滋賀・野洲市編
~30年越しの夢 お父さんのケーキ店~
今回の舞台は滋賀県野洲市。「バースデーケーキ」の思い出が原体験となって54歳でケーキ屋さんを開いた今村晋一さん(56歳)と妻の尚美さん(51歳)が主人公です。
大阪府の郊外で生まれ、滋賀県近江八幡市で育った晋一さん。高校卒業後、ケーキ職人になるため大阪の専門学校に入学します。卒業後は神戸の洋菓子店に就職し、20歳から修業を始めました。朝から晩までのハードワークで3年半働きましたが、忙しさから心が折れてしまい、ケーキ職人になる夢を挫折。滋賀の実家に戻り、地元のプラスチック部品を作る工場に転職し、サラリーマンとして再出発しました。その後、知人の紹介で知り合った京都市出身の尚美さんと31歳で結婚。2人の子どもが生まれ、36歳で野洲市にマイホームを建てるなど円満な生活を送っていました。ケーキ職人になる夢は諦めましたが、子どもが生まれてからは誕生日やクリスマスなど家族のイベントでは必ずケーキを作っていたという晋一さん。そのケーキは家族、そして知人からも美味しいと評判でした。ところが、53歳になった頃、会社の健康診断で「緑内障」が見つかります。見えにくいと思いつつも、長年、眼鏡をかける生活をしていたため病気に気づかなかったそうです。晋一さんは「緑内障」を機に、これまでの人生を見つめ直すことに。すると“父親やサラリーマンとしてはやり切った”と思えたのですが、唯一後悔していたことがあったのです。それは「ケーキ職人になる夢から逃げ出してしまった」ことでした。「もう一度チャレンジしてみたい!」こうして一念発起した晋一さんは、ケーキ職人になる夢を叶えるため、地元の創業塾に参加します。そして54歳のとき26年間勤めた会社を早期退職。妻、尚美さんの力を借りて、自宅近くに空き物件も見つけ、2024年、自分のイニシャル“晋一のS(エス)”を入れたケーキ店『パティスリー エスイチ』をオープンしました。
ケーキ屋さんになる夢を30年越しに叶えた晋一さんと支える尚美さん、そして素敵な家族と仲間たちとの温かい交流を紹介します。
お店の看板メニューは、苺のショート。晋一さんこだわりのピンク色をしたショートケーキは、お客様から「かわいい!」と評判です。チーズケーキは、バスクチーズの上にレアチーズをのせた2段重ね。美味しさも2倍です!そして、バースデーケーキお渡しするときが「最高の瞬間!」という晋一さん。晋一さんにとってバースデーケーキは心の中の宝物です。
この日は、ショートケーキに欠かせない苺の仕入れ。お店から車で5分ほどのイチゴ園に夫婦そろってやってきました。いちご農家の南出さんご夫婦は、子ども同士が同級生のパパ友、ママ友。ケーキ屋さんを開く前からのお付き合いです。南出さんご夫婦は、苺の良さを引き出してくれる晋一さんのケーキを「とても美味しい!」と応援してくれています。晋一さんのこだわりが詰まった「苺のショート」はお店の代名詞。その味を支えているのが、南出さんの「紅ほっぺ」なんです!
この日、25回目の結婚記念日を迎えたお2人。夕飯はホットプレートを家族で囲むお好み焼きパーティーです。お父さんそっくりの長男・友哉さんと次男・謡汰さんもお好み焼きは大好物です。そして記念日の恒例は晋一さんのケーキ。苺のお花が咲いたようなきれいでかわいいケーキに25年間の思いが込められています。「子どもたちのために作ったバースデーケーキが夢を取り戻すきっかけになった」と言う晋一さん。「ケーキ屋を始めて、子どもに背中を見せてあげられているのを感じた」という尚美さん。夫婦で、そして親子で、心に残る銀婚式のお祝いになりました。
晋一さんは厨房にこもり、シュークリーム作りに没頭していました。30年前、神様のような憧れだった師匠から教わった、特別なスイーツです。シュークリームを作るたびに思い出す、苦い思い出…晋一さんは店を逃げるようにして飛び出したけれど、今、ケーキ職人になれたことで、師匠に「ひと言、謝りたい」と言います。そしてこの日、思いを込めて作ったシュークリームを携えて、晋一さんはついに師匠のもとへ。ケーキの道を究めた師匠は今、芦屋にプリン専門店を構えています。2人はあの日以来、30年ぶりの対面。晋一さんは心の奥に仕舞いこんでいた後悔の念を打ち明けました。そして師匠は、シュークリームから伝わる弟子、晋一さんの30年分の思いを受け取りました。「当時のシュークリームを再現してくれているのはすごくうれしい。これからも頑張って!」と師匠は笑顔で労いの言葉をかけてくれました。晋一さん、これからも誰かの笑顔のために、ケーキを作り続けてください!夫婦仲良く、いつまでもお元気で!応援しています!

パティスリー エスイチ
主人公の今村さんご夫婦が営むケーキ店です。
定休日:火曜(水曜は不定休)
営業時間:午前11時~午後7時
日曜のみ午後6時まで(無くなり次第終了)
※詳細はSNSをご確認ください
苺のショート(~5月末) 766円
シュークリーム 388円

いちご園 フェリーチェ
今村さんがケーキに使うイチゴを仕入れている、いちご農園です。
営業日:5月末頃まで
時間:午前10時~無くなり次第終了
※詳細はHPをご確認ください
いちご狩り 中学生以上:2,800円
幼児:1,400円



