毎週、金・土・日にオープンする『キコリ谷テラス』。亮太さんの朝どれ旬野菜がずらりと並び、自家製小麦を使った佐代子さんの手作りスイーツもお目見えします。そして店内を彩るのが、仲間たちが運んで来るバラエティーに富んだ品々。お米農家が作ったお餅や麺などの加工品や、スイーツ名人が作る絶品のクッキー。酪農家から届く乳製品やソフトクリーム、養鶏場の新鮮卵など、見るだけでも楽しくなる銘品ばかり。そしてお客さんがスイーツやコーヒーをテイクアウトして向かうのは…お店の裏手。こちらには大きな白いテントに覆われたテラス席や、裏山を切り開いて作った森の中のテラス席があるんです！ひとたび山に入れば喧騒を忘れ、風の音や鳥の声を聴きながらのんびり過ごせます。この開放的な空間が、お客さん方に大人気。

丹後半島の魅力的なものを見つける“嗅覚”が鋭い佐代子さん。夫の亮太さんも「天賦の才」と舌を巻くほどです。丹後ちりめんを製造する紡績会社「宮眞」を営む宮﨑さんご夫婦は、機織りの音に興味を持った佐代子さんから「工場の中を見せて！」とお願いされて驚いたエピソードを語ってくれました。また、魚の加工品店を始めた吉田さんは佐代子さんから「こんなのはどう？」と自家製ハーブと鮮魚を組み合わせた商品を提案され、手軽に調理できる魚のオイル漬けが誕生したそう。こうしてあちこちでプロデュース力を発揮している佐代子さん。さらに、地元で頑張る若手メンバーの販売サポートもしているんです。丹後のお宝を発掘しながら、どんどん仲間の輪も広がりつつあります！

年間80種類もの野菜を育てている亮太さんの『SORA農園』。トコトンこだわるタイプで、土作りから亮太さんのこだわりが詰まっています。山の落ち葉や茅葺のカヤ、野菜の葉っぱなどを使って時間をかけて堆肥を作り、それを混ぜ込むことで長年かけて畑の土の改良を行ってきました。お客さんは「味が濃く、野菜本来の味がする。他とは違う」とおっしゃっていました。亮太さんは収穫しながら「ここが美味しいんだよね～」と、とにかくバリバリ野菜を味見しまくり！こうして味を確かめながら、どうすればもっと美味しくなるか、日々考えているんです。こうして野菜への探究心と愛が尽きない亮太さんをバックアップするために、佐代子さんは自家製野菜のスイーツやサンドイッチを作って応援しているそうです。

この日、『キコリ谷テラス』の庭に数多くのテントが設営されました。集ったのはご夫婦と協力しながら地域を盛り上げる活動をしている丹後の仲間たち。そのチーム名は「TANGO TANGO TANGO（タンゴ・タンゴ・タンゴ）」！約30店舗もの店が軒を連ねる収穫祭です。亮太さんの大親友で『やさい魂研究所』を営む、九条ネギ農家の森さんは自慢のネギの入ったフライを提供。『KOHACHI beerworks(コハチビアワークス)』は、ベルギー人のジュリアンさんと妻の展子さんが営むクラフトビールのお店。他にもパン屋さんやラーメン店など、地元ならではの美味しい食材を使った個性豊かなお店がずらりと並びました。お客さんたちの楽しそうな表情や、丹後の良さも多くの人々に知ってもらえて、佐代子さんも亮太さんも大満足。また次に向けて、新たなお宝探しが始まります。