福岡・糸島市&北海道・美瑛町
~コツコツ叶えた!大きな夢SP~

今回は福岡と北海道が舞台の1時間拡大スペシャル。どちらもコツコツと地道な努力を続けて夢を叶えたご夫婦で、とびきりユニークな楽園を作りあげています。
最初の舞台は福岡県糸島市。耕作放棄地を再生して農園に、荒れた放置林に手を入れ自然体験型施設に変えた、前田和子さん(69歳)と大串幸男さん(68歳)が主人公です。
糸島市(旧前原町)出身の和子さん。両親は屋台のラーメン店を営んでいましたが、母が病に倒れ、和子さんが中学卒業後に店を切り盛りすることに。進学を諦めた和子さんは「必ず商売で成功する」と、一心に働き続けました。その後、居酒屋も始め繁盛させた和子さんは19歳で結婚、2人の娘が誕生。やがて娘たちが独立すると、ゆっくり出来る場所が欲しいと考え始めます。転機は「人生の楽園」。岡山県美作市で山を開墾し宿を作った夫婦の放送回を見て「これだ!」と思った和子さんは、すぐに耕作放棄地となった山を格安で購入し、生い茂った竹を毎日一人で伐採し始めました。後に離婚を経験。そのうち家族や仲間が和子さんの作業を手伝い始め、その一人、一級建築士の幸男さんと意気投合します。事実婚を選択し同じ夢に向かって進み始めた2人は農業中心の暮らしに。さらに買い足した放置林に手を入れ、2018年に自然体験型施設『白糸の森』を、2021年には『森のカフェ緑の詩』をオープンさせました。森には7つのウッドデッキとそれを繋ぐ回廊が張り巡らされ、圧巻の景観!幸男さんが森の保全の大切さを知って欲しいと作り、お客さんにそれを伝えるのが和子さんの生きがい。現在も山に手を入れ続けるお2人の挑戦はまだまだ続きます。



『まえだ農園』で年間40種類以上の野菜を作るお2人の食卓にはいつも野菜のおかずがたくさん並びます。ある日の朝も、間引きしたダイコンの漬物やキクイモの炒め物、今年採れた新米を炊いたホカホカご飯など田畑の恵みがテーブルにずらり。1日中、体を動かして働くお2人は、朝からしっかり食事をとります。長年居酒屋を営んできた料理上手の和子さんに、幸男さんは胃袋をしっかりつかまれているのだそう!さらに、お2人が食事をとるリビングには、「存分に山の眺めも味わいたい」と建築士である幸男さんこだわりのある仕掛けが。障子と窓ガラスがすべて戸袋に仕舞えるようにして、まるで外の山々と空が額縁に収まった絵画のような景色。眼下に広がるのは、お2人が再生させた田畑です。この日は晴天でまさに小春日和、良い1日が始まりそうな予感…。早速畑で初物のサツマイモを掘れば、収穫に満面の笑みを見せるお2人です!



週末になると、オープン前から大行列が出来る『白糸の森』。お客さんはまず、『森のカフェ緑の詩』に立ち寄り、和子さんたちが作る野菜をたっぷり使ったキッシュやタルト、ドリンクなどを購入します。続いては椅子を好きなウッドデッキに運び、森の中でカフェタイムを楽しむことができるんです。そんなお客様方と触れ合うことが生きがいだと言う和子さん。みなさんに「どこから来たと?」と声をかけ、「この森は元々荒れた森なんよ。人の手が入って初めて森は生きる」と“森の保全活動の大切さ”を伝えて回ります。和子さんはいつも、お客様が森を楽しむ後ろ姿を見るだけで、涙が出そうになると言います。「こういう自然のものに魅かれるのが人間の本能だなって思います。可能性がめちゃくちゃありますよね。」と若者から嬉しい言葉をかけられ、大感激していた和子さん。幸男さんと2人で作りあげてきた想いは、確実に次の世代へ伝わっていきますね。




白糸の森
和子さんと幸男さんが営む自然体験型施設。『森のカフェ 緑の詩』で購入した軽食やスイーツを森のデッキで楽しめるほか、『白糸うどんやすじ』では『まえだ農園』で作った野菜天ぷらをたっぷり味わえる自家製うどんを食べることができます。
「森のカフェ 緑の詩」
営業時間:午前11時~午後4時(L.O 午後3時半)
定休日:年末年始
電話:092-324-3883
「白糸うどん やすじ」
営業期間:午前11時~午後3時
定休日:月曜日
電話:092-324-3883

