神奈川・湯河原町
~めざせ100歳 健康を願うパン~
舞台は神奈川県湯河原町。吉浜地区にある自宅で、地域の仲間の長寿を願うパン屋さん『Olaloa YOSHIHAMA(オラロア ヨシハマ)』を開いた木村明美さん(65歳)と明彦さん(71歳)が主人公です。
横浜市出身の明美さんは薬科大学に進学、卒業後は横浜の病院で薬剤師として働きはじめました。30歳で、解剖学の先生だった明彦さんと結婚。2人の子供が生まれた後も、調剤薬局で仕事を続けました。海が大好きだったご夫婦は、3年前に湯河原町の海が見える元研修所を購入。近所に高齢者が多いことを知った明美さんは、食べることで健康をサポートするパン屋さんを開こうと考えました。「知らない人が家の中に入ってくるのが好きではない」という理由から、開店に大反対だった明彦さんも半ば押し切られる形で承諾。パンの学校で本格的にパン作りを学んだ明美さんは、薬剤師を辞めて去年の春、イートインができるパン屋さん『Olaloa YOSHIHAMA』をオープンしました。
ハワイが大好きな明美さん。お店の名前“オラロア”は長寿を意味するハワイの言葉だそうです。そんな明美さんが作るパンの中でも、特に力を入れているのが健康を考えたパン。ライ麦を混ぜたパンは、ビタミンやミネラルが豊富で、腸にもいいそうです。また、健康な人向けには、美味しさ重視のカレーパンやチーズ入りのパンなどもあり、毎日25種類ほどの焼きたてパンがお店に並びます。
さらに、明美さんは講師を招き、ご近所さんを集めたイベントも始めました。その一つが、みんなで声を出して本を読む「みちくさ朗読会」。こうした活動も「健康長寿、ご近所さんたちとともに百歳を目指そう」という大きな目標のため。そんな明美さんの頑張りを見て、開店には反対していた明彦さんも、趣味の解剖学に関する古書収集の傍ら、店のノボリを立てたり、配達を手伝ったりしてくれています。
“人の役にたちたい。人に寄り添いたい”そんな思いで日々奮闘する明美さんと、ちょっと人見知りな解剖学の先生である明彦さん。ご夫婦の暮らしぶりと、店に集う地域の方々との交流をご紹介します。
営業日の朝4時半、オーブンに火を入れます。この日、明美さんは地元の農家さんからいただいたミカンを使ったパンを作ります。ミカンは皮ごとハチミツ漬けにして、カスタードパンに載せました。ミカンの酸味とカスタードクリームがマッチして、子どもたちにも大好評! 地域の人々に支えられていると感じる明美さんです。
この日、やって来たのは常連のお客様。前職が薬剤師の明美さんは、お客様のいろんな相談にのっています。この日は血糖値が高いという話を聞き、その悩みに合わせてライ麦パンをおすすめしていました。
パン屋さんの開店には大反対だった明彦さん。最初は、「なにも手伝わない」と宣言していましたが、最近はお店のノボリを立てたり、幼稚園へパンの配達に行ってくれるようになりました。配達を始めた頃はドキドキだった明彦さんですが、今は可愛い園児たちに囲まれ、配達がひそかな楽しみになっているそうです。
明美さんの積極的な人柄で、移住した湯河原町に沢山の仲間ができました。「もっと友達を増やしたい」という明美さんは、最近ご近所さんを集めたイベントを始めました。その一つが声を出して元気になる『みちくさ朗読会』。元アナウンサーを講師に迎え、みんなで元気に声を出しています。
Olaloa YOSHIHAMA
明美さんが営む、健康長寿をめざすパン屋さんです。
健康志向なパンから、美味しさ重視のパンまで、毎日25種類ほどの焼きたてパンが並びます。
営業時間
午前10時~午後4時(10月~3月)
午前10時~午後5時(4月~9月)
定休日 火・水曜
ライ麦パンやカレーパンなど1個200円から
お問い合わせはホームページまで