愛媛・新居浜市編
~ドーナツがつなぐ 笑顔の輪~
今回の舞台は愛媛県新居浜市。自由に人生を謳歌する娘の姿に影響を受け、独学で大好物のドーナツ作りを研究。54歳で念願のドーナツ店をオープンさせた伊藤純子さん(55歳)と、夫の朋成さん(45歳)が主人公です。
新居浜市出身の純子さん。“自分の目の届く範囲で育てたい”という両親の教育方針によって、高校は新居浜市内の商業高校へ進学しました。卒業後は、在学中に取得した簿記や珠算の資格をいかして地元の信用金庫へ就職し、約3年勤務。その後、転職するも両親に言われた通り新居浜市から出ることはありませんでした。「親元を離れるには結婚するしかない」と24歳のときに結婚。翌年には娘のまいさんを出産し子育てに奮闘しますが、夫とは性格の不一致が原因で4年後に離婚しました。以後、娘・まいさんと2人での生活が始まります。純子さんは“娘には自分のように縛られた生活ではなく、自由に自分の人生を歩んでほしい”と仕事を掛け持ちし、身を粉にして働きました。おかげで、まいさんは県外の大学に進学、卒業後は東京に就職するなど何にも縛られず自分の好きな道を突き進むことができました。そんな中、自宅の修繕のためにやってきた業者の朋成さんと出会います。2人は意気投合し交際に発展。その後、娘・まいさんの結婚を見届け入籍しました。自分の道を進み続ける娘の姿と隣で支えてくれるパートナーの存在によって、純子さんの運命は大きく変わり始めます。“将来は朋成さんと2人でお店を開きたい”と思い描いていた純子さん。どうせやるなら自分の好きなものを販売したい!と思い浮かんだのは、物心がついた時から大好物だったドーナツでした。これまで両親の言いつけに反抗できず、言われるがままに歩んできた人生。50代になりようやく自分のやりたいことに挑戦しようと決意します。ここから、ドーナツ作りを独学で猛勉強し、2025年2月に『Die・Katze(ディー・カッツェ)』を開業しました。アンティーク雑貨が飾られた店内には、連日たくさんのお客様の姿が…。素材にこだわり、一つ一つ手作業で作られるドーナツは多くの人を魅了しています。
54歳で自分の好きなドーナツのお店を開業し、多くの人に幸せを届ける純子さんと、優しく支える朋成さんや家族の姿。そして、ドーナツを通してつながった素敵な仲間たちとの交流を紹介します。
『Die・Katze(ディー・カッツェ)』では、定番のフレーバーから日替わりまで約15種類のドーナツが店頭に並びます。その中でも純子さんが幼い頃から愛してやまないのが「イーストドーナツ」。生地の配合から味付けに至るまで、純子さんがこだわり抜いたお店の看板メニューです。甘さ控えめで、外はパリッと、中はふわもちの食感が大人気。小さなお子さんからご年配の方まで、純子さんが作るドーナツは笑顔の輪を広げています。
この日は、顔なじみの喫茶店が主催するマルシェに出店です。実は、お店のオープン前に初めてお客さんにドーナツを食べてもらったのがこのマルシェ。純子さんにとってとても大事な場所です。純子さんが愛情込めて一つ一つ丁寧に作ったドーナツは、どれも魅力的。待ちきれずにその場で食べるお客さんの姿も…。終始笑顔で接客する純子さんの姿は、とてもいきいきしています。この日も多くのお客さんが来店し、約400個のドーナツを販売しました。
夕食作りは、料理が好きだという朋成さんが担当しています。この日は夫婦揃って食事をしながら、ドーナツ店を始めてからの1年を振り返りました。「楽しいことがいっぱいあった」と話す純子さん。朋成さんも「いろんな経験ができた」といいます。ドーナツ店の開業という大きな一歩を踏み出した純子さんを隣で力強く支えている朋成さん。お2人ともとっても素敵な笑顔です。
この日、純子さんと朋成さんは地元の食材を使った春の新メニューの試作に取り掛かりました。使用する食材は、マルシェで知り合った曽根さん夫妻からいただいたビーツ。すりおろしたビーツをオールドファッションの生地に加えて揚げます。すると、綺麗なピンク色のドーナツが完成しました。「美味しいけれど、もう少し色を入れたいね」と話す純子さん。商品化を目指して、これからも試作を続けていきます。

doughnuts&coffee Die・Katze(ディー・カッツェ)
純子さんと朋成さんが営むドーナツ店です。
営業時間 午前11時~午後6時(売切れ次第終了)
定休日 火・水曜 他不定休
※詳しくはSNSをご確認ください
ドーナツ各種 250円~



