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2023年3月11日弥生の弐

岩手・一関市
~工房復活!母さんの昔とうふ~

舞台は岩手県一関市。義父母の豆腐工房を復活させ『りかちゃん工房の昔とうふ』を開いた千田里香さん(49歳)と夫の健治さん(56歳)が主人公です。
一関市出身のお2人。3年半の交際を経て里香さんが19歳の時に結婚。里香さんは観光牧場、健治さんはガソリンスタンドで働きながら2人の男の子を育てます。その頃、家族が食べていたのは健治さんの母・恭子さんが作るお豆腐でした。その豆腐作りを受け継ぐことがないまま健治さんのご両親は他界。数年後のある日、手つかずのまま残されていた工房をのぞいた里香さんは「ドアを開けた時、まだ両親の姿が残って見えて寂しかった。工房を復活させたい」という思いを抱きました。そんな時、職場の観光牧場に「昔とうふ」を卸していた豆腐職人の皆川洋一さんが店を閉めると聞き、豆腐づくりを教えてもらうことを決意。3か月間、洋一さんのもとでみっちり豆腐づくりを学びました。「昔とうふ」はこの地域でよく作られてきた豆腐。しっかりと水分を抜くため、固めで大豆の味が濃いのが特徴です。里香さんは観光牧場を退職し、2018年3月、先代の工房を受け継いで『りかちゃん工房の昔とうふ』を始めました。
義父母の豆腐工房を復活させたいと頑張る里香さんと支える健治さん、家族や仲間たちとの絆を紹介します。

里香さんの豆腐作りになくてはならない人が夫の健治さんです。朝早くから工房で機械の熱湯消毒とにがりの調合を手伝い、そのあとで自身の勤めるガソリンスタンドに出かけます。そして、ここからは毎日が真剣勝負。にがりを投入し、専用の機械で圧力をかけ、固まり方を見極めます。1丁分に切って水槽から持ち上げた豆腐は、プルルルン!とても弾力がある「昔とうふ」が完成しました。

工房で作る「昔とうふ」を市内に配達です。向かったのは、生産者が主役!という産直『新鮮館おおまち』や、居酒屋『ぐでんぐでん』。居酒屋メニューの揚げ出し豆腐に固めの豆腐が重宝されています。また、里香さんがかつて勤めていた観光牧場が営むハム工房には、おからをソーセージに加工してもらっています。いろんな方にお世話になっていると、感謝しきりの里香さんです。

この日、里香さんは豆腐づくりを教わり、5年間の成長を見守ってくれた師匠・皆川洋一さんのもとへ。去年、夫婦で栽培した自家製の大豆で作った「昔とうふ」の試食をお願いしました。ひと口食べて唸り、もうひと口…出たきた言葉は「うまい!」。「自分が作っていた豆腐よりも美味しいよ!」と絶賛。ここでも感謝の言葉を繰り返す里香さんです。

里香さんの新たな挑戦は、義母の豆腐を再現すること。時間を見つけては記憶を頼りに試行錯誤しています。義母、恭子さんの豆腐は今よりも滑らかだったといいます。健治さんもにがりを新たに調合。この日は、市内に住む息子の隆治さん、恵太さんと一緒に再現した豆腐を試食です。「懐かしい!10年ぶりの味だよ!お店に並ぶ日が来るかもしれないね。」と、家族みんなで喜びを分かち合いました。

楽園通信

道の駅むろね

りかちゃん工房の昔とうふを販売しています。
里香さんが一人で作り納品をしているため、数に限りがあります。

電話番号:0191-34-4180
営業日時:午前9時~午後6時

りかちゃん工房の昔とうふ 半丁 300円
豆腐のみそ漬 400円