北海道・洞爺湖町、壮瞥町
~大地の恵み味わう 北海道SP~

北海道を代表する雄大なカルデラ湖「洞爺湖」のそばに暮らす2組の主人公を紹介する1時間スペシャルです。最初の舞台は、人気の観光地として知られる洞爺湖町。湖が臨め、観光ホテルが連なる温泉街に友人同士でイタリアンのお店『Lagorto(ラゴルト)』を開いた、木村香葉子さん(41歳)と利光優子さん(42歳)が主人公です。こだわりは地元で育つ「北海道産野菜」を使うこと。新鮮な旬の夏野菜はもちろん、越冬させて甘味が強くなる根菜類など、ここでしか味わえない料理でもてなします。
伊達市出身の木村香葉子さんはフェリー会社に就職し、その後、違う世界をみたいと道内のリゾートや農家で働き始めます。一方の利光優子さんは名古屋市に育ち、アパレルの仕事などを経験した後、料理人を目指して修業を積みました。利光さんの趣味がスノーボードで、冬季には北海道のホテルの厨房で働くように。こうしてそれぞれが道内を点々と移動するうちに接点が出来、6年前、友人を介して2人は始めて出会ったのです。当時、優子さんは「冬はスノボをしつつ料理人をしたい」と語っていました。その後、農園で働いていた香葉子さんはオーナーから「農園レストランの料理人を探している」と聞き、思い出したのが優子さんのことでした。連絡をとると、二つ返事で了承した優子さん。その後2人で農園レストランを任されるうちに「自分たちも北海道の美味しい野菜にこだわるお店を開きたい」と夢見るように。2021年、2人が出会った洞爺湖温泉に店舗を見つけ、北海道産野菜のイタリアン『Lagorto』を開きました。店名はイタリア語で、「湖」と「菜園」の意味をくっつけた造語。オーナーでピザづくりの担当が香葉子さん、パスタをはじめ調理全般が優子さんです。お客さんに北海道の野菜の美味しさを伝えたいと洞爺湖町に根付き頑張るお2人。気が付けば、優しく温かい農家さんや、元気でパワフルな洞爺湖温泉の仲間たちとの強い絆が出来ました。



『Lagorto』では、北海道産の新鮮な野菜を使ったパスタやピザを提供しています。料理長・利光さんが作る「アラビアータ」には自家製のトマトソースが使われています。温泉の地熱で育てる「オロフレトマト」とタマネギなど4種類の野菜を半日ほど煮詰め、ミキサーにかけます。あえてトマトの皮や種も入れてツブツブした食感を残すのがポイント。辛さの奥に野菜の旨味と甘味が広がり、「めちゃくちゃおいしい!」「ファンになった」と毎回常連さんをうならせています!
また、オーナーでピザ担当の香葉子さんは、毎朝北海道産の小麦粉を使って生地を作ります。トッピングに町内の農園で仕入れた「越冬長いも」を使う和風ピザを作ります。ポイントは長いもの食感を残すため、切ったりすりおろしたりせずたたいて使うこと。ニンニク醤油に漬け込み、生地にたっぷりとのせ、タマネギやキノコを加えて焼き上げます。「美味しい野菜が主役」と生地は薄めで、チーズも少なめ。長いものとろとろ感と風味がたまりません。



夜営業が始まるまで、2人はフラッと散歩にでました。歩いて5分ほど、毎日気軽に洞爺湖の絶景を眺めることができ、いつも心癒されています。町を歩けば、声を掛け合う知り合いだらけ。2人が立ち寄ったのは『Lagorto』の常連客・大須賀桃さんが夫婦で営むアウトドアショップ『ZERODAY』。洞爺湖周辺にあるキャンプ場やレイクサイドで使えるアウトドアグッズが揃うお店で、2年前にUターンして始めました。また、行列のできるハンバーガー店『Hydune』も大切な仲間。こちらも佐藤つぐみさんと伊比美香子さんが女性2人で始めたお店で、香代子さん&利光さんコンビも、困ったことがあったら相談に乗ってもらう起業の先輩です。こうして同世代の仲間がいる洞爺湖で、支えあい、大自然と共に生きる逞しさを受け継いでいっています。




