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2025年8月2日葉月の壱

山梨・早川町奈良田
~山人の暮らし 秘境の宿~

今回の舞台は山梨県早川町の山間にある奈良田集落。かつて地域の人々は「山人(やもうど)」と称され、山に暮らし山の仕事をしながら、山にある物を使って生きてきました。そんな文化が色濃く残り、“秘境”とも呼ばれる奈良田集落で『秘境冒険民宿 山人砦』を営む鹿島健利さん(41歳)と妻の晴日さん(35歳)が主人公。山の幸や様々な体験を通じて奈良田の魅力を訪れる人々に伝えています。
東京に生まれ育った健利さん。大学で建築を学ぶ中、地域づくりの研修で訪ねたのが、山梨県早川町でした。そこでの暮らしや住む人々、地域の付き合いの深さなどに魅了された健利さんは、卒業後も早川町に残りたいと地域活性化を目的としたNPO法人に就職。奈良田集落に移住し、地元の文化を守り、過疎化を食い止めたいと活動を続けていました。そんな頃、奈良田に現れたのが当時大学生だった晴日さん。最初の目的は論文を書くことでしたが、この地で過ごすうちに奈良田の地に惚れ込んでしまったといいます。そして、晴日さんも健利さんが勤めるNPO法人に就職。価値観が似ていたお2人は、やがて結婚。集落の皆さんから、盛大に祝福された結婚式だったそうです。昭和30年頃まで外界との往来が困難な土地ゆえに“陸の孤島”と呼ばれ、自給自足の生活が営まれていた奈良田の地。電気や道路が整備される以前は、すべてを自らの手でまかなう暮らしが当たり前で、その知恵と技は今も地元の長老達を中心に受け継がれてきました。しかし、「長老たちは延々と、生きてくれるわけではない…」そう気づいたお2人。「奈良田の文化を残していくために、私たちにできることは何だろう?」と考え、奈良田の魅力を伝える宿を開こうと決意しました。そしてお2人は奈良田の未来のため、新たな一歩を踏み出します。NPO法人を退職したご夫婦は、地元の宿や食堂で修業。住まいを「山人」の小屋風に改装し、2021年『秘境冒険民宿 山人砦』を開きました。
渓流釣りやそば打ちなど、豊富な「山人」体験と山の幸を中心とした手作りの料理が自慢の『秘境冒険民宿 山人砦』。昨年から新たに若いスタッフも3人入り、ますます賑やかになっています。「ワクワクする要素がたくさん詰まった奈良田集落をこの先もずっと残していきたい」というお2人。奈良田に伝わる文化を守ろうと日々奮闘するご夫婦と仲間、そしてそんな活動を優しく見守る地元の長老たち。これからも、お2人ならではのアイデアで貴重な文化を次世代に伝えていって下さいね!

山に暮らし、山の仕事をしながら、山にある物を使って生きてきた「山人」。『秘境冒険民宿 山人砦』は、そんな山人の暮らしや文化をテーマにした宿です。客室は、山人たちが焼き畑農業をしていた時に寝泊まりしていたという木や石で作った「アラク小屋」をイメージしたつくり。囲炉裏を中心に配した19畳の広々とした空間です。室内には晴日さんが仕込んだ様々な果実酒や保存食などがずらりと並び、食の面からも山の暮らしを伝えます。また宿のすぐ隣にあるのが、健利さんが管理を任されている町の施設『女帝の湯』。トロトロとした感触が特徴の名湯です。なんと、『山人砦』に宿泊のお客様はこの『女帝の湯』に入り放題!秘境の「山人」の暮らし体験に、山の幸をふんだんに使った美味しいご飯。さらに温泉まで楽しめ、思い出に残る最高の1日を過ごすことができます。

「尊敬する先輩方が授けてくれた暮らしの知恵を未来に伝えたい。」それが鹿島さんご夫婦の思いです。この日、晴日さんは保存食名人・荒居富子さんを訪ねました。半年前に漬けた野沢菜の塩漬けを見せてもらいます。晴日さんは富子さんをはじめ多くの先輩方から奈良田の味を教わり、宿で出しているんです。「分からないことがあったらいつでも教える」と話す富子さんは心強い先輩です。一方、健利さんは野菜作り名人の深沢糾さんを訪ねます。糾さんは凄腕の猟師で、以前は山小屋も営んでいました。この日は宿の食事に使うネギやレタスなどの野菜を収穫させてもらいます。あらゆることができる万能な人を「万能丸(まんのうがん)」と呼ぶそうですが、糾さん曰く、奈良田で一番の万能丸は晴日さんなんですって!集落の万能丸にそう認めてもらえるなんて光栄で嬉しいお言葉です。

「山人体験」を希望するご友人一行がご宿泊です。健利さんが、参考までに提案する体験は四季折々なんと130種類以上!これはあくまで「奈良田の暮らしにおいてこの時期にはこんなことをしている」という生活の一例で、実際はお客さんが自ら考えて、やってみたい事を実行するんです。そば打ちやカブトムシ採り、保存食づくりなどさまざまなアイデアの中から、この日みなさんが決めたのは渓流釣り。健利さんのガイドで美しい上流の渓谷にやってきました。狙うは今晩のおかずです。それぞれの場所で釣り糸を垂れること30分、お客様が本日一匹目のイワナを釣りあげました!さらに負けじと一匹、また一匹と釣りあげていきます。釣れたのが楽しくて、悪天候ながら皆さん夢中になっていました。その後、夕食を楽しみにしながら、ゆっくりと名湯『女帝の湯』に浸かります。

山人砦の食事メニューは、奈良田の恵みがたっぷり。奈良田で昔から主食として食べられていたという手打ちそばや、コンニャクイモから作る刺し身こんにゃくは、いずれも晴日さんが地域のお母さんから教わったもの。山人体験で釣り上げたイワナは炭火でじっくり、1時間かけて焼き上げます。また、晴日さんが摘んだヨモギやハルジオンなどの野草は天ぷらに。彩り豊かな食事にお客様も目を輝かせます。最後にアマゴの炊き込みご飯とイワナのアクアパッツァが登場すると、思わず「わあ、すごい!」と声があがりました。1日の山人体験を通し、「美味しかったし楽しかった。この体験は鹿島さん夫婦が奈良田を本当に好きだからできること!」と感動の思いを伝えるお客様。健利さんと晴日さん、これからも奈良田の魅力をたくさんの人に伝えていってくださいね。

楽園通信

秘境冒険民宿 山人砦(やもうどとりで)

鹿島さんご夫婦が営む民宿。豊富な山人体験と、心のこもった料理が自慢です。
また、宿泊中は健利さんの管理する温泉『女帝の湯』に入り放題。

1泊2食 16,000円~
※宿泊料金はプランにより変動
 詳細はHPよりご確認ください
山人体験をご希望のお客様は別途ご相談ください。

楽園通信

凪 Hutte(なぎ ひゅって)

山人砦の若手スタッフ・伊藤さんが新たに始めた素泊まりの宿。
こちらの宿も宿泊中は『女帝の湯』に入り放題です。

1泊 素泊まり 6,000円
※HPよりお問い合わせください

楽園通信

奈良田温泉 女帝の湯

健利さんが管理する町の温泉。トロトロとした感触のお湯が特徴で、古くから美肌の湯として親しまれています。

入浴料金:(大人)1回700円 
営業時間:午前9時~午後7時