福島・南相馬市
~幸せの鼓動 夫婦のカフェ~
今回の舞台は福島県南相馬市。民族楽器が並ぶカフェ『ハートビートベース』を開いた宗像由美子さん(69歳)と、夫の直樹さん(69歳)が主人公です。
福島県の山あい、平田村出身のお2人。保育園から中学校まで、クラスメイトとしてともに過ごしました。由美子さんは福島県内の大学を卒業し、埼玉県の中学校で音楽の教師として勤務。自由な発想で「音」を楽しむ授業に取り組みました。第2の人生を考え始めた頃、由美子さんのもとに突然SNSでメッセージが届きます。それは、IT企業に勤めていた直樹さんからでした。そして、「もらった桃があるので、おすそわけするよ」という直樹さんの誘いがきっかけとなり、64歳でお2人は再会。以来、距離を縮め、由美子さんが体調を崩せば直樹さんが栄養ドリンクを片手に駆けつけることもあったといいます。当時、「終の棲家でカフェを開こう」と決めていた由美子さんは、南相馬市で見つけた家屋に直樹さんを案内しました。そのとき、直樹さんは「その夢の手伝いができたら、とっても楽しい人生になるな」と感じ、由美子さんにプロポーズ。再会からわずか5ヶ月でスピード結婚を果たしました。お2人は、家屋を自宅兼カフェに改装し、南相馬市へ移住。こうして昨年4月、『ハートビートベース』をオープンしました。さらに由美子さんは、音楽教師だった経験を活かし、高齢者サロンで民族楽器を用いた講習を開くなど、地域とのつながりを広げています。
幼なじみの2人が60代で運命の再会を果たし、第2の人生のパートナーに。カフェ『ハートビートベース』が生み出すときめきは徐々に広がり、みんなの心を一つに、そして元気にしています。ワクワクドキドキ、心ときめく毎日を送る夫婦と、そんなお2人を応援する地元の方々、音楽がつないだ様々な交流を紹介します。
週替わりのランチが大評判の『ハートビートベース』。この日は、旬のサンマが主菜のランチ。金時草のお浸しに、がんもどきの煮もの、カラフルポテトのチーズ焼き、おからサラダなどが添えられ、ボリュームたっぷりです。常連のお客様は「バランスが良く、身体に優しくて美味しい!」と笑顔を見せてくれました。
『ハートビートベース』にうれしいお客様がやってきました。お2人の中学時代の恩師、高玉幸江さんです。思い出話に花が咲きます。想像もしていなかった、かつての教え子のカップル誕生を喜ぶ高玉先生。これからもお2人のことを見守っていてください。
ドキドキとワクワクを求めるお2人。直樹さんはサーフィンに挑戦しました。レッスンは今回で3回目ですが、まだ立てたことはないそう。由美子さんが見守るなか、69歳のチャレンジが始まりました。何度も波にのまれながら、ついに…。この日の直樹さんは、気持ちも身体も、ビートが上がりっぱなしでした。
地元の子どもたちが集まって、由美子さんの音楽教室が始まりました。「みんなのビートが1つになる。そんなドキドキとワクワクを伝えたい」由美子さんの新たな夢の、第一歩です。民族楽器に触れ、重なり合うリズムを楽しんだ子どもたちはみんな、「楽しかった!」と声を弾ませていました。

ハートビートベース
宗像さんご夫婦が営むカフェ。木・金曜日のランチは、地元の食材を使った3種類のランチ。日曜日はカレーのランチを楽しめます。
営業日 木・金・日曜
午前11時30分~午後4時
※土曜日は予約営業のみ



