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2025年12月20日師走の参

福井・小浜市
~ふるさとの魅力再発見の宿 SP~

今回は冬の1時間スペシャル!福井県小浜市の里山と北海道羅臼町の漁師町で、ふるさとの魅力を再発見し、素敵な宿を始めた2組のご夫婦を紹介します。
最初の舞台は福井県小浜市。明治時代に建てられた実家を改装して宿を始めた小田伸子さん(66歳)と、夫の幸紀さん(67歳)が主人公です。
地元出身の伸子さんは都会に憧れ、18歳で東京の短大へ。結婚し2人の娘が誕生しましたが、後に離婚を経験。飲食店などで働き、娘たちを育て上げました。一方、鹿児島出身の幸紀さんは若くして妻を亡くし、シングルファーザーとして3人の子育てを頑張ってきました。しかし、長男も病で帰らぬ人に…。その後に出会った伸子さんは、「そうした彼の人生のすべてを受け入れたい」、そして幸紀さんも「明るい伸子さんと一緒がいい」と、7年前に2人は結婚。同時に伸子さんは両親のために頻繁に帰省するうち、改めて故郷・小浜市の里山の魅力に気づきます。そして幸紀さんと一緒にUターンすることにしました。家を改装中に現れた立派な梁や柱を見て「沢山の人に見せたい、宿を始めたい」と考えた伸子さん。92歳の父・正幸さん、93歳の母・道子さんとの里山暮らしをそのままお客さんに見てもらおうと決意します。そして去年、『古民家の宿 こはる』をオープンさせました。
宿の魅力は若狭牛や若狭かれい、自家製の米など地元食材を使った料理、そして元気な両親と触れ合えること。この両親との交流が好評を博して大ブレイク!伸子さんが「幸せじぃのいるお宿」とキャッチフレーズを付け、SNSで発信したことで「幸せじぃに会いたい!」と沢山のお客さんがやって来るようになったんです。これにはお父さんも「まさかこんなモテモテになるとは思わなかった」と大喜びです。

『古民家の宿 こはる』の建物は、明治時代の建築。「幸せじぃ」こと正幸さんも、伸子さんも、この家で生まれ育ちました。梁や柱はとても立派で、当時の大工さんたちの技が光ります。これらをみせる形でモダンにリフォームしました。母屋にダイニングルームがあり、隣接している建物に客室があります。こちら、昔は農機具小屋で伸子さんたち3人きょうだいの部屋でした。当時は暖房もなく寒い和室でしたが、フローリングで暖かく明るいゲストルームに生まれ変わらせました。窓からはのどかな里山の風景が望めます。客室は2部屋、週末のみの1日1組限定で4名までが宿泊でき、宿泊客がいない平日は1日1組のランチの営業もしています。宿の夕食もランチも、ご夫婦が地元ならではの食材を使ってふるまうコース料理。地元のブランド牛「若狭牛」を使って丁寧に作るローストビーフやステーキ、この時期は自家製の新米も登場。庭で採れる栗がたっぷり入った栗ご飯も絶品です!

到着した宿泊客は愛知県からいらっしゃった常連さん、浜島さんご夫婦。なんと今回
で4度目の宿泊です!母・道子さんも「いらっしゃいませ。こないだも来られたね」と笑顔で迎え、「幸せじぃ」こと父・正幸さんも、握手で大歓迎。再会を喜ぶ浜島さんご夫婦の姿に、満面の笑みを見せていました。そんな『古民家の宿 こはる』では、すっかり友人のように仲良くなったお客さんと伸子さん、幸紀さんご夫婦と「幸せじぃ」が共に盃を交わすのも良く見られる風景です。また朝食も、普通の宿とはちょっと違います。浜島さんご夫婦の隣のテーブルにいるのは伸子さんのご両親。朝ごはんをお客さんと一緒に食べているんです。娘夫婦が帰ってきて宿を始めたことを「毎日にぎやかで楽しい」と喜んでくれているご両親。そう、楽しいのが一番!それこそが長寿の秘訣かもしれません。そしてお客さん方にとっては新たな故郷が出来たような、帰ってきたくなる宿。これからもこの里山で故郷の魅力を沢山見つけていってください!