次の舞台は北海道・美瑛町。東京の離島から移住し、理想の宿泊施設『かまいたい宿 ONE and ONLY』を始めた岩本真諭さん(47歳)と祐子さん(43歳)が主人公です。
兵庫県伊丹市出身の真諭さん。北海道の大学に進学し、旅行で美瑛を訪れた時に広大な風景に圧倒され「いつかここで宿をやれたら」と夢見るようになりました。就職した食品会社で祐子さんと出会い、付き合い始めると「夢があるなら早めにやった方がいい」と言われた真諭さん。2人で長野や伊豆の宿で働き、宿泊業の基礎から学びます。その後2人は結婚、長男を授かると家計のために兵庫県で居酒屋の料理人として働き始めた真諭さん。しかし、夢を諦めきれず東京の離島・御蔵島の村営民宿の求人に応募し、3人で移住することになりました。御蔵島は人口300人ほどで、イルカの島として知られます。真諭さんは宿で働き、祐子さんは次男の子育てが落ち着くとイルカのガイドの仕事に就きました。民宿は最大32人が泊まれ、全ての宿泊客に丁寧な接客が出来なかったことから、お客さんと仲良くなり長く付き合いができるような宿がしたいと思うようになったご夫婦。また、御蔵島ですくすくと育った長男・大輝くんと次男・悠暉くんでしたが、島には高校がなく15歳になると皆島を出ます。そのタイミングに合わせ夢を実現しようと、まずは祐子さんと子どもたちが先に美瑛に移住し、祐子さんは農家でアルバイトをしながら物件探しを開始。そして、閉業を考えていた方から建物を売ってもらうことに。そして昨年10月、『かまいたい宿 ONE and ONLY』をオープンしました。『かまいたい宿』という枕詞は真諭さんの「お客さんを楽しませ“かまって”帰してあげたい」という思いから。祐子さんは自家製の発酵食を中心に美瑛産の食材を使った“元気をサポートする食事”にこだわります。また、唯一無二のおもてなしが特徴で、宿泊客の要望に応え、好きな時間に食事をしてもらったり、宿泊者同士のサプライズ企画の計画実行、またお客さんと出かけ、美瑛の自然や地元の方々とをつなぐお手伝いをするなど至れり尽くせり!“かまう担当”真諭さんは、要望があればお客さんと相席しお酒を酌み交わすことも。祐子さんはそんな夫を「かまいたいおじさん」と呼んでいます。美瑛の美しい景観を作り出す農家さん方やご近所さんと温かな交流をしながら、宿のお客さんとも友達みたいになっちゃう素敵なご夫婦なんです!



岩本さんご夫婦のおもてなしで、宿泊客が自分だけ、唯一無二のプランで旅行を楽しむことができる『かまいたい宿 ONE and ONLY』。この日は、お客様の希望でコースを作る美瑛観光へ。まず初めにやってきたのはご近所の『ファームズ千代田』。ジャージー牛の厩舎を特別に見学させてもらいます。初めて見るジャージー牛にお客様は「目が綺麗」「かわいいね」とワクワクした様子。こちらの牛たちは北海道産の草を食み、ストレスなくのびのびと育ちます。このジャージー牛のミルクはコクがあり絶品!続いて訪れたのは、毎年多くの観光客でにぎわう「白金青い池」。神秘的なコバルトブル―の水が美しい池です。前日に雪が降ったこともあり、真っ白な背景に美しい青色が映える、絶好の観光日和でした。真諭さんの案内でたっぷり美瑛を楽しんだお客様。「ガイドまでしてくれて、至れり尽くせりで最高です!」と大満足でした。



“元気になる料理”をテーマに掲げる『ONE and ONLY』の食事。栄養士と、発酵食品ソムリエの資格を持つ祐子さんの知識と美瑛の美味しい食材が生かされています。この日のお客様は「びえい和牛」のステーキをメインとした7品の料理とデザートのコースを注文。『あらいふぁーむ』から仕入れた色鮮やかなダイコンやニンジン、『舟山農園』から仕入れたホクホクのユリ根、『matsuka farm』から仕入れたお米「ななつぼし」、そして『ファームズ千代田』の牛肉など、美瑛ならではの恵みがたっぷり詰まっています。自家製の塩麹や醤油麹など発酵調味料で味付け。一皿一皿、祐子さんが丁寧に仕上げる料理は、お客様のとびきりの笑顔と「おいしい!」の言葉を引き出します。さらにこの日は、“かまいたいおじさん”こと真諭さんと「一緒に飲みたい!」というオーダーも!真諭さんとお客さんの会話はどこまでも盛り上がり、存分に“かまい、かまわれる”楽しく賑やかな夜になりました。




かまいたい宿 ONE and ONLY
岩本さんご夫婦が営む宿。その名前の通り、唯一無二のおもてなしを受けることができます。1日1組限定で、食事やバレルサウナはオプションで付けることができます。
電話:0166-74-3274(受付時間:午前10時~午後4時)
1泊2日 2名 39,600円~
【夕食】
美瑛和牛コース 6,600円 エゾ鹿コース 6,050円 美瑛豚コース 4,950円
【朝食】
麹たっぷり発酵ごはん 1,980円