Lagorto
香葉子さんと優子さんが営むイタリアンのお店。北海道産の新鮮な野菜にこだわっており、自家製のトマトソースを使ったアラビアータがおすすめです!
電話:080-5820-7219
営業日時:ランチ/11時30分~15時
ディナー/17時30分~21時
※食材がなくなり次第クローズとなります。
定休日:火曜(臨時休業あり)

2組目の主人公は、昭和新山を間近に望む場所で農業を営み、野菜の直売所や野菜にこだわるジェラートを販売する清水英子さん(55歳)と、栽培担当の夫・達雄さん(59歳)です。
壮瞥町に開拓移民が入植したのは、およそ150年前。原野を一から切り開き、農業の歴史がスタートしました。清水家の先祖もその一軒。2人が結婚した頃は農業だけで生計を立てるのは厳しい時代で、達雄さんはトラックドライバーとして家計を支え、英子さんは子育てをしながら細々と義理の両親を手伝いました。そんな中、「先祖が残した農業の灯を絶やしてはいけない」と2人は一念発起。フルーツトマトの栽培に挑戦しました。達雄さんはドライバーの仕事をしながら、土壌の改良など挫折を繰り返し、理想のトマトを作り上げたのです。ようやく農業一本に絞った暮らしができるようになった時、若い世代にも農業に興味を持ってもらいたいと考えた英子さん。7年前にフルーツトマトを使ったジェラート店『とまと屋さん』を開きました。番組では2017年8月放送回で清水さんご夫婦を紹介しており、当時はジェラート店を始めて間もない頃でした。しかしその3年後、達雄さんが突然の病に襲われ、大手術の末に生還。この経験から「やりたいことをやるべきだ」と人生観が変わったご夫婦。農業での新しいチャレンジを続けつつ、いつかやりたいと思っていた夢も「今やろう」と積極的に動き始めます。達雄さんは長年趣味だった釣りの腕前を生かし、地元の漁業組合に入りました。英子さんは去年購入したキッチンカーを走らせ、出張ジェラート販売を開始。そこには離れて暮らす長女と長男の支えがあり、清水家には新たに明るい希望が見え始めています。



英子さんが営む、自家製の野菜を使ったジェラートを販売する『とまと屋さん』。一番人気はやっぱり、清水農園自慢のフルーツトマトを使ったトマトジェラート!お客さんから「そのまんま、もろトマト!」と言われるくらいトマトの甘みと酸味のバランスが絶妙で、珍しく、ここならではの逸品です。新作は、夏の旬のキュウリを使ったさっぱりジェラート。爽やかな香りとヨーグルトのさっぱりした味わいが人気です。そして、北海道の夏と言えば、トウモロコシ!コーンポタージュのように濃厚でリッチな味わいが口いっぱいに広がります。
英子さんは、自家製の野菜の美味しさを違った形でアピールしたいと、日々研究を重ねながらジェラートを生み出しているんです。



達雄さんが大病したことをきっかけに、家族の心境も変化しました。6年前にも出演した陵さんは、一人暮らしをしている札幌から頻繁にバイクで帰省してくれます。トラクターを動かせる免許を取得したり、直売所の力仕事をしてくれたりと活躍中。また、東京に暮らす娘の加奈さんは、「両親を助けたい」と月に一度戻ってきてくれるようになりました。加奈さんの担当は、キッチンカーの販売。英子さんから教わったジェラートづくりもマスターし、キッチンカーで持ち前の明るさをふりまいてジェラートのおいしさを広げてくれる役割を担っています。
そんな加奈さんの本業は…オペラ歌手。コロナ禍で活動を休止していましたが、今後は家業を手伝う傍ら、少しずつ活動を再開させていきたいと考えているんです。




とまと屋さん(清水農園直売所内)
英子さんが営むジェラート店。
清水農園自慢のあまーいフルーツトマトを使ったジェラートがおすすめ!自家製のバジルやきゅうりを使った他では味わえない野菜そのもののおいしさがジェラートにつまっています。
電話:080-4506-8267
営業時間:9時~17時
定休日:水・木曜
シングル:350円
ダブル:400円