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2026年3月21日弥生の参

富山・立山町
~絶景の里 笑顔集う薬膳カフェ~

今回の舞台は富山県中新川郡立山町。「立山連峰を望む暮らしがしたい」と富山県立山町に移住し、薬膳カフェを営む主人公・鈴木由香利さん(52歳)が主人公です。
愛知県一宮市出身の由香利さん。18歳で名古屋市の舞台照明の会社に就職しました。満員電車での通勤を経験し、「このストレスを何かで発散したい!」と最初のボーナスでマウンテンバイクを購入。休暇を取り、自転車で福井県の東尋坊へ旅に出かけました。その後、すっかり自転車に魅了された由香利さんは会社を辞め、宿で働いては日本中を旅してまわる生活に。自然や旅先での出会いから沢山の感動をもらったといいます。そして、由香利さんの旅先は次第に日本国内から海外へ…。世界を巡る中、山を見ながら暮らすことに憧れを抱くようになっていきました。しかし38歳で結婚後、旅中心の生活に終止符を打つことに。この頃から薬膳料理を学びはじめ、自分の店を持ちたいと思うようになりました。後に離婚を経験した由香利さん。ある時、友人と富山県を旅したことで、人生の転機が訪れました。当日は曇って見えなかった立山連峰の美しい写真に、「こんなの見えるんだ!」と衝撃を受けたのです。そして、「ここに移住したら、この景色を見ながら生活することができるんだ」と憧れを抱いた由香利さんは、地域おこし協力隊員として立山町へ移住。ハーブ栽培など農業をしながら薬膳のお店を持つ道を模索していました。すると住まいの近くの「釜ヶ渕地区」で地域活性化事業が立ち上がり、そのメンバーとなります。活動拠点として『釜ノ蔵』を作る際、飲食店があった方がいいという意見が出る中、由香利さんが「私がやります!」と手をあげ、2023年『釜カフェ薬膳 やわやわや』を開きました。店名の『やわやわや』は、富山の方言で「ゆっくり、のんびり」を意味する「やわやわ」という言葉に由来していて、その名の通り、ゆったりとくつろげるお店です。
「体に優しい料理でみんなを笑顔にしたい」という想いで始めた『釜カフェ薬膳 やわやわや』。看板メニューで、注文を受けてから炊き上げる「釜炊きごはんセット」やスパイスのきいた「薬膳カレー」など、季節の野菜をたっぷり使った料理をお出しします。さらに、店内では隣り合ったお客さん同士に自然と会話が生まれ、「やわやわ」とした穏やかな空気が流れています。地域のためひたむきに頑張る由香利さんを支えるのが、地元のお母さんたち。差し入れをしてくれたり、仕事を手伝ったりと、何かと力になってくれます。涙もろい由香利さんは、「ありがたい」と、いつも「ジーン」としちゃうんです。素敵な仲間たちとこれからもこの地で、頑張って下さいね!

予約制のランチでは、季節の野菜をたっぷり使った体に優しいごはんを提供する『釜カフェ薬膳 やわやわや』。看板メニューが、様々な具材と共に炊き上げる「釜炊きごはん」。仲間が栽培した立山産の美味しいお米に具材を合わせ、お客さんが席についてから炊き上げます。中でも「鮭ときのこの炊き込みごはん」は、6種類のキノコから出る香り高いダシと鮭の上品な脂がお米にしみこんでいてたまらない美味しさ。また、蒸した豚肉とモヤシを、キムチと特製ダレとともにレタスで包んで味わう「せいろ蒸し」や、タマネギやトマトピューレをじっくり炒め、合いびき肉とみじん切りのきのこをふんだんに加えた「薬膳キーマカレー」なども人気です。地域のお母さん方は「こんな近くで美味しい釜めしが食べられるなんて、こんなに幸せなことはないよ!」と、大絶賛。この味を求め、地元の方だけではなく遠方からわざわざやって来るお客さんもいらっしゃいます。

午前11時、『釜カフェ薬膳 やわやわや』がオープンすると、とたんにお店は大賑わい。予約制のランチを食べに、多くのご近所さんが来店します。「それ何食べてるの?」「美味しいよ、食べてみる?」と、偶然居合わせた同士が仲良くおしゃべりする光景も、『やわやわや』ならでは。町おこしグループの仲間が「つぼ焼き芋」を焼いたり、ギターを片手に来店したお客様の弾き語りライブが突然始まったり…。由香利さんの料理を中心に、みんながアイデアを持ち寄り、思い思いに楽しんでいます。さらに、「子どもたちも楽しめる場所にしたい」という『釜の蔵』メンバーの想いから、一角に設けられたのが駄菓子コーナー。地元の子どもたちがやって来るとお菓子を選び、自分で計算して料金ボックスに小銭を入れて帰ります。これは厨房での調理に追われる由香利さんのために考えられたアイデアです。様々な世代がやわやわと集う、素敵な場所になりました。

実は由香利さん、移住の翌年から自宅で民泊も始めていました。かつて国内、そして世界中を旅し、「いつか自分も旅人を迎えたいなぁ」と密かに思っていた由香利さん。たまたま、借りた家がなんと7DKという広さで自宅から立山連峰が一望できる環境だったため、「自分一人だけで満足していてはもったいない!」と民泊をすることにしたんです。この日の宿泊客は、近所の重鎮たち。冬は観光客の少ないオフシーズンなので、ご近所の方が宴会を開催する目的で利用してくれているんです。今夜のメニューは、氷見牛のすき焼きと、富山湾が誇る新鮮な海の幸。お仲間の1人がお誕生日会ということで、みんなでワイワイ調理しながら、ご馳走がずらりと並びます。民泊なので、由香利さんもおしゃべりしながら一緒に料理や宴を楽しみます。「由香利さんが立山に来てくれて本当に感謝している。」と話す重鎮たち。これからも「やわやわ」と、カフェに民宿にと、幸せをつなげていってくださいね。

由香利さんの姿は、カフェの常連で町おこしの仲間でもある料理名人・松本さんのお宅にありました。郷土料理を教わりに来たんです。この日作ったのは、「べっこう」。醤油・砂糖で味付けしただし汁に、たまごを流しいれて寒天でかためた、べっこうのような模様が美しいおやつです。さらに、豆や根菜類、銀杏などを煮込んだ「のっぺい汁」も作りました。珍しい富山の郷土料理に、由香利さんは「美味しい!」と笑顔を見せます。移住以来、松本さんは由香利さんに料理や富山弁の指導など、何かと力になってくれていました。実はその理由は「早く立山になじめるようにと思って教えていた。由香利さんを娘のように思っている」と、松本さんの本音を初めて知り、感動のあまりぽろりと涙を流す由香利さん。「本当にあたたかい人々に囲まれて暮らしているんだなぁ」と、改めて感謝し、ご恩を返していければと感じたそうです。

楽園通信

釜カフェ薬膳 やわやわや

コミュニティスペース『釜ノ蔵』内にある、由香利さんの営むカフェ。体に優しい薬膳料理を楽しむことができます。
ランチは2日前までの予約制ですので、ご注意ください。

営業日 金・土・日曜
午前11時~午後4時
釜炊きごはんセット 1,300円~
薬膳カレーセット 1,400円