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2023年9月30日長月の伍

岐阜・美濃加茂市
~思い出の旧村役場をカフェに~

舞台は岐阜県美濃加市。昭和11年に建てられたハイカラな旧伊深村役場で、町民たちに愛されるカフェを始めた齊藤靖憲さん(49歳)と妻の佐千子さん(47歳)が主人公です。
愛知県生まれの靖憲さん。高校卒業後はプロゴルファーを目指し、ゴルフに明け暮れる日々を過ごします。しかし、プロの壁は厚く22歳の時に断念、美濃加茂市のゴルフ場で働き始めました。そして、同じ職場で働いていた佐千子さんと出会い結婚。共働きで3人の子供を育てました。転機が訪れたのは30代後半。知り合いから頂いたジビエのおいしさに感動し「ジビエ料理のお店を開きたい」と決意、美濃加茂市で空き家を探し始めました。すると、知り合いから紹介された旧伊深村役場と出会い一目ぼれ。この建物が村役場としての役割を終えた後も、自治会館として、長年、町民に愛されてきた場所だったことを知り、「地元の人たちに愛されるカフェにしたい!」と、2021年に『いぶカフェ』をオープンしました。
歴史ある建物と一緒に、そこに刻まれた思い出も受け継いだ靖憲さんと佐千子さん。建物が繋いでくれる地域住民や、ジビエ料理を楽しみに来店するお客さんとの交流。そして、2人を応援してくれているご家族との、のんびり温かな日々を紹介します。

旧伊深村役場は西洋建築をベースに瓦屋根など日本家屋の技法も取り入れ、国の登録有形文化財に指定されています。また、町村合併により村役場としての役目を終えた後も、自治会館として利用されていたため、町民にとっては大切な思い出がたくさん詰まった建物でもあるんです。
地元のお客様から「旧村役場を大切に使ってくれてありがとう」と、うれしいお言葉を頂いた靖憲さんと佐千子さん。これからもずっと地元のみなさんに愛されるカフェでありたいと決意を新たにしました。

『いぶカフェ』の自慢は、ジビエカレーや鹿肉ハンバーグなど、靖憲さんが作るジビエ料理です。またスイーツ担当の佐千子さんが作る「えんねパン」も人気です。
「えんねパン」とは、戦時中に伊深村に疎開してきたドイツ出身の佐野えんねさんが、村の子供たちに振る舞っていたドイツの焼き菓子のこと。地元のお母さま方からレシピを教わった「えんねパン」には、「地元のみなさんに愛されるカフェでありたい」という靖憲さんと佐千子さんの思いが詰まっています。

夏の間、『いぶカフェ』は朝7時から営業しています。この日は、靖憲さんと佐千子さんも所属している、美濃加茂市の猟友会のお仲間がモーニングセットを食べに来店しました。また、午後3時には、オープン当初からほぼ毎日、通い続けてくれている一番の常連、御年82歳の福井さんもご来店。『いぶカフェ』は、朝から夕方まで、地元のみなさんの笑顔で溢れています。

「いぶカフェ」の定休日。カフェの常連のみなさんが集まり、ジビエでバーベキューを開きました。87年間、伊深の人たちを見守ってきた旧伊深村役場。建物と共に大切な思い出も受け継いだ靖憲さんと佐千子さん、責任重大です。でも、「伊深の人たちに愛されるカフェでありたい」というお2人の熱い思いは、ちゃんと伝わっています。だからこれからも地元の人たちと一緒に、アットホームで、料理のおいしい、『いぶカフェ』を盛り立てていきましょう!

楽園通信

いぶカフェ

齊藤靖憲さんと佐千子さんが旧伊深村役場で始めたカフェ。

モーニングは、5種類のセットメニューから選べます。
ランチメニューは、鹿肉ハンバーグやジビエカレーなどのセットの他に月替わりのジビエメニューもあります。
アフタヌーンサービスでは、ドリンクを注文すると「えんねパン」などのスイーツが無料で付いてきます。

営業時間 午前8時30分~午後4時30分
モーニングサービス:午前8時30分~11時
ランチタイム:午前11時半~午後2時
アフタヌーンサービス:午後2時~4時30分
定休日 火曜、第1・3月曜(臨時休業あり)
電話でのお問い合わせは受け付けておりません。
詳しくはHPを検索、ご確認ください。

◆モーニングセット
コーヒー 450円~
・トーストセット(ドリンク料金のみ)
・ジビエドッグセット(ドリンク料金プラス250円)

◆ランチセット
鹿肉ハンバーグセット 1,400円
ジビエカレーセット 1,100円
ジビエバーガーセット 1,100円

◆単品メニュー
えんねパン 200円
※アフタヌーンサービスではドリンク注文で無料になります。