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2025年8月30日葉月の伍

石川・小松市
~とれたて!新米漁師の直売所~

今回の舞台は、石川県小松市。釣り好きが高じて漁師になった中島睦美さん(55歳)が主人公。高知県出身の睦美さんは子どもの頃から釣りが大好きでした。病院食の仕事に就き、調理師免許を取得。その後、結婚と離婚を経験し思い悩んだ睦美さんは
どこか別の場所で新たな人生を送ろうと考えます。32歳の時、山も海もある静かな環境を求め、辿り着いたのが小松市でした。調理師や塗装業の仕事に就き、小松市出身の豪さん(53歳)と知り合い結婚。睦美さんの新たな暮らしは順調でしたが、ここで思わぬ試練が…47歳の時、甲状腺のガンと診断され全摘出。幸い手術は成功し、元気になった睦美さんは「本当に好きなことをしたい!」と思い始めます。仕事をやめてパートをしながら釣りを楽しむようになり、安宅漁港で漁師の仕事を手伝う日々。この時、水揚げされても市場には出回らない新鮮で美味しい魚の存在を知り、多くの人に食べてほしいと強く思うように。そこで、漁師の中村一馬さんと共に2024年『安宅漁港 港の直売所』を開きます。その後、中村さんが大病を患ったことで、彼の漁船「かずや丸」を一人で運転することになり、本格的に漁師としても独り立ちをしました。
直売所の営業は毎週土曜日の午前11時から。刺身やフライなどの他に、地元で多く獲られている「あずき貝」の煮つけなども人気で、開店前からお客さんが行列を作ります。心機一転辿り着いた新天地で、新米漁師として奮闘し直売所も切り盛りする睦美さんとそれを支える豪さん、応援してくれている漁師仲間、お客さんとの交流を紹介します。

直売所の営業日。早朝から睦美さんはフル回転です。「あずき貝」は炊き込みご飯やアヒージョにするなど、何をどう料理するか睦美さんが司令塔。直売所が人気になるほどに仲間も増えてきました。魚を捌く担当、タイやイカ、エイなどを刺身にする担当、それをフライにする担当と、役割分担がしっかりと決まっています。楽しみにしているお客さんのためにも、一丸となって準備します。

睦美さん、今日も大漁を目指します!この日は師匠でもある中村一馬さんも一緒です。午前5時、刺し網を上げるとマダイやエイ、シマフグなどが獲れました!およそ2時間の漁を終え、港に戻ってくる睦美さんを待ち構えているのが、直売所を手伝う地元の女性陣たち。睦美さんの頼りになる応援団です。魚を傷つけないように素早く網から取り外す姿に、「みなさんの手助けがないと直売所はできないです」と感謝いっぱいの睦美さんです。

さあ、今宵は豪さんと豪さんの母、藤子さんの3人で、直売所の魚とご近所から頂いた野菜を使ってバーベキューです。22年前、高知からこの港町に来た時は、たった一人だった睦美さん。今では、大勢の仲間たち、そして家族に囲まれています。

睦美さんが獲った魚は、直売所以外でも味わえます。地元の『寿司割烹・岡田』では、市場に出ない地魚を睦美さんから仕入れています。この日、睦美さんと豪さんは、安宅漁港の魚を使ったお寿司を食べに来ました。マルアジやアカイカ以外にも、ベラなどの珍しいネタが並びます。「ベラは魚の繊維が細かくて美味しい!」気づけば3人で勉強会になっていました。

楽園通信

安宅漁港 港の直売所

睦美さんが営む、新鮮な魚が並ぶ安宅漁港内の直売所。
鮮魚や新鮮な刺身はもちろん、魚介の手作りお惣菜も評判です。

営業日:土曜 
営業時間:午前11時~午後2時

刺身各種 350円~
フグのチリソース和え 350円
エイの梅しそ巻き揚げ 250円
など