塩焼きに添えられていたのは黒いソース!その正体は…平郡島でよく食べられている「ひじき」なんです。お2人も大満足の誕生日になりました。「食を通じて恩返ししたい」という佐代子さん。これからも故郷の魅力を発信し続けてください!

民宿 夕凪
宮本さんご夫婦が営む民宿と食堂。
島の食材を使った家庭料理が自慢です。
詳細は平郡島HPをご確認ください。
【食堂】(要予約)
定休日:日・月曜 不定休あり
営業時間:午前10時~午後2時
1泊2食付き 1人9,000円
日替わり定食 1,000円