楽園通信

古民家の宿 こはる

小田伸子さんと幸紀さんご夫婦が営む、古民家の宿。1日1組限定で、ランチ営業もしています。

電話:090-4028-2782
ランチ営業時間:午前11時~午後3時 
定休日:月・土曜日

チェックイン午後3時 
チェックアウト午前11時

【宿泊プラン(1泊2食付き)】
若狭ステーキプラン 20,000円
【ランチメニュー】
時の香ランチ 4,800円

北海道・羅臼町
~ふるさとの魅力再発見の宿 SP~

次の舞台は北海道目梨郡羅臼町。世界自然遺産・知床半島を有する漁師町、「羅臼昆布」で知られます。主人公は昆布漁師の加瀬基敏さん(46歳)と、浜の仕事をする妻の里紗さん(44歳)。2人は、根室海峡を望む素泊まり宿『KOBUSTAY』を今年オープンさせたばかり。「昆布漁師が見る景色を沢山の人に見てもらいたい」と言います。
地元出身の基敏さんは、幼い頃から昆布漁師の父にあらゆる昆布の仕事について手ほどきを受けて育ちます。一方、里紗さんは札幌出身、東京の大学を卒業後に大阪で就職。そのうち北海道の食の魅力に気づき、やりたいことを探すうち、羅臼町の観光協会が事務局長を公募していることを知ります。「これだ!」と応募、里紗さんは25歳にしてその座を勝ち取りました。里紗さんは「羅臼と言えば漁業だ」と漁師の仕事場や、漁港を積極的に見学するうちに、基敏さんと出会い結婚。昆布漁師の家の一員となり、3人の娘の子育てに奮闘しつつも昆布の仕事をイチから学びました。6年前、基敏さんが、父・勝美さんから漁業権を受け継いだことで夫婦の代に。しかし里紗さんは「温暖化の影響なのか海の環境が少しずつ変化し、このまま昆布の仕事を続けていけるのか」と不安を抱きます。そして「他にも何か始めなきゃ」と、羅臼昆布の仕事や、魅力を伝える宿を開こうと決意したんです。昆布を干す「昆布浜」にあった漁師小屋を解体し、1階が作業場兼レクチャールーム、2階が客室となった建物を新築。今年2月、1日1組貸し切り・自炊の宿『KOBUSTAY』を始めました。
昆布漁師の仕事は漁期の夏がメインで、昆布干しの作業や、他の時期には干した後に形を整える作業などがあり、お客さんはそうした体験ができます。また、根室海峡の絶景を望む宿で地元の食材を使った自炊が出来るのも魅力です。

『KOBUSTAY』のテーマは「羅臼に暮らすように過ごしてもらう宿。」定員6人、別荘のように使える自炊の宿なので、キッチンが充実しています。台所には木箱に沢山入った「羅臼昆布」が置いてあり、「これがやりたかったんです。自由に使って下さい」と里紗さん。各種食器や調理器具もそろっていて、冷蔵庫にはなんと漁師からの差し入れとして、新鮮な食材がたっぷり!目の前に広がる根室海峡の海を見ながら調理したり、コーヒーを飲んで過ごすのがオススメだそう。夏場は基敏さんが漁に出て、里紗さんたち“浜の母ちゃん”が昆布を干しているのが間近で見られ、もちろん一緒に体験もできます。窓辺には双眼鏡が置いてあり、一度海に目をやれば、トドやオジロワシなど野生動物と遭遇することも!また、毎年2月頃になると宿の目の前の浜が白い流氷で覆われます。他では出来ない、羅臼ならではの貴重な体験がここでは出来るんです。

この日、札幌から宿泊のお客様がいらっしゃいました。里紗さんの子どもの頃からの大親友、朝日真沙弥さんご一家です。久々の再会に思わず涙する里紗さんと真沙弥さん。そして、1階の作業場で始まったのは、「昆布のレクチャー」!昆布漁師が羅臼昆布の秘密について教えてくれます。知っているようで知らないことばかり。基敏さんが船に乗って昆布を採る時、のぞいて使う「箱メガネ」は実は歯で噛んで固定しているんです。浜で天日干しをしてカラカラに乾かした昆布を、また夜露で湿らせて平に整える作業など、羅臼昆布が出来るまでにいかに大変な工程があるかを知ってもらいます。さらに翌日は、真沙弥さん一家を羅臼漁港にご案内した里紗さん。見てもらいたかったのが市場での競りの様子です。羅臼漁港には実に多様な魚種が並び、活気ある競りが里紗さんのガイドの元、間近で見られるんです。これからも、ここでしか見ることのできない羅臼の魅力、発信しつづけていって下さい!

楽園通信

KOBUSTAY

加瀬さんご夫婦が営む、昆布漁師の体験宿。自炊で素泊まりです。
昆布漁師の体験や漁港の市場で競りの見学体験も出来ます。

電話番号:090-3672-0782
お問い合わせ時間:午前8時から午後6時
定休日:不定休

チェックイン午後3時
チェックアウト午前10時

1日1組限定(店員6名)1泊1棟 48,000円