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2024年5月18日皐月の参

神奈川・葉山町編
~笑顔とり戻す 故郷カフェ~

今回の舞台は神奈川県三浦郡葉山町。海沿いから少し離れた住宅地で、1年前カフェを開いた原 敬太さん(52歳)と妻の陽子さん(52歳)が主人公です。
葉山町で生まれ育った敬太さんは、東京の専門学校で映像技術を学び「ビデオエンジニア」として、テレビ番組などの制作に携わっていました。一方、陽子さんは、時代劇やモノマネ番組で出演者のカツラを担当する「結髪師」。撮影現場で出会い結婚したお2人は、結婚後もお互い好きな仕事に邁進していました。しかし、40代になると敬太さんは会社の経営も担う立場になり、従業員に対して厳しい口調で指導するなど、辛く苦しい日々が続いていました。そんな辛い時期に、ふと思い出したのが、故郷・葉山の穏やかな風景でした。そして「ふるさとへ帰ろう」そう心に決め、敬太さん46歳の時に葉山に帰り、生まれ育った実家の近くにマイホームを建て暮らし始めました。しかし、27年ぶりに帰った葉山は、友人知人もいない、まるで知らない町のようになっていました。「これでは故郷に帰って来た意味がない」そう感じた時、思い出したのが、かつて、逗子・葉山駅の近くで喫茶店を営んでいた伯父のことでした。喫茶店には地元の常連さんが集い、いつも笑顔の伯父は、みんなに慕われていました。敬太さんは「伯父のように、みんなが集える場所を作れば、知人も増える」と考えるようになり、51歳で会社を退職。コーヒーの知識と技術を学び、自宅リビングを改装して、去年5月に『カフェバーる はらや』をオープンしました。
カフェを始めたことで友人知人との交流も増えている敬太さん。そんな夫の様子を見て妻の陽子さんは「昔のように笑顔が素敵な、ゆるキャラに戻った!」と、嬉しそうに話します。
27年ぶりに帰ってきた葉山で、友人知人を作り、故郷を取り戻そうとカフェを始めた敬太さんと支える陽子さんの姿。そして、そこに集う人たちとの温かい交流を紹介します。

陽子さん特製のバターチキンカレーを求めてお客様がいらっしゃいました。この日は養蜂家の髙橋さんご夫婦がランチを兼ねて蜂蜜を届けに来てくれました。実は『はらや』のクラフト・コーラに髙橋さんの蜂蜜を使っているんです。地元食材を使うことで、知人の輪が広がっています。

定休日は、カレーの下仕込みです。調理のメインは陽子さんですが、敬太さんも手伝います。ゴボウのササガキとポテトをつぶす作業は敬太さんの担当。陽子さん曰く「ポテトをつぶすのは、敬太さんの方が私より上手!」なんだそうです。今まで料理をしたことが無かった敬太さんですが、今ではスイーツまで作れるようになりました。

『カフェバーる はらや』を始めて丸1年。嬉しいことがありました。それは友人との再会です。森嵜さんは敬太さんの高校時代の同級生でコーヒー豆の焙煎と販売をしています。この日は『はらや』で使うコーヒー豆を選んでもらおうと訪ねました。森嵜さんのお勧めは“コロンビア産オーガニック豆の深煎り”。テイスティングをした敬太さんは「これはいい、最高!」と香り味ともに納得!友人に感謝です。これから、さらに友情を深めていってください。

ふるさとを離れていた27年間の空白を早く取り戻したいと、敬太さんは地元神社の氏子になりました。年中行事や月に2度の掃除など積極的に参加し、地域の人たちとの交流も生まれています。「境内を掃除していると、友達と遊んだ子供の頃を思い出します」と語る敬太さん。懐かしい思い出と共に葉山がもう一度、故郷になりました。

楽園通信

カフェバーる はらや

敬太さんと陽子さんが営むカフェ&バー。
スパイスの効いた陽子さん特製バターチキンカレーや敬太さんが入れるコーヒーなどが味わえます。金・土曜の夜はバー営業もしています。

営業時間:午前11時半~午後4時半
午後6時半~午後10時(金・土曜)
     日曜は午後7時まで
定休日:水・木・第3日曜

バターチキンカレー(1日10食限定)1,500円
カフェラッテ 650円など

車でのご来店はお控えください。