兵庫・丹波市
~キレイで美味しい!実りの農園~
今回の舞台は、兵庫県丹波市。都会から移住し、5年前から農業を始めた古谷浩二郎さん(49歳)と、妻の幸子さん(54歳)が主人公です。
大阪府出身の浩二郎さんは、コンピューターのシステムエンジニアとして働き、転勤のため上京。そこで会社の先輩であり、和歌山県出身の幸子さんと出会い、2011年に結婚しました。休日は仕事の疲れを癒しに2人で旅行へ。ある時、旅先の宿で食べた採れたての「生トウモロコシ」の美味しさに衝撃を受けます。“こんなに採れたてが美味しいのなら自分で作ってみよう!”と思った浩二郎さん、当時住んでいたマンションのベランダで野菜作りを始めます。しかしなかなかうまくいかず、今度は近くの貸し農園で野菜作りに挑戦。それでも納得のいくものが作れませんでした。旅先で出会った美味しい野菜をどうしたら作れるようになるのか…。そんなときに見つけたのが丹波市で新たに設立する農業学校の案内でした。野菜作りに関心があったことと、いつかは生まれ育った関西へ戻るつもりだった古谷さん夫婦は、丹波市で開催された学校説明会に参加します。そこで都会にはない豊かな自然を気に入り、移住を決意しました。浩二郎さんは2019年「丹波市立 農(みのり)の学校」に入学し、卒業までの1年間で農業をイチから学びました。そして2020年『丹波みの香ファーム』を開き、農家として独立したのです。そこから5年間で徐々に規模を広げ、今ではおよそ7000平米の土地で、年間を通して約20種類の野菜を作っています。浩二郎さんが目指すのは“キレイで美味しい野菜”。たゆまぬ努力によって作られた野菜で、多くの人に美味しい感動を届けています。丹波市へ移住し、キレイで美味しい野菜を作る浩二郎さんと支える妻の幸子さん、そして農家同士のつながりや移住後に出会った仲間たちとの交流を紹介します。
“キレイで美味しい野菜”を届けるために日々奮闘する浩二郎さん。この日は、幸子さんと一緒にナスとオクラの収穫です。丹波市内のスーパーマーケットへ出荷するため早朝から収穫を始め、作業場に戻って出荷準備。1本ずつ拭きながら、傷や汚れがないかをチェック。浩二郎さんは「自分たちが満足するものしか出さない」と話します。そのためには時間はかかるけれども丁寧な作業が必要なんですね。
『丹波 みの香ファーム』の野菜は様々な料理になって美味しい感動を届けています。『yogaのおうちLOKATE』の代表、紀 智子さんは「味が濃くて美味しい。そしてキレイ」と太鼓判。この日は古谷さん夫婦のために『みの香ファーム』の野菜を使ってたくさんの料理を創作。「白ナスのカルパッチョ」を食べたお2人は、白ナスの甘さに驚いた様子。「オクラのコンソメ煮びたし」には「美味しい!」と顔が綻びます。自分たちが作った野菜の美味しさ再確認できましたね。
この日は『yogaのおうちLOKATE』で食事会が開かれました。集まったのは先輩農家や移住者、中には古谷さん夫婦が初めて丹波市を訪れたとき、移住相談窓口で出会った中川ミミさんの姿も。中川さんは浩二郎さんの当時の印象を「全然、喋らなかった!」と笑顔で振り返ります。それでも丹波で農業がしたいという2人の強い思いが伝わってきて“大丈夫だろう”と感じたそうです。移住を通して出会った仲間たちと楽しく賑やかな時間を過ごすことができました。
新規就農した浩二郎さんには、2人の先輩がいます。お向かいに住んでいる農家の久下良和さん。わからないことを質問したとき、丹波の地に合った方法を教えてくださいました。また、地場野菜の生産者グループに入れていただき、繋がりも広がっています。もう1人は、ニンジンの栽培方法を教えてくれた宮垣良一さん。浩二郎さんのニンジンを「立派だと思います」と一言。自分が作ったニンジンを褒めてもらい嬉しい表情です。いつも野菜作りにアドバイスをくれる農家の先輩たちが身近にいるので心強いですね。

十九山 達身寺
長い歴史を誇り、平安・鎌倉時代の貴重な仏像を
80体余り安置しています。
電話番号:0795-82-0762
拝観時間:午前9時~午後4時
拝観料:1人 500円
※年末年始は除く

丹波 みの香ファーム
古谷さん夫婦の農園。
年間を通して、約20種類の野菜を作っています。
※丹波市内のスーパーマーケット数軒にて販売



