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2025年6月7日水無月の壱

京都・南丹市
~美しき里山 写真家夫妻の宿~

舞台は京都府南丹市。スペインから移住し、古民家宿『CASA MIYAMA(カーサ美山)』を営む森本 徹さん(53歳)と妻のティナ・バゲさん(50歳)が主人公です。
兵庫県出身の徹さん。大学卒業後、アメリカに留学しフォトジャーナリズムを専攻しました。その後、ニューヨークタイムズでのインターンを経て、フリーランスとしてアフリカなど世界各国を飛び回ります。そんな時、友人の紹介で知り合ったのがフリーカメラマンのティナさんでした。その後、お互い惹かれ合い、2004年に徹さんがスペインに移住し同棲が始まりました。写真集を作るプロジェクトのため、1年間キャンピングカーで日本全国をまわり、写真を撮り溜めたお2人。そこで気づいたのは、日本の田舎の素晴らしさでした。どこか整然としていて、日本人の美意識が感じられる田舎の風景に、魅かれていったのです。お2人は「田舎町に住んで日本の原風景を伝える写真を撮りたい」と考え、2014年から国内の物件探しを始めました。さらに「スペインで一棟貸しの古い家に泊まることも多く、日本に住むなら古民家で一棟貸しの宿をやりたい!」という夢も抱くように。しかし、スペインで暮らしながらの家探しは難航。なぜなら宿ができる古民家と自分たちが住む離れがあり、写真の作業場となる蔵がある物件を探していたからです。諦めかけていたとき、ついに出会ったのが京都府南丹市の古民家でした。お2人は完璧に条件を満たすこの古民家を購入し、2019年日本への移住を機に結婚。そして、築100年を超える古民家をコツコツと改修し、翌年6月に古民家宿『CASA MIYAMA』をオープンしました。
苔むす日本庭園を望む縁側や信楽焼の浴槽がある露天風呂など、美しい日本の暮らしを楽しむことができる『CASA MIYAMA』。おもてなしの食事を担当するのは徹さん。地元、南丹市美山の京地鶏を使ったすき焼き鍋が評判です。朝食はオムレツを中心としたスパニッシュブレックファーストが人気。一方、ティナさんは自慢の庭や近所のお気に入りの場所を案内することも。また、地元の伝統や風景の美しさを多くの人に知ってもらいたいと、写真家としても精力的に活動しています。季節の移ろいとともに草花が咲き誇り、耳をすませば川のせせらぎや鳥の声が聞こえてくる…そんな場所で、「日本の原風景」を楽しむお2人の暮らしぶりや、地域との交流などを紹介します。

再生された古民家を一棟貸しする『CASA MIYAMA』。玄関をくぐると、すぐ左手に16畳の広々とした和室が広がります。その縁側から望むのは、ティナさんが一目惚れしたという風情ある日本庭園。苔を元気に育てるために、こまめな草取りや落ち葉の掃除が欠かせません。さらに、ベッドルームのふすまに徹さんが撮影した写真が印刷されていたり、2階がギャラリーになっていたりと、宿の随所に写真家ならではの感性が光っています。

宿泊のお客様がやってきました。お2人は、お客様に振る舞う夕食の準備中。徹さんが腕を振るいます。今宵のメイン料理は「地鶏のすき焼き鍋」。質の優れたシャモの血を引く美山の京地鶏を内臓まで丸ごと1羽分使います。さらに、地元産のキノコや新鮮野菜もたっぷり!美山の恵みを堪能したお客様は「地鶏の歯ごたえがすごい!」「美味しい!」と笑顔を浮かべました。

ご夫婦の夕食の時間。この日はティナさんの大好物・お好み焼き。もちろん作るのは徹さんです。「関西のお好み焼き、徹ちゃんの作る味が一番美味しい!」と、ティナさんはとても嬉しそうです。なんでも真面目に考えすぎてしまうという徹さんは、ティナさんのおおらかな姿を見て「そんなに頑張らなくてもいいか」と思え、助けになっているそう。素敵な夫婦のバランスですね。

美山の里に移住して6年。この日は、2人でかやぶきの里の伝統神事「お田植祭」に
やってきました。大勢のカメラマンに負けじと、ティナさんもカメラを構えます。一方、徹さんが取り出したのは、アンティークカメラ。早乙女姿の女性を幕末の時代の技法で撮影し、移動暗室車で現像を行います。出来上がった作品を見て、お2人は「めっちゃ良い!」と満足気。これからも、日本の里山の美しさを世界へ伝えていってくださいね。

楽園通信

CASA MIYAMA

徹さんとティナさんが営む古民家宿。1棟貸しで、大人8人までが宿泊出来ます。写真撮影、朝食や夕食はオプションとなりますので、お好みで選択してください。

1泊 88,000円〜(※大人8人まで)
縁側ポートレイト 19,360円〜
美山の特選地鶏すき焼き 1人前5,500円
スパニッシュ・ブレックファースト 1人前2,530円
※宿泊料金は時期により変動 ※詳細はHPをご確認ください