岩手・大船渡市
~笑顔の一杯 三陸ふるさとラーメン~
舞台は岩手県大船渡市。東日本大震災から15年、力強く復興の歩みを進める故郷・岩手を元気にしようとラーメン店を始めた白川里奈さん(48歳)が主人公です。
3人兄妹の末っ子として岩手県釜石市で生まれ育った里奈さん。テレビや雑誌で見た東京に憧れ、高校卒業後は東京の専門学校に入学。広告やパッケージデザインの仕事に就きました。20歳の時、北海道出身で建設業をしていた辰也さんと出会い25歳で結婚。夫婦ともに仕事をしながら東京での生活を謳歌していました。そんな里奈さんに転機が訪れたのは15年前。故郷を襲った東日本大震災でした。製麺所を営んでいた家族は幸い無事で、工場にあった麺で炊き出しをしていたといいます。里奈さんも「故郷のために自分も力になりたい」と思いを馳せるものの、東京で子育てに追われ、孫の顔を見せに帰省するのが精一杯でした。それでも帰省する度に故郷が復興する姿を見守っていた里奈さん。ある時、地元住民が沈んだ声でつぶやきました。「震災前にあった店も、ほとんど無くなってしまい、何もない…」それを聞いた里奈さん、ある思いが芽生えました。「震災直後、両親が炊き出しをした時のように、実家の麺を使い自分にも何かできないか。みんなを笑顔に出来ないか」と。そんな思いを抱き始めたある時、家族で出掛けた大船渡市で高台に建つ一軒の空き家を目にします。その空き家は以前、食堂をしていたという建物でした。それを知った里奈さんは、「これだ!ここで店を始めよう!」と決意。夫・辰也さんに相談すると「やりたいことをした方がいい、子どもたちが暮らす環境としてもいい」と賛成します。こうして2023年8月、里奈さんは2人の子どもと岩手にUターン。両親の協力を得て同年12月、大船渡市の海を望む場所で『休み処 かわ喜』をオープンしました。
東日本大震災を乗り越え故郷を元気にしようとラーメン店を始めた里奈さんと応援する家族の姿。そして、同じく震災後、帰郷し共に頑張る仲間たちや地元住民との心温まる交流を紹介します。
『休み処 かわ喜』は里奈さんと父・實さんの2人で切り盛りしています。人気のメニューは、昔ながらのあっさりとした醤油味の「釜石ラーメン」。スープは父・實さんが、かつて麺の実演販売をするために研究を重ね作り出した味。また、里奈さんが調達した三陸の魚介がたっぷり乗った「崎浜磯ラーメン」も好評です。魚介を分けてもらっている地元漁師さんも週に1度は様子を見に来てくれるんです!
みんなに愛されている『休み処 かわ喜』です。
この日、里奈さんがラーメンに使うワカメを購入しに漁師の中野圭さんの元を訪ねました。中野さんも東京で仕事をしていましたが、震災後に故郷に帰り家業を継いだ一人です。中野さんのように頑張っている仲間がいるから、里奈さんも頑張れるんです。みんなで故郷を盛り立てています!
閉店後、厨房に父・實さんと辰也さんの姿がありました。「いずれは夫婦で店が出来るように」と實さんが辰也さんにラーメンの作り方を教えていたのです。そして、辰也さんが初めて作ったラーメンを食べて、「旨い!」と里奈さん。父・實さんは「うん」の一言・・・。これは實さんなりの「旨い!」のサインです!
東京での仕事が落ち着いたら辰也さんも岩手に移住してくる予定。でもそれは、もう少し先のようです。「今が正念場、それぞれ頑張ろう」と決意を新たにする里奈さん、辰也さんです。
お店に里奈さんの母・秀子さんと地元の友人家族が集まりバーベキュー大会です。すると、長男・太尊さんからある報告が・・・。それは「陸上記録会で100メートル走の自己ベストを出した!」という嬉しい報告でした。里奈さんと辰也さんは大喜び!集まった友人たちも自分のことのように喜んでくれました!今はみんな家族のような存在です。一度は故郷を離れた里奈さんですが、「改めて岩手に帰って来て良かった」と笑顔で話してくれました。里奈さん、これからも故郷の味、一杯のラーメンでみんなの心を温めてください。

休み処 かわ喜
白川さんご家族が営むお店です。
ラーメンの他に蕎麦、うどんもあります。
定休日:月・火・水曜(不定休あり)
営業時間:午前11時~午後3時
※詳細はSNSをご確認ください。
釜石ラーメン 600円
崎浜磯ラーメン 850円
※ラーメンは1日50食